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Pilotwings Resort
パイロットウイングス リゾート
メーカー:任天堂
開発:モンスターゲームス
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2011年4月14日
価格:4800円
ジャンル:シミュレーション(スカイスポーツ)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
6 7 6 3 7 3 47
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかでごわそう。
・空中に浮かんだターゲットを通過するだとか狙うだとか言ったゲーム性とニンテンドー3DSの立体視との相性が非常に良いと思った。演出だけでなくゲーム性そのものに立体視が巧く絡められてる感じ。任天堂製で立体視を楽しむなら先に出た「Nintendogs」よりこちらの方が適している。

・飛行機・ロケットベルト・グライダーと独特の慣性がかかった操作性は健在と言ったところ(ん、昔は飛行機じゃなくてジャイロコプターだったかね?)。急な操作をするとバランスを崩すことが多くなかなか思い通りにならないが、逆にそれが面白かったりする。

・ひたすら地味!・・・だけどやり込む毎に自分の操作の上達を感じられるバランスの良さは◎。過去作ほど難易度的には突き放した物にはなってないように感じるので、64版がムズ過ぎて駄目だった、って方でも先に進むだけならなんとかなるかと。
イカンじゃき。
・遊ぶ前から薄々予想はできていたけどとにかく地味そして小粒。ハードの立ち上げ期に既に過去のシリーズとなっていたパイロットウイングスをわざわざ作り直すくらいだから実は劇的に変わってる部分があるかと思っていたのだが、驚くほどゲーム部分の根幹は変わっていない。丁寧に作られてる感じはするし実際楽しいことは楽しいのだけど、すべてが予想の範囲内に収まっていて驚きと言うモノが皆無。「Nintendog+cats」の時も感じたが、とりあえず3DS向けに作り直しただけって感じでどうも「歴史に残る傑作を目指す!!」って意志が感じられないのがどうにも・・・。ま、元からそこまでは狙ってないか。

・内容そのものが自分の限界に挑戦と言ったストイックな類の物であり、かつ、今となってはミニゲームの延長上にあると言ってもいいような内容。しかも過去作と違い島が一種類しか用意されてないゆえ、量的にも質的にも物足りなさがある。繰り返すが、ホントひたすら地味。21世紀にこれでもイイのって思う程地味

・64版では性能の異なるキャラクターが複数用意されていたが、今回はどうもその要素が無い模様。折角Miiを使えるのだから、Miiの体格によって挙動を変えてもらう(体重が重いなら風の影響を受けにくいが操作に対する反応が鈍い、とか)とかしてくれれば更にどっぷり楽しめそうなものだが・・・!?

・ゲーム開始時のロードは10秒ほどあり、ちょっと気になる。

・過去作であった人間大砲とかアホなモードとか突飛な展開とか、今のところ見当たらないのが残念。前作までの方が遊び心があって良かったな。
感想なり。
 パイロットウイングスとしては、なんと15年ぶりの新作。前に出たハードがニンテンドウ64だったゆえ、驚くほどグラフィックの方は進歩している。特に立体視のおかげで空中に浮く物体の位置の把握がやりやすい!・・・・・・のだが、ゲームの内容そのものも過去作に沿って作られている印象。しかも、ちょっとボリューム面において物足りなさがあるのは残念。良くも悪くもデモンストレーション的な位置付けに納まっている。出来が良いことは間違いないが、過去のパイロットウイングスが楽しめなかったプレイヤーは手を出さない方が無難かな。個人的にはスーファミ版も64版もみっちりやり込んだ人間ゆえ、久方ぶりの新作って事で嬉しく思いますが。ま、腕前の方は見事に鈍ってましたネ。斬新な内容を期待するなら手出し無用。逆に地味ゲー好きは外せない一本(苦笑)。
 それと、ボリュームは現代のゲームとしては非常に少ないし、それほどやり込み要素も無いんで4800円は高過ぎると思う。利益を削りに削ってまで安くしろとは言ってない。とりあえず、価格と内容のバランスをしっかり取ってほしい、と言うことだけ。マリオとかゼルダとか明らかに手間がかかってる大作なんかは5800円とかもしくはそれ以上でも文句は無い。反対にこのゲームみたいな内容なら2800〜3800円でも良いんじゃないかと思うのだが。

 しかし、ニンテンドー3DS、保守的かつ妙に地味な作品&過去の作品のリメイク・焼き直しばかりなんで、任天堂のやる気ってのがイマイチ感じられないんですが・・・(Nintendogs、当作品と出て次も地味なSTEEL DIVER、んでその次がリメイク二作)。
 ここまで立ち上がりで不安を覚える任天堂ハードって個人的には久しぶりだなー・・・。最近はニンテンドーDS、Wiiと垂直立ち上げに成功したハードが続いたからなー・・・。大成功したハードの後継機って意味ではスーパーファミコン→ニンテンドウ64の世代移行のもたつきを思い出すね・・・。ロクヨンの場合は最初にマリオ64とか出たけど、3DSは最初の一発すら無かったからなあ。

掲載日:2011年4月18日
更新日:2011年8月15日


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