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縮緬任天堂研究所


《その他》
No.2 TVゲームにおけるボイスのあり方についていろいろと


 TVゲームにおけるボイスのあり方でふと思うんだが、「フルボイスじゃない。論外」とか「声優じゃない人間使ってるのあり得ない、ボツ!」とか、声優によるボイスが入ってるか否かがゲームの評価に直結してしまう価値観ってのは「アニメとゲームを1つのまとまったジャンルとして認識しているか否か」で決定するよーな気がするのよね。


 わし自身はTVゲームとアニメってのは明確に別ジャンルだと認識してる派なんで、「声優じゃないと――」って部分には興味が無いし(合ってりゃそれでいい)、ってかソレ以前に、ゲーム内においてセリフ送りのテンポが犠牲になるフルボイスとか、そもそも必要ないと思っとる派ではある。この辺はわしゃ古参ニンテンダーなんで、その辺りも関係してそうな気はする。いや、グランディアとかアニメとの融合を目指したゲームとかも好きだったし、桝田ゲーとか声優の演技ありきで成り立つゲームで好きなモノもあるから、そういう声優の演技ありきのゲームに関しても別に全否定はしないけどな。

 ただ、最近で言えば任天堂のゲームでもファイアーエムブレムやゼノブレイドなんかは明確にスタンスを変えつつあって、それがチト寂しいな、とか思う次第で。ファイアーエムブレムは初めて光ディスクメディアのゲーム機で出たのゲームキューブの『蒼炎の軌跡』のタイミングでもテンポ重視でボイス切ってた位なのに、ここ数作でガラリと流れを変えちまったのが残念でなァ(笑)。

 時代の流れで仕方ないののかもしれんけど、テンポだとか想像の余地だとか、ソレ以前の合う合わないや個々のプレイヤーの好みで良し悪しが割れてしまう「声アリ」が「声ナシ」の全てにおいて上回るとは思えんだけに、ちょっと複雑な気分ではある




 そういう意味で見ると、昨年のドラゴンクエスト11ってのは「ボイス無しなんてあり得ん」とか一部ユーザさんから叩かれてた部分もあるように見えたもんだけど、ドラクエってオッサン以上の壮年老年ユーザも多いから、必然的にわしみたいな価値観の人間も増える。恐らくこの辺に配慮してってのもあると思うんだよな。制作にあたっては恐らくはスタッフの間でも相当揉めたろうし。


 わしはアニメとゲームが「=」で繋がんないから声の出ないゲームもさして違和感も無いが、TVアニメを見て声が無かったら違和感はあるだろう。 その意味では、んー…アニメとゲームが一括りなプレイヤーさんだと「声がナイ、ありえへん!」は、確かにそうなっても仕方ないのかなァ。価値観の違いと申すか、やべェぜ…ジェネレーションギャップを感じる。く…まだ30代なのに、もう年寄り扱いか…(苦笑)。

 日本のTVゲーム全体に、わしがかつて提唱した「和ゲーのPCエンジン(のCD-ROM2)化」(=TVゲームへのアニメ成分の融合・侵食)が着々と進みつつあるのやもしれぬ。ちょっと複雑なキブン…(苦笑)。

(2018/4/23発言、2018/5/10掲載)


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