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世界樹の迷宮V 長き神話の果て
メーカー:アトラス
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2016年8月4日
価格:6998円
ジャンル:RPG


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3DS-カートリッジ版

この際、玩具の迷路も一緒にどうぞ。

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 8 5 7 5 7 5 69
プレイ時間…35〜40時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかですたい。
《グラフィック・サウンド》
・立体視の出来が非常に良い。「ハードの出始めの時期が過ぎて立体視なぞとっくに興味ナシ」が大半に思える任天堂以外のメーカ製のゲームとしては間違いなくダントツでトップクラスの出来。過去作でもそうだったが、ダンジョンRPGというジャンルにも非常にマッチしている。ダンジョンの空気感・雰囲気作りが非常に巧いし、ニンテンドー3DSというハードととても相性が良い。ダンジョンだとか3Dポリゴンで表示される部分だけでなく、街の背景やUI部分等の2Dでの使い方も巧いし、ムリが無い。今後出るハードが恐らく立体視を切っちゃうであろう事が勿体なく思える程(笑)。

・キャラメイキングのパターンが多い。髪やら目やら肌やら、ある程度細かく自由に色を設定できるため、いろいろいじって自分好みの配色に出来たりする点が面白い。

・BGMの良さもシリーズのウリの1つだと思うが、こちらも安定の出来。過去作よりアピールが弱い感もあるけど、しっとりとした感じとか前述の空気感の良さだとか、サウンド部分で底上げされてる部分も大かと。

《システム・ゲームバランス》
・ROMカートリッジで供給される3DSのゲームはセーブデータの数が有限かつ少ない物が大半なのだが、このゲームの場合、MicroSDカードに8つのセーブデータを別個作る事が出来る点でありがたい(任天堂のゲームもここ実装してくれりゃいいのに!)。

・ダンジョンでの移動や戦闘・シナリオのキーレスポンスの軽快さは良いと思う(戦闘は全体的に敵も味方も嫌がらせ重視の立ち回りが要求されるんでテンポが悪くなり間延びしがちだが)。
だめですばい。
《システム・ゲームバランス》
・全体的にシステム部分で説明不足な部分が多い気がする。敵の動きやら技の効果やら細かい部分は攻略サイト前提みたいなバランスに思えるのがキツい。難易度が高いのはシリーズ伝統かもしれないが、嫌がらせみたいなやり方で難易度を釣り上げてる面もあるよーな。序盤から敵が「1列石化」等、強烈な嫌がらせの攻撃をしてくるのがキツい。味方側は状態異常は何かしら下準備が必要とか範囲が狭いとか成功率が低いとかあるだけに、かなり不公平に思えたりも。

・レベルアップで得たポイントを自由に振り分けてキャラを強くしていくのだが、スキルによって使えるor使えないの差が大きく、そもそもそのクラスにおいて必須と思えるような項目にかなりのポイントが吸われてしまうので、育成の自由度に関しては高くない気も。過去作であったサブクラス(他のクラスのスキルをセット可能)とかの方が工夫のしがいはあって良かったと思うが。変な性能のキャラとか作りにくくなったのは確実で、この部分は明らかに退化した印象。

・パーティメンバーの他に亡霊や動物等のオプション的な存在を召喚して戦うクラスが複数あるのだが、オプション枠は3つで固定、かつそれらのクラスはスキルの使用が召喚が前提だったりするんで、召喚系のクラスをパーティに複数人入れるとまるで働けなくなったりするのが気になる…。

・食材を複数用いて高い効果を持つ『料理』を作れるのは面白いが、迷宮内の焚き火でしか行えないのが不便。

《シナリオ・テキスト・設定周り》
・序盤は細かいイベントが多いなど、シナリオ部分での密度も従来作より濃いように思えるのだが、ある階層を境にパタリとそういった類のものが発生しなくなる。「途中で予算とかやる気とか失せたんかね?」って思っちゃうような竜頭蛇尾っぷりではある。

・「複数の種族がいる」と言った設定も、色々風呂敷を広げるだけ広げて説明らしい説明が無いまんまだったりして、ちょっと残念にも思えたり。

《グラフィック・サウンド》
・ウリとなっているキャラメイキングの充実度の高さではあるが、微妙に思える部分もそれなりに。全体的にキャラのデザインがまるっこい感じでバリエーションは意外と少なく、特に「渋い」雰囲気の大人キャラは極端に作りにくい。似たような印象のボイスが多いのも残念(ネタに走ってる部分でパターン数を稼がれても嬉しくない)。また、男性は若者/子供声がかなりの割合を占めていて自由度が低い気も。

・声が自由に選べるのはよろしいのだが、戦闘中とか、「あれッ?」と思うようなタイミングで変な掛け声が流れたりする事が多いのが微妙に思えたり(過去作のように声ナシにも普通に設定できるが)。
感想なり。
 相変わらず高い難度のダンジョンRPG。過去作より緩くなってるとは思うんだけど、この手のダンジョンゲーに慣れぬ身としてはやっぱ辛いトコではあるなァ。トシは取りたくねぇ…と思わされるゲームではある(苦笑)。
 ニンテンドー3DSになってからの物では初めて遊んだのだが、3DSの立体視と非常に相性が良い。一方でキャラの育成面の自由度は大きく退化したとしか思えんし、敵も味方も嫌がらせ優先の立ち回りでUIの軽さに反してテンポは悪く、どこか間延びした印象も受ける。シナリオ部分も膨らませた設定が空回り気味で素材の良さを活かしきれてない感があるのは残念かも。この辺りは開発開始前後辺りのアトラスの経営周りのゴタゴタが響いてるのかもしんない。
 買った後になって前作IVの方が評判がよろしい事を知る。んー、今度はそちらを遊んでみるかな…。

掲載日:2018年5月1日
更新日:2019年5月21日


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