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光の4戦士
-ファイナルファンタジー外伝-
メーカー:スクウェア・エニックス
開発:マトリックス
機種:ニンテンドーDS
発売日:2009年10月29日
定価:5980円
ジャンル:RPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 8 4 5 4 6 5 55
プレイ時間…25〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかばい。
・グラフィックは貧弱な性能のDSながら、どこか幻想的・メルヘンチックで懐かしい雰囲気を巧く醸し出している。ファイナルファンタジータクティクスの吉田明彦氏デザインのイラストもかわいらしくてよろしい。まるっこいグラフィックの割には結構表現力があって雰囲気は良い。この辺は同じスタッフが作ったという3DS『ブレイブリーデフォルト』なんかにも通じる部分かも。

・ファミコン時代のようなメロディラインが強調されたBGMはいい意味で昔を連想させる。戦闘中も状況に応じて曲調が変わるなど凝った作りになっている。

・思い通りに動かせない戦闘でのキャラの動きはもどかしいが、あらかじめ予想して、予想通りに動かすよう工夫する、と言った意味では“戦略性がある”とも言えるのかも。

・良くも悪くもスーファミ時代までのファイナルファンタジー初期作品を意識したようなテイストの描写が多いので、懐かしさ全開ではある。
イッカ〜ン。
・戦闘において攻撃・回復のターゲットを細かく指定できないのが物凄くじれったくて不便。ファミコン版のドラクエ4のAI戦闘にイメージは近いが、不便さばかりが前に出て、面白さや戦略性の高さには別に繋がってないのが痛いところ。

・メンバー各々の成長が描かれるため序盤〜中盤はずっと1人〜2人で行動することが大半で、メインメンバー4人がなかなか揃わない。よって、どのキャラも無難に強力なクラスで安全優先で育てるしかなく、個性を付けにくいのがキツい(1〜2人でサポート重視クラスに人数を割くと攻撃力・耐久力が不足して戦闘がダラダラ長引きがち)。クラス自体も強い物とそうでない物の格差が非常に大きく、使わないまま終わっちゃう物もあったり。また、ゲストメンバーにアイテムを持ち逃げされたりして物凄く腹が立った。

・持てるアイテムの上限が少ないとかキャラ間のやりとりが面倒だとか、戦闘中に装備を変えられないとか、とにかくシステム面が不便。ハッキリ言って古い&不便なだけである。こういうところまで昔風にせんでもな。

・自分のレベルに合わせて敵が強くなる。…ってか守りが強化されん分、レベルを上げるほど辛くなる!!レベルを上げるとかえってクリアが困難なバランスなのは理解に苦しむ。わし的にはレベルってのはあくまで自分達の強さの指標であると考える故、それに合わせて敵が強くなるってのは正直好みじゃないのよねー…。

・属性の効果が大き過ぎて持ちこむアイテムによっては“詰む”場面が多い(合わない属性の物を装備して乗り込んで何もできなくて戻る羽目になったり)。戦闘中に装備を変えられないのも不便なことこの上なし。必要以上にやり直しさせられたりするので不便かつ不愉快。

・ニンテンドーDSのゲームじゃあ珍しいことでもないが、セーブデータが1個しかないってのがチト不便に。2周目とかやりたきゃ前のデータ消さなきゃいかんワケで。ま、そこまでの気力は起きんかったが。
感想じゃ。
 後に3DS等のブレイブリーデフォルトに繋がって行く作品。FF外伝と付いてはいるものの、露骨なテキストのオマージュ以外は妙に独自色の強いシステムであり、言うほどFFっぽさはないかな。

 スタッフ曰く「古き良きRPG」を目指して作られたとの事だ、「古き」を感じることは多々あってもそれは単に「未完成」・「不親切」さに起因する要素なのであって、「良き」であるとは感じることはほぼ無かったな…。粗っぽい作りであり説明が全体的に不足しとるのも印象が良くない。
 色々とシステム面でスーファミ時代以前のRPGのような不便さ・不親切さがあるが、これが「古き良き」を狙って作ってるなら、ちょっと安直過ぎる&配慮が足りないかなァ…って印象。モロにスーファミ世代だったわしでも懐かしさよりも純粋に面倒くささとか不親切さしか感じなかったんで。

 グラフィックやサウンド等の世界観・表現は独特で個性的なモノを持ってるだけに、色んな面で「惜しい」って印象が強い内容ではあった。そういう意味では惜しまれる作品だったかも。

掲載日:2010年9月18日
更新日:2020年12月22日


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