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任天堂、失敗の思ひ出

何もしなくても当分の間社員を食わせていけると言う超優良企業の任天堂。
しかし、世界中で成功を収めた商品ばかりではなく、中には目を覆いたくなるような失敗商品もあった。
そんな苦い思い出の品々を紹介するコーナーでごじゃる。

なお、ファミコン発売以前の任天堂はインスタントライスの販売やラブホテル経営等、
ゲーム分野以外で数々の失敗を経ていまするが、
このコーナーではそれらは割愛させていただきます。

失敗の思ひ出 発売日
(未発売なら頓挫時期)
説明・コメント
バーチャルボーイ
1995/7/21  ファミリーコンピュータ発売以降では任天堂最大の失敗と言っても過言ではない存在。
 ゴーグル型の筐体を覗き込む格好でプレイするのが特徴。画面は赤と黒のみ(LEDの発光強度で4色を出しわける)。
 日本国内では丁度3DOに始まり、セガサターン、プレイステーション、PC-FX等、32bit次世代機発売に湧いていた時期だったが、それらと趣の異なるこのバーチャルボーイがそれら次世代機と同じくくりで比較されてしまったのは気の毒だった。
 ただ、発売時期の悪さを差し引いてもソフトの貧弱さは否定できず(ファミコン初期の作品をただ3D化したような芸の無いゲームが大半だった)。

 国内では全メーカー込みで19本のタイトルが発売されるに留まり、発売から5ヶ月で新規タイトルの発売は無くなり、翌年の早い時期に店頭から消え去った。一部タイトルは出荷数が極端に少ないため、中古で5万以上のプレミア価格で取引されている。
サテラビュー
1995/11月
一般販売開始
 スーパーファミコン用の周辺機器として1995年11月に販売開始。93年、最初にサテラビューの開発が発表された際はニュース番組やカラオケ等の配信も計画されたが、実際のサービスでは任天堂の得意とするゲーム配信に特化する内容に変更された。
 当時32bit次世代機と注目を集めたセガサターン・プレイステーション等の発売後であったこと、任天堂自身もNINTENDO64を発表後であったこと、当初は店頭で一般販売されなかったことから普及は伸び悩んだ。
 サービス開始の翌年からは早くも規模縮小が繰り返された。途中、任天堂とセントギガ社の関係の悪化による中止危機を抱えつつもなんとか2000年まで細々とサービスは継続された。
 BS配信されたソフトの一部は通常のカセット式のゲームとして発売されるに至っている(「平成新・鬼ヶ島」、SFC版「カービィのきらきらきっず」、「POWER倉庫番」等)。


 管理人アルツもサービス終了間際に駆け込みでサテラビュー入手に成功したが、サテラビューカセット(BS-X)で遊んだ際に広がる広大な街のMAPにひたすら更地のみが広がる様は余りにも寂しいモノがあった・・・。一か所だけなんかミニゲーム的な物が遊べたが、物凄く切なかったと記憶しております。
64DD
1999年  ニンテンドウ64発売直後から開発は発表されており、当時の任天堂系のゲーム誌では宮本氏を始め多くの任天堂のクリエイター・広報担当者が「ニンテンドウ64はDDと一緒になって初めて一人前になる」と言ったコピーで大々的に宣伝していた。カートリッジの容量の少なさをカバーできるとし、「ゼルダの伝説64(時のオカリナ)」、「MOTHER3」、「スーパーマリオRPG2(マリオストーリー)」、「ポケモンスタジアム」等の容量を食う大作は最初は64DDでの発売が予定されていた。書き込める領域の大きいメディアの特性からこれまでにないゲームが数多く登場すると派手に宣伝していたのだが、結局前述のゲームの多くはカートリッジの容量の拡大に伴いDDから通常カートリッジでの発売に切り替えられ、「MOTHER3」は発売中止(後にGBAで復活)、「キャベツ」、「スーパーマリオ64-2」、山内社長(当時)が大プッシュした「ウォール街」と言った作品は画面写真の一点も出ることなく無かったことにされた。
 64DD自体の発売も延期を繰り返し、実際に発売されたのはニンテンドウ64の後継機ゲームキューブが発売されてから、と言う体たらく。また、販売方法も一般の店頭では購入できず(ランドネット会員になることでしか入手できなかった)、スーパーファミコンのサテラビューの失敗を全く省みない手法から、そもそも任天堂自身から売る気そのものが感じられなかった。
 
 当初はファミリーコンピュータディスクシステムのように店頭に書き換え用のディスクライターを設置して、安価で新しいゲームを手に入れたりデータを追加できたりする計画もあった模様。
モバイルアダプタGB
2001/1/27  ゲームボーイと専用の通信機器であるモバイルアダプタを接続してデータ・タイム・ゴーストをアップロード/ダウンロードするサービス。しかし、サービスの内容そのものが今一つ面白みに欠ける内容であったこと、通信料・コンテンツ料と多重に課金されていて割高であったこと等からゲームボーイのメインターゲット層である低年齢層にはとっつきが悪かったことは否めない。
 GB末期に登場しポケモンやマリオカート(GBA)の新作と連動させる等、積極的な展開も見せたが結局普及は進まず、2002年内で全サービスが終了した。
カードeリーダー

(写真はカードeリーダー+です)
2001/12/1  専用のバーコードが印刷された紙のカード『カードe』を読み込むためのゲームボーイアドバンスの周辺機器。読み込むデータはちょっとしたミニゲームやゲーム内の隠し要素のアンロック機能に用いられることが多かった。
 元から販売数の多い『ポケモンカード』や『ポケットモンスター』シリーズ、ヒットシリーズであった『どうぶつの森e+』、『ロックマンエグゼ』等に組み込まれたためそこそこの数は売れていると思われるが、所詮はオマケ程度の扱いであり、このカードe自体を目的に買っていたユーザーはそれほどいなかったのではないか?
 2003年頃にはカードe対応のカードは5枚入りのパックが20〜50円で投げ売りされている店舗が見受けられ、廃れたのは早かった。
ゲームキューブ-
ゲームボーイアドバンス連動
2002〜2003年頃  ニンテンドウ64「ポケモンスタジアム」シリーズでニンテンドウ64とゲームボーイソフトの連動例はあったものの、ハードの設計上かなり無理があったとのこと。その反省を活かし、それぞれの後継機にあたるゲームキューブとゲームボーイアドバンスは連動しやすいよう考慮されて設計された。
 ゲームキューブのウリの一つに挙げられ、2003年(確か)のE3ではGC-GBA連動を最前線に出した宣伝が展開された(筆者はたしか目玉が「パックマンVS.」であったと記憶している)。ただ、内容的にはいささか地味であったことは否めない。
 大抵の連動ソフトは手元に情報を持たせてGBAをコントローラ替わりにするか、ゲーム内の隠し要素のロック解除用に用いるかのどちらかに分かれる。

 ゲームキューブのタイトルの中ではこの機能に対応しているタイトル数自体は少なくないと思われるが、連動要素のおかげでヒットしたと思われるソフトは残念ながら見当たらない。精々『出せば売れる』状態だったポケモン関連作が売れたに過ぎない。GBA自体にボタンが少ないことや要所要所でGBAへのデータダウンロードに伴う待ち時間が発生するなど、そして人数分のGBA本体を揃えると言う初期投資のせいで敷居が高く、手軽に遊べるとは言い難い状況だった。

 アルツ個人的には「ゼルダの伝説 4つの剣+」内の「ナビトラッカーズ」がちょっと斬新だな、と感じた程度で、その他のソフトは「初期投資に費用が掛かる割には原始的な内容で大したことないやね。」程度にしか感じなかったな。
タッチストラップ
2004/12/2  親指の腹に固定してタッチパネルを直接操作するための付属品。初代のニンテンドーDSにのみ標準で付属。アナログスティックを持たないニンテンドーDSではスーパーマリオ64のアナログ操作の際はタッチパネルを触ってアナログスティックの代わりにする必要があったが、操作性はニュートラルポジションがずれまくりで今一つ。
 「タッチストラップはタッチパネルを操作する上での革命」と雑誌のインタビューかなんかで自信満々に語って宮本氏の笑顔が印象的だったが、「スーパーマリオ64-DS」に続くソフトは任天堂自身からも登場せず、ニンテンドーDSLiteからは付属すらされず『無かったこと』にされた模様。
ゲームボーイミクロ
2005/9/13  ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイアドバンスSPに続くゲームボーイアドバンスのモデルチェンジ版。日本国内向けとしては初めてバックライトを搭載(国内版SPはフロントライト。海外版SPでは後期出荷の物はバックライト式に変更されている)。
 本体が非常に小型化されているため画面は小さいが、発色も明るさも良好であるため見易さは問題ナシ。ただし、既に後継機のニンテンドーDSが登場していたこと、“ゲームボーイ”と名前に付いてるクセにゲームボーイのソフトが遊べないこと、周辺機器が流用できないこと、極め付けに互換性なしのクセに通常のアドバンスより高い、と痛い欠点が多かったせいか、大して売れることなく終わってしまった(・・・とは言ってもバーチャルボーイ・サテラビュー・64DDの“御三家”よりは全然売れてるので、中古屋なんかでフツーに購入は可能)。

 フェイスプレートを豊富に用意する、とのアナウンスがあり、チラシにもその記述があった(1000円で販売する予定だった様子)のだが、売り上げ不振を受け、アッサリ撤回された。




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