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メトロイド サムスリターンズ
メーカー:任天堂
開発:マーキュリースティーム
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2017年9月15日
価格:4980円
ジャンル:アクション(2D)


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通常版 限定版

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 8 6 7 5 6 68
プレイ時間…10〜15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
サイコーだYO!
・2D-ACT系のメトロイドとしてはゲームボーイアドバンスからニンテンドーDSを飛び越えて一気に2世代進化した格好になる13年ぶりの新作だけあり、操作性・快適性の部分で大きく進化している。攻撃の狙いを360度好きな方向に撃てる新機能や、ボタンで発動するメレーカウンターや特定エネルギーを消費してのマップ表示・一時的な無敵機能など、親切過ぎない程度で幅広いユーザ層に考慮した快適性の高さが良し。スピーディでキビキビとした動きも2Dメトロイドならでは、か。

・ゲームボーイアドバンス『フュージョン』・『ゼロミッション』では作中でサムスの心情を表すテキストが挿入されたりして賛否が割れた印象だが(個人的にはアレくらいなら違和感無かったけど)、今回は徹底してムダなイベントは端折られ、無骨なメトロイドが復活した印象。

・ハード性能的には今となってはショボい3DSだが、このゲームのグラフィック自体の表現力はなかなか。海外ソフトハウスだと演出重視で遊びやすさを度外視して来るゲームも多いけど、まぁ任天堂の看板タイトルの1つだけあってその辺はしっかり任天堂が口出ししてんのかな、って印象。最近は任天堂自身でも3D立体視を廃止した3DSソフトが増えてるけど、このゲームはバリバリ対応。立体視の効き方も絶妙で臨場感があって良い。良いと思うんだがなァ、立体視。次でも続けんですか?(※任天堂はまだ何も言っておらんですけど)。

・ワープポイントが用意され、移動は少々ラクになった感じか。まぁ大雑把にしか動けんので焼け石に水な所もあるが。

・ゲームボーイ版ではワンパターンだったメトロイドとの戦闘だが、今回は登場する場所毎に微妙に能力が異なる攻撃をして来る事があり、そういう点で新鮮さはある。

・体感的には原作のIIよりかなり難易度が上がった印象。死にゲー・覚えゲー化した印象もあるから良し悪しだが、まぁ元から多くのユーザ層に訴求するシリーズじゃないから、任天堂ゲーの中ではマニア向けであるメトロイドならこれはこれで良いのかもしれん(笑)。
ダメだと思うYO!
・ザコ敵が必要以上に固い。サムスに正確に突貫攻撃を仕掛けてくる敵の出現頻度が高いため、必然的に新アクションの『メレーカウンター』を多用する必要が出てくるのだが、あまりにもそれありきで構成されているため作りとして逆に押し付けがましい。そのせいでどうしてもバランス的に少々窮屈&クドい印象は拭えず。「ユーザが好きなタイミングで使う」ってよりは「使わんと状況が打開できない・ダメージを受けるのが確定」ってケースが多いのが原因な気も(=画面切り替わり直後に突進攻撃してきたり)。

・ニンテンドー3DSのボタン、更にはタッチパネルに広く機能が配置されており、原作であるゲームボーイ版に比べると操作はかなり複雑かつ煩雑になった。その点で言えば、間違いなく各々の要素の瞬時の使いこなしに慣れは必要であり、アクションゲームとしてシンプルさはちょっと無くなった気がする。

・アナログパッドを用いて自由な角度での射撃も行えるようになったが、代わりにその間は移動できない等のデメリットが痛く、結果的に快適性が向上してるかは微妙な気も。

・エート…原作のIIよりマップが格段に広くなったように思えるのに、あろう事かセーブポイント減ってません?その割に中断ポイント(死亡した時に復活する地点)は多く設定されてる、ただし体力は中断ポイントを通過した時の少ないまんまであり、死ぬ寸前で中断ポイントを抜けた場合、復活してもまた死亡寸前で再開する羽目に。また、原作では無かった『くっつけないヌルヌルの壁』やら風でボムが流される直接的な嫌がらせやら「エッ?なんで?そんなのわざわざ追加する意味ある?」って思うような要素も。

・amiiboによる物理的DLコンテンツがやたら多い。いや、あるならあっても良いけど、amiiboは1コ1200円〜1600円で普通のDLCと比べ安い買い物とは言い難い。そこにアレコレとオマケ以上の要素を仕込んで付け足してくるのは「ちょっと違う気がしねぇか?」って気分になるのも事実。バンナムとは別のベクトルで売り方は悪どくなって来たよーな…。やや気懸かり。

・ワープやエレベーターでいちいち移動のデモムービーが入るのは残念。まぁ、シナリオの端折り具合から見るに、ロード時間の誤魔化しなんだろうけど。

・やたらと難易度が高くなったせいで、一回クリアするとゲッソリ消耗してしまい、「もういいや」って感じになっちゃうのは、幅広い難度設定が用意されていたここ最近の過去作より劣化したと思う。

《スコアに反映させていない部分》
・時代の流れだし任天堂はマリオなど一部のシリーズを除いてドット絵には特に思い入れが無いっぽいんで仕方ない面もあるけど、ドット絵じゃなくなったのが残念。
感想だYO。
 ほぼ完全な作り直しで元の作品の面影を残してないくらい再構築された内容のため、リメイクとは言え感覚的にはほぼ完全新作。とりあえずは3Dのプライム系に押されて本編だった2Dアクションの供給が途絶えていただけに、また旧開発一部系の本流作品としての新作が出てくれた事は嬉しい。
 ハードの世代が一気に2世代進んだ事もあって見た目はだいぶスタイリッシュに生まれ変わったが、手触りとしては昔の2Dメトロイドの延長上にあり懐かしさも感じられる出来。

 一方、原作と比べると露骨な意地悪要素が増えたり、新アクションの使用を強制されてテンポが阻害されバランス的に窮屈になっていたり、そして実質、物理的に存在するDLC状態なamiiboに"ただのオマケ"以上の新モードを絡めてくるがめつさなどなど、細かい部分では不満点も多い。

 海外ソフトハウスに外注に回して作られたせいか、過去の2Dメトロイドと違い正直やたらと荒っぽいバランス調整であり、過去の2Dメトロイドのような職人芸的な方向性や完成度とは言い難く、手放しで『サイコー!』言える程の出来とは思わんが、とりあえずは2Dメトロイドの将来に期待が持てるようになったって点では、意味のある再出発点とは言えるのかもしんない。ってことでそろそろナンバリング新作の『5』カモンですたい!

掲載日:2017年9月19日
更新日:2018年11月27日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 9 8 8 8 7 78
プレイ時間…20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
面白いってレベルじゃねぇぞ!!
・リメイク元と比べると全体的なシステムが親切になっており、マップの自動作成やキャラの動かしやすさはもちろん、チェックポイントシステムや探索が楽になるスキャンパルスも便利。ワープも備わって、快適に探索が出来る。

・操作が複雑になったという弊害もあるが、戦闘アクションが増えたのもありスタイリッシュなバトルを繰り広げられる。かなり縦横無尽に動き回るボスが増えたが、それでもボスの動きに対応しきれるのはこのアクションの豊富さのおかげか。

・グラフィックも中々のもの。背景もよく作り込まれているし、サムスの動きや要所要所のイベントの魅せ方も上手い。

・3D立体視も結構綺麗に見える。地形の凹凸や背景の奥深さも分かりやすくて、立体視の出来は良い方かと思われる。

・従来のメトロイドシリーズをやっていると分かるネタが随所にあり、メトロイドマニアホイホイなところがあるのも嬉しい。懐かしの音楽のリメイクが個人的にはお気に入り。
つまらんってレベルじゃねぇぞ!!
・ゲームバランスがストイックな方向性になっていて、難しめの難易度になっている。通常の探索時の敵に対応するのは然程難しくないのだが、ボスが強い事が多くて難しい。従来のメトロイドシリーズに慣れ親しんでる人なら丁度良いかもしれないが、アクションが苦手な人だとキツいかも。

・amiiboを使わないと最高難易度のフュージョンモード出てこないというのはどうなのか。それ以外にもamiiboによるアンロックシステムが多く、ちょっと不満が大きい。難しさを求める自分にとっては、最高難易度が普通にプレイしていて出来ないというのが特に嫌だった。せっかく頑張ってハードモードをクリアしても最高難易度のフュージョンモードが出てこない!

・メレーカウンターやバーストはボス戦ではそこそこ有効活用できてるように思うのだが、雑魚敵相手の時はどうにも使わされてる感が強くて面白味が薄い。メレーカウンターを使う事前提なせいで雑魚敵が固くなっており、テンポが悪くなる。スクリューアタックを手にいれてからは多くの敵をほぼ一撃で倒せるようにはなってくるが…。

・中盤のボス戦で顕著なのだが、ある一定のダメージを与えると攻撃を受け付けなくなって他の場所へ待避してバトルが一時中止させられる事が多い。敵を探す面白さというよりかは、むしろ倒しきれそうだったのに逃げられてしまったストレスの方が大きい。

・リメイク元の時点でもそうなのだが、ルートがある程度決まっているので一本道な感じはする。

・ゼロミッションの時は『初代メトロイド+その後の後日談』といった具合に、リメイクとしても新たな展開が追加されていて良かったと思うのだが、本作は新たに追加された展開が少なめか。有るには有るのだが、もうちょっと掘り下げてほしかったところが多い。

・少しロード時間が長い。致命的に長いという訳ではないのだが、メトロイドというゲームが周回プレイするゲームであることや、新しくチェックポイントシステムもあるせいでトライ&エラーも多いので、目につきやすい。

・普段表示されている画面の範囲が従来のシリーズと比べて狭いように感じる。注意して進まないと出会い頭に敵から攻撃を受けてしまう事もあったりするので問題。

・あと個人的な要望に近いので点数には反映させてないのだが、リメイクするにあたって最近のメトロイドシリーズの『当たり前』をもっと取り入れてくれるかと思ったが、どうも取り入れた量が少なかったのが残念。高速で動くシャインスパークや、お約束のゲームラストの時間制限アリの脱出劇も何らかの形で欲しかった。
感想ってレベルじゃねぇぞ!!
 総じて従来の2Dメトロイドシリーズと同じ系譜を歩んでいるメトロイドだと言える。単なるリメイクだけには終わらず便利な仕様や最新のグラフィックを使った激しい動きも加わり、新しくなっている。

 個人的には通常の探索部分もそうだが、ボス戦が面白かった。アクションの多彩さは普段はともかく、ボス戦では本当に輝く。2Dアクションながらかなり動くゲームだが、プレイヤーの技量さえあればそれに対応しきれるのも魅力的。

 amiiboによるアンロックシステムや、テンポが少し悪いといったデメリットもあるものの、久しぶりのメトロイドだったのもあって結構楽しませてもらった。これに続いて2Dの探索型メトロイドをこれからも復活させていってほしいところ。ライト層には受け入れにくいマニア向けのゲームとはなるだろうが、メトロイド自体ライト層向けのゲームという感じでもないと思うので、この路線でさらに進化した続編が見てみたい。

掲載日:2017年9月25日


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