縮緬遊戯堂　～ファイアーエムブレム　聖魔の光石　支援会話集　フランツ～

ファイアーエムブレム聖魔の光石
支援会話集　フランツ

【フランツ×ギリアム　C】
フランツ
ギリアム殿、お尋ねしてもよろしいですか？

ギリアム
なんだ？フランツ。

フランツ
僕とこうして共に戦うのは、ギリアム殿にとってご迷惑でしょうか？

ギリアム
なぜそんな風に考える？　

フランツ
僕とギリアム殿では国も違うし、経験も違います。　
ひょっとしたら、一緒では戦いにくいんじゃないかと・・・。

ギリアム
くだらんな。答える必要は無い。

フランツ
ギリアム殿！

ギリアム
俺は国王陛下の命によりこの任務に就いている。
国が違う、経験が違うなど百も承知の上だ。
この中の誰と組もうと同じこと。勝手なわがままは通るものではない。
フレリアでは軍というものはそういうものだが、ルネスは個人のわがままで編成を変えるものなのか？

フランツ
いえ、とんでもない！　
ただ僕は自分の未熟さがギリアム殿の足を引っ張っているのではないかと、時々不安になって・・・。

ギリアム
フランツ、不安ならばやるべきことがあるだろう。

フランツ
やるべきこと？　

ギリアム
訓練に決まっているだろうが。
ルネス騎士の腕がどれほどのものか、この俺がじっくり見てやろう。

フランツ
望むところです、ギリアム殿。よろしくお願いします！

【フランツ×ギリアム　B】
ギリアム
フランツ、どうやら訓練の成果がでてきたようだな。

フランツ
はい、自分でも驚いています。全身に力がみなぎる感じなんです。
これはやはり、あの筋肉鍛錬が効いているんでしょうね。

ギリアム
フレリア式筋肉鍛錬術だな。
ルネスではあのような筋肉鍛錬術はやらぬのか？

フランツ
胸や腕、背中や足などの筋力をつける様に鍛えることはやりますが、
さすがに指の１本１本までは・・・。

ギリアム
筋肉とは人体の各部分を繋ぐ糸。指１本とておろそかにしてはならぬ。
それが我々フレリアの考えだ。

フランツ
国が違うと鍛錬法も色々あって面白いなあ。

ギリアム
しかし、おまえは毎日この鍛錬をやっても泣き言は言わぬな。
よく続くものだ。

フランツ
それは、いつも鍛錬を終えて寝る前に、ルネスに古くから伝わる
筋肉緩和術をやっているからです。

ギリアム
筋肉緩和術？

フランツ
一日の筋肉の疲れをほぐす術です。
翌朝の目覚めもすっきりします。

ギリアム
翌日に疲れを持ち越さないのか？

フランツ
はい。持ち越さない為にやるのです。　

ギリアム
ほう、それは凄い！

フランツ
僕でよければ、御指導いたしますよ。　

ギリアム
ならば、頼む。　

フランツ
はい！では早速今夜お伺いします。

【フランツ×ギリアム　A】
ギリアム
フランツ、ルネスにも学ぶべきことが色々とあるな。

フランツ
突然どうしたんですか？　ギリアム殿。

ギリアム
あの筋肉緩和術を、毎晩やっているが、おかげで体が軽く、動きも軽快だ。

フランツ
気に入っていただけたようですね。

ギリアム
ルネス式もいいものだな。

フランツ
本当ですか？はは、嬉しいな。
ギリアム殿にそう言っていただけるなんて僕、とても感激です。

ギリアム
感激とはまた、大袈裟な。

フランツ
だって、本当に嬉しいんです。
どんな些細なことでもいい・・・。
ルネスのことを他国の人に認めてもらえるだけで、はしゃぎたい気持ちです。
ルネスは小さな国だけど、いい所が一杯あるんだぞ！・・・って。

ギリアム
お前のその気持ち、国は違うが同じ騎士としてよく分かる。
他国にあればこそ、自国に思いをはせるものだ。

フランツ
ご理解いただけて嬉しいです。　

ギリアム
堂々と胸をはり、存分に国を誇れ！
ルネス騎士・フランツ。　
俺も同盟国・フレリアの友としておまえの誇りに耳を傾けよう。

フランツ
はい、ありがとうございます！ギリアム殿！　

【フランツ×フォルデ　C】
フランツ
兄さん！

フォルデ
よぉ、フランツじゃないか。

フランツ
エフラム様と共に行動されていたあの期間、そして始まったこの戦い・・・。
特に前者の時は心配しましたよ。本当に無事で良かった。

フォルデ
お前も無事だったみたいだな。安心したよ。
色々とお役目ご苦労さん。大分たくましくなったじゃないか。

フランツ
ありがとう、兄さん。
それにしてもこの戦い・・・、兄さんは、どうなると思いますか？

フォルデ
さぁな。なるようになるんじゃないか？

フランツ
な、なるようにって・・・.ふざけてないで、もう少し真面目に答えて下さいよ。

フォルデ
別にふざけてなんていないさ。
こちらの軍は選りすぐりの精鋭だが、敵も強力かつ大多数だ。
まぁ、強いて言うなら自分がいる方が勝つと信じたいね。

フランツ
信じるだけじゃなく、そうなるように努力しましょうよ。
ルネスの騎士として。

フォルデ
マジメだなぁ、お前・・・。カイルの奴に少し似てきたぞ。
あんまり肩に力が入り過ぎてちゃ、本番で失敗するぜ。

フランツ
そ、そうですか？

フォルデ
そうそう。
責任感があるのはいいが、あまり自分を追い詰め過ぎるな。

フランツ
は、はい。分かりました兄さん。

【フランツ×フォルデ　B】
フランツ
兄さん・・・。絵を描いてるんですか？

フォルデ
ん？　あぁ、まぁ趣味だからな。
そう言えば、お前の趣味は釣りだったよな。

フランツ
あ、はい。

フォルデ
釣りのどんな所が好きなんだ？

フランツ
やはりなんていうか・・・、
陸で行う狩りとはまた違った、獲物を得る猟の楽しみがあるかな。
釣り竿を扱っていると、槍を扱う手も器用になるような気がするし。

フォルデ
おいおい、遊んでいる時ぐらいは槍だの剣だのってのは忘れろって。

フランツ
・・・それに・・・。

フォルデ
それに？

フランツ
何だか穏やかな気分になれるんです。

フォルデ
・・・そうだな。釣りはいい。のんびりできて・・・。
なにかこう、心に余裕ができるよな。

フランツ
はい。

フォルデ
その心は大切だぜ。
日常生活においても戦場においても。
そうだ。だったらお前、たまには息抜きがてらにその辺の川で釣りをしたらどうだ？

フランツ
そんな！　
さすがにこんな戦の途中でそれはできないですよ。

フォルデ
敵との戦闘中にする事はないが、一段落ついた時にでもさ。
大漁だったら、軍の食料としても助かるだろうが。

フランツ
そ、そうですか・・・？

フォルデ
そうそう。大物釣って、俺に美味い魚食わせろよ。
よし、約束だ。

フランツ
えっ？あ・・・は、はい。

フォルデ
よぅ～っし、楽しみができたぞっ、と。

フランツ
う～ん・・・何だかいつも兄さんの会話のペースにのせられてる気が・・・。

【フランツ×フォルデ　A】
フランツ
兄さん！

フォルデ
よぉ、フランツ。この間の魚、美味かったぜ。

フランツ
釣ってる時はちょっと気分的に後ろめたかったですけどね。
戦いが一段落した時だったとはいえ、こんな行軍の途中で・・・って感じで。
でも、ゼト将軍や隊の皆さんも喜んでくれたから良かったですよ。

フォルデ
そうそう。結果オーライってやつだ。

フランツ
・・・・・・。兄さん。僕、決めましたよ。

フォルデ
ん？何をだ？

フランツ
やっぱり僕の目標は兄さんです。

フォルデ
どうしたんだフランツ。急に・・・。

フランツ
改めて思ったんです。
思えば、初めて剣を取ったのも、幼き日に見た兄さんの姿に憧れての事だった。
僕はこれから兄さんのような立派な騎士になれるように頑張っていきます。

フォルデ
はぁ？
俺みたいな怠け者を目標にするのなんざ、やめとけ。
他にもっといい手本がいるだろう？

フランツ
いえ、兄さんは確かに他の人が言うように、普段は怠けて見えますが、
ひとたび戦いになると人が変わったような技の冴えを見せます。

フォルデ
そうか？

フランツ
はい。
それに時折おどけてみせるのも、普段緊張で疲れている兵士たちの心を和ませ、
肩の力を抜かせる為だって、知ってましたよ。

フォルデ
・・・・・・。

フランツ
それにあの剣裁きや槍の腕前は、ルネスやフレリア、その他諸国の騎士の中でも
かなり高いレベルのものだと思います。

フォルデ
うわっ、持ち上げてくれるねぇ。

フランツ
行く先々で時折絵を描いているのも、本当はその場所での地形効果をより有利に
使うための情報収集だって事も・・・。

フォルデ
いやいや。あれは趣味による所が大きいぜ？
あんまり買いかぶるなって。

フランツ
そんな事ありませんよ。
それが証拠に、兄さんの描く絵はいつも風景画ばかりじゃないですか。

フォルデ
・・・・・・。
人物の絵は・・・、母上を最後に描いていない・・・。

フランツ
母・・・上・・・ですか・・・？

フォルデ
ま、まぁまぁ、それは置いといて。全く、何を言い出すかと思ったら。
目指すならゼト将軍とかでいいだろ？

フランツ
もちろん、ゼト将軍の事は尊敬していますし、これまでもこれからも憧れの方です。
でもやっぱり、当面の目標は兄さんなんです。

フォルデ
・・・・・・。まぁ、お前のやりたい事に口出しはしないけどな。
後悔しても知らねえぞ？

フランツ
後悔しませんよ、絶対。

フォルデ
フッ・・・そうか。

フランツ
はい。では、そういう事ですから。
兄さん、絶対に敵になんかやられたりしないで下さいよ。
じゃ。

フォルデ
フッ、あいつめ・・・。生き残れよ、フランツ。
俺も必ず生きて戻る。そして、平和になった俺たちのルネスで、また共に暮らそう。

【フランツ×ナターシャ　C】
フランツ
ナターシャさん。

ナターシャ
フランツさん。
どうです、無事でやっておられますか？

フランツ
あっ、はい。ありがとうございます。
大きな問題はありません。
ナターシャさんもご無事のようですね。
安心しました。

ナターシャ
はい。皆様が色々とフォローをして下さるおかげで、何とか生き残ってこれました。
私が無事なのは、皆様のご活躍あってこそ。
とても、感謝しています。
もちろんフランツさん、あなたにも。

フランツ
いいえ、ナターシャさん。
僕の力など、本当に微々たるもので・・・。

ナターシャ
フランツさんは控えめな方ですね。
本当の事ですよ。

フランツ
ありがとうございます。

ナターシャ
ところで、フランツさんは、
変わったかばんをお持ちなのですね。

フランツ
えっ？

ナターシャ
支給されてるものとは随分違うし、他の騎士の方にも、
あまり持っていらっしゃるのをお見かけしないような・・・。

フランツ
ああ、これですか。
実はこれ、僕が自分で作ったんです。

ナターシャ
えっ、そうなのですか？

フランツ
この横のは水筒をさす所で、こっちのは保存食を入れる所になっています。
これが薬草入れで・・・色んなものがすぐに取り出せるようになっています。
あと、馬に下げても大きく揺れないようにしてあったり、
片方の肩でも両肩にでも、背負い易いように工夫してあるんです。

ナターシャ
すごいですね！
フランツさんは、とても器用だわ。

フランツ
ありがとうございます。
僕の取り柄といったら、これぐらいで・・・。
あの、良かったら今度ナターシャさんにもお作りいたしましょうか？

ナターシャ
えっ、本当ですか？
嬉しいですわ。ぜひお願いいたします。
でも・・・本当によろしいのですか？

フランツ
はい、もちろんです。
お任せ下さい。

ナターシャ
ありがとうございます、フランツさん。

【フランツ×ナターシャ　B】
ナターシャ
フランツさん。
この間作って頂いたかばん、とても使いやすいですわ。

フランツ
本当ですか？
良かった・・・。お役に立てて幸いです。
僕のものよりも、少し軽くしておいたんです。

ナターシャ
本当にありがとうございます。
これからも、大事に使いますね。
あっ、いたっ！

フランツ
！！
大丈夫ですか、ナターシャさん！どうされました！？

ナターシャ
か、髪が・・・。

フランツ
あっ・・・。髪の一部が、装飾品に挟まれて・・・。

ナターシャ
つ・・・。

フランツ
あっ、だ、大丈夫です。
僕がやりましょう。

ナターシャ
すいません、お願いいたします。
・・・。

フランツ
・・・・・・。

ナターシャ
・・・・・・。

フランツ
取れましたよ、ナターシャさん。

ナターシャ
ありがとうございます。

フランツ
あっ、髪が・・・。
！そうだ。少しお待ち下さい。
ええっと・・・。

ナターシャ
？

フランツ
あっ、ありました。

ナターシャ
くし・・・？

フランツ
髪が少し乱れていますので、よろしければ、これで整えましょうか？

ナターシャ
は、はい。それではお願いします。
でもそのくしは・・・。

フランツ
では、失礼します。
・・・・・・。

ナターシャ
・・・。

フランツ
・・・このくし、実は母の形見なんです。

ナターシャ
フランツさんの・・・お母様の・・・。

フランツ
はい。
実は、今回家を出る時に、何か大きな事が起こる予感がして、
お守り代わりに・・・って持ち出したんです。
普段は、兄の描いた母の絵の前に飾ってあったのですが・・・。

ナターシャ
そうなのですか・・・。

フランツ
はい・・・。
・・・・・・・・・・・・。
どうぞ、終わりました。

ナターシャ
あ・・・・・・。
自分でやるよりも、ずっといい感じ・・・。
やっぱり、フランツさんは器用なのですね。
なんだか、フランツさんが近くにいて下さると、心強い気がいたしますわ。

フランツ
そんな。お役に立てて幸いです。

ナターシャ
いいえ。本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたしますね。

フランツ
ええ、こちらこそ。
よろしくお願いいたします。

【フランツ×ナターシャ　A】
ナターシャ
最近頑張っておられますね。

フランツ
あ、ナターシャさん。
いえ、僕など本当にまだまだ未熟で・・・。

ナターシャ
フランツさんは真面目で一生懸命ですもの、きっと今よりも、もっともっと強くなって、
とても立派な騎士になられると思います。

フランツ
あ、ありがとうございます・・・。
でも僕は、特に槍や剣の腕が優れているわけでもないし、体格は小さい方ですし・・・。
戦力としては他の人に比べると、まだまだ本当に・・・

ナターシャ
騎士には色々なタイプの方がいます。
天才的な技の冴えを持つ方もおられれば、大きな体の力自慢の方もいらっしゃいます。
でも、フランツさんにだって他の方に負けない素晴らしいものがありますわ。

フランツ
僕に・・・ですか？

ナターシャ
はい。
フランツさんには、まっすぐな心があります。
それは、どのような槍などよりも強く、何かを貫き通す力があるはずですわ。
もっと自信を持って下さい。

フランツ
ナターシャさん・・・。
・・・・・。
僕の・・・心・・・。
ありがとうございます。
ナターシャさんのおかげで、何だか自信が湧いてきました。

ナターシャ
良かったですわ、フランツさん。

フランツ
あっ、そうだ。ええっと・・・。

ナターシャ
？あっ、それは・・・。

フランツ
はい。この間のくしです。
これ、よろしかったらナターシャさんが持っていて下さい。

ナターシャ
フランツさん・・・？

フランツ
これを持っていたおかげで、僕はこれまで無事でやってこれたと思うんです。
だから、ナターシャさんに持っていて頂ければきっと・・・。

ナターシャ
・・・・・・いけないですわ、フランツさん。
それはやはり、あなたが持っておくべきです。

フランツ
ナターシャさん？

ナターシャ
あなたのお母様は、そのくしを持っている『あなた』を、見守っておられるのですわ。
お母様のご子息であるあなたが大切に持っている事に、意味があると思うのです。

フランツ
ナターシャさん・・・。

ナターシャ
でも・・・ありがとうございます。
フランツさんの気持ち、嬉しいです。
・・・・・・。
フランツさん・・・。
この戦い・・・フランツさんが側にいて下さったから、私、安心して戦えたんです。

フランツ
そんな・・・大袈裟ですよ。

ナターシャ
いいえ、本当に。
私には、お守りよりも何よりも、今こうして側にいてくれるフランツさんが、
何よりも一番、頼りになる存在なんです。
これからも、よろしくお願いしますね。

フランツ
は、はい！
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

ナターシャ
そして、平和な・・・ルネスもグラドもその他の国々にも争いの無い、
そんな世界を取り戻しましょう。

フランツ
もちろんです、ナターシャさん。
・・・そのためにも必ず・・・勝利を！

ナターシャ
ええ、頑張りましょう。

フランツ
はい！

【フランツ×アメリア　C】
フランツ
あっ、君は確か･･･そうそう、アメリア。

アメリア
えっ？　あっ、ええっと･･･そっか、フランツさん！　

フランツ
うん、そうだよ。どう？もうこっちの軍には慣れた？　

アメリア
はい。正直、グラド軍に入った時よりも、だんぜん馴染み易くて･･･。
あたしと同じくらいの年の人たちだっているし、なんだか少し安心しました。　

フランツ
そうだね、僕たち2人も、きっと同じ歳ぐらいだし。
よし。じゃあ、君と僕とはライバルだ。　

アメリア
ええっ！そ、そんな･･･。

フランツ
どうかな？

アメリア
い、いきなり･･･？
あ、あのっ、そのっ･･･しょ、勝負したり･･･するんですか！？　

フランツ
いや、別に直接戦ったりする訳じゃないよ。
お互い、もっと強くなれるように頑張るんだ。
僕は君に負けないように、君は僕に負けないように。
今よりも、もっと強い自分になれるように努力する。　
一人で頑張るより、そういった相手がいた方がきっといいと思うんだ。

アメリア
あっ、それなら･･･でも、どうして？

フランツ
うん、あのね。
その･･･実は、僕の兄さんもルネスの騎士なんだけど、
兄さんには昔からそういう人がいて･･･ずっと、ずっとうらやましかったんだ。　
二人はいつもお互いを意識して競い合い、言い争いとかも結構あったけれど･･･、
心の中では相手を認めてて･･･なんか、憧れてたんだ。　

アメリア
あ･･･う･･･あ、あたし、そんな立派な人たちとは･･･。

フランツ
あはは。そんなの関係無いよ。
立派とか、立派じゃないとか･･･そんなのじゃないんだ。
ただ、そういった相手が、本当は誰にだって必要なんだと思う。
それに、もう君も一人前の兵士だろ？

アメリア
い、一人前というか･･･まだ半人前が抜けないというか･･･。

フランツ
僕も似たようなもんだよ。
だからさ。お互い、頑張ろう。　

アメリア
は、はいっ！　
フランツさんの期待に応えられるかどうか分かりませんけど･･･。
でもっ、頑張りますっ！　

フランツ
うん。よろしく、アメリア。　

アメリア
はい！

【フランツ×アメリア　B】
アメリア
あっ、フランツさん！

フランツ
アメリア。フランツでいいよ。　

アメリア
ええっ？　でもっ。

フランツ
僕たちはライバルだからね。それに、そんなに丁寧な言葉遣いもいらないよ。　

アメリア
あっ、はい。フランツさん。

フランツ
あはは。だからいいって。

アメリア
あっ。じゃ、じゃあ･･･分かったよ、フランツ。

フランツ
うん。

アメリア
あはっ、何だかちょっと･･･照れる･･･。

フランツ
ところでアメリアはさ、この戦い･･･どう思う？　

アメリア
えっ？　

フランツ
僕は未だに納得いかないんだ。グラドがルネスを侵略してきた事。　
ルネスとグラドは友好関係にあったし、エフラム様やエイリーク様も、
グラド帝国のリオン皇子とは仲が良かったって聞いてる。
やっぱり、何かがおかしいよ。　
国や人の友好や友情って、そんなに簡単に破れるものなのかな･･･。
もしかすると、エフラム様やエイリーク様だったら、　
何か詳しい事情を知っているのかもしれないけれど･･･。

アメリア
あたしは･･･。

フランツ
あっ、ゴメン！
アメリアの国の事、悪く言って･･･。

アメリア
ううん。あたしも、グラド帝国の今回の行動には、疑問を感じていたの。　
あたし、田舎だったけど生まれも育ちもグラド帝国の地だったの。　
グラドって、かつてこの大陸を救った勇者様の名で、その人が創った国でしょう？　
それがあたし･･･小さいときから、ずっと嬉しかったのに･･･。
自分が生まれたのは、正義の国なんだって、思ってた。　
だけど、今回の戦いは･･･。

フランツ
アメリア･･･ごめん･･･。
今回の戦い･･･君にとっては辛いものだね･･･　

アメリア
ううん、フランツ。ありがとう。　
でもあたし、やっぱりルネスに侵攻したグラド帝国は間違ってると思う。　
例えそれが、グラド帝国自体の幸せをつかむものだとしても、
他の国や人々の幸せを踏みにじって手に入れるなんて･･･そんなの、やっぱり間違ってるよ！　
あたし、この戦にはグラドの兵士として参戦したけど･･･、　
でも、やっぱり、あたしは･･･あたしの、自分の思う正義を･･･信じたい！
そう･･･思う。　

フランツ
アメリア･･･君の祖国への想い、
そしてそれ以上に正義を思う心･･･そして優しさ･･･よく、分かったよ。　
もし僕に、出来る事や聞ける事があったら、何でも言って欲しい。　
僕たちはライバルであると共に、もう、信じあえる仲間なんだから･･･　

アメリア
フランツ･･･うん、ありがとう･･･。

フランツ
僕も君に負けないよう、頑張るよ。

アメリア
うんっ、あたしも頑張る！

【フランツ×アメリア　A】
フランツ
そういえばアメリア。一つ聞いていいかい？　

アメリア
なに？

フランツ
君はどうして兵士に？　

アメリア
！････････････。
あたしね、独りになっちゃったの。　

フランツ
アメリア･･･？　

アメリア
あたし、小さい頃はお母さんと･･･辺境の、小さな村で二人で暮らしてたの。　
でも、ある日ね･･･お母さん、山賊に連れていかれちゃった。　

フランツ
！！

アメリア
物心ついた時には、お父さんはいなくて･･･。
お母さんがたった一人の家族だったのに･･･。　
お母さん、病気で･･･体が弱かったのに･･･。

フランツ
･･････。

アメリア
山賊がやってきた時･･･あたしは、ベッドの下で･･･、
ただ･･･震えてた･･･。

フランツ
アメリア･･･。

アメリア
ま、守りたかったの！強く･･･なりたかったの！　
例え勝てなくても･･･戦いたかった！
自分の大切な人を、守れるように･･･って･･･うっ･･･。
･･････。

フランツ
･･････そうだったんだね、アメリア･･･。
話してくれて、ありがとう。
ねぇ、アメリア。聞いて欲しいんだ。僕にも･･･両親はもういないんだ。　

アメリア
フランツ･･･も･･･？

フランツ
うん･･･でもまぁ、兄さんがいたけどね。
でも、僕は母上を覚えてない。だけど、なんていうのかな。
だからこそ、一生懸命に生きようと思ったよ。
亡くなった父上や母上の分まで僕が生きて、そして幸せになってやるんだ！ってね。　
そしてアメリア。君も･･･一生懸命なんだね。
一生懸命、自分を信じて、力一杯、生きてる。
努力して、頑張って･･･君の理想が何処にあるかは今の僕には分からないけど･･･
良かったら僕も、君と一緒に道を歩かせてくれないかな？
僕は僕の道を行くけど、きっと･･･僕らの道は、同じ方向に向ってると思うよ。　

アメリア
フ、フランツ･･･？

フランツ
ダメかい？

アメリア
ううん！違うの、嬉しいの！フランツ･･･！！

フランツ
アメリア、君は僕が守るよ。　

アメリア
フランツ･･･ありがとう･･･。
ほんとに、ほんとに嬉しいよ。
でも･･･だから･･･あたしもあなたを守りたい。　
これでも、ほらっ、一応･･･兵士の端くれだから･･･ねっ？　
だから･･･あたしは、あなたを守る盾になる･･･。

フランツ
なら、僕は君を守る剣になるよ。これからは、2人で行こう。　
アメリア。君は独りじゃない。

アメリア
フランツ！

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