縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドーDS > パワプロクンポケット8

パワプロクンポケット8
メーカー:コナミ
機種:ニンテンドーDS
発売年月日:2005年12月1日
価格:4800円
ジャンル:スポーツ(野球・育成)


広告(良かったら買ってくれぃ)

DS版

ダイジョーブな白衣もどうぞ!

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 8 6 7 6 7 7 72
プレイ時間…30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
すてーきでやんす…。
・表サクセスは特命ハンター編。パワポケシリーズの中でもプロ野球編に当たる位置付けのストーリーのはずだが、野球浸けの人生を送ってすらいない裏社会の人間がまさかの主人公。人間社会に潜む違法サイボーグを探し出す捜査官という設定で、もはや野球とは全く関係無い世界の人間が無理矢理プロ野球の世界に入っていく様はなかなか面白い。

・全体的にぶっ飛んだシチュエーションに目を取られがちなものの、要所要所だけ見ればギャグ展開や、思いのほか緻密な組織関係や人間関係がこれまで以上に重厚に展開されていたりしていて意外とシナリオには惹き込まれる。仲間キャラや敵キャラだけでなく、彼女候補キャラもかなり濃ゆいイベントが用意されてる事が多く、ギャルゲーっぽい傾向も増してきたような…。

・DSになりボタン数が4つに増えた事もあって、通常の野球に関しては本家パワプロとほぼ近い操作感でプレイ出来るのは順当に良かった点。バランス面ではまだまだ改良の余地アリなものの、パッと見の操作感だけで言えばほぼ一般的な野球ゲームと同じくらいには進化してると言えるかも。

・他のシリーズと違ってプレイ中でのリセット回数に制限が無く、プロ野球編という事もあり実在するプロ野球団が相手で能力的にもまだ平均程度のチームしか相手しないという事もあって、サクセスをクリアするだけなら難易度が低め。リセット回数制限無しは選手育成に多大なデメリットが生じるとかでも良いから後のシリーズでも使われてほしかったンですが…この仕様は本作のみでちょっと残念。

・地味に良曲が多い。DSになって音源の幅が増え、イベント時で使われるBGMを筆頭に単調になり過ぎない雰囲気に合った曲が数多く揃えられている。ネタ枠だけど、歌詞もしっかり入ったボーカル曲すら用意されてるのは流石に笑った。
マズイでやんす!
・表サクセスのストーリーでは本作から裏社会でのゴタゴタや複雑な組織関係などがハッキリと表舞台にも関わるようになっており、良くも悪くも人を選ぶ傾向が強くなっている。昔から野球と関係が無い展開を絡める事は多かったしそれもシリーズの魅力の一つだとは思うけども、野球以外の要素を多く取り入れすぎでさらに人を選ぶ傾向がある。

・裏サクセスの昭和冒険編はいわゆるマインスイーパーだが、こちらのボリュームはかなり少ない。ゲーム開始時にルートを選択すると進行具合に応じて多少イベントが挿入される程度で、基本的にはひたすらマインスイーパーをプレイし続けるだけで他作品の裏サクセスほどのボリュームや面白味は無かった。

・前作に引き続き、通常の野球部分のクセが強い。野手の捕球判定が広くボールが飛ぶ速度が遅めなせいでミート打ちでのヒット製造がやり辛かったり、ストライクゾーンが異様に広かったりと、悪い意味でクセの強い野球が繰り広げられるので他シリーズよりも野球そのものはあまり面白くない。
コメントでやんす!
 ニンテンドーDSでの開発がほぼ初めてなせいか、全体的にはまだまだ粗が目立つような気がする。DSで普通の野球や裏サクセスなどがしっかり楽しめるようになったのはパワポケ9辺りからで、パワポケ8ではあくまで表サクセスのストーリーをメインに楽しんだ方が良いかと。

 本家パワプロはどちらかと言うと育成がメインで、パワポケシリーズはサクセスでのシナリオを重視して長らくシリーズ展開をしてきたと思うんだけども、ただでさえ独自性の強い物語を展開してきたパワポケもDSに入ってからシナリオのケレン味がかなり強くなってきており、人を選ぶ側面も増してきたかなあ…という気もする。独自性が強い分だけDS以降のストーリーもハマる人はかなりハマると思うし、自分も(全てのシナリオ展開を許容する事は出来なかったけど)表サクセスのシナリオはラストの14までほぼ全て楽しんでプレイしてきたので、万人ウケしないだけで全く面白くないストーリーのゲームという事では決して無いんですが。

 ちなみにDSのパワポケシリーズの中でも、パワポケ9辺りまではまだその作品のみをプレイしてもストーリーを理解出来る範疇で作られているものの、パワポケ10辺りからは過去作をある程度プレイしていないとストーリーの繋がりに追い付けないほど複雑な世界観の構築となっており、人を選ぶゲームという色合いがDSに入ってからは明らかに強くなってきている。面白いとか面白くないとかいう事とは関係無しに、これまで以上に人を選ぶゲームシリーズに変化していってるので注意が必要。

完全に蛇足的な話になるンですが、自分が初めてプレイしたパワポケ作品としては本作が一番最初だったのだけども、そもそもパワポケシリーズをどういう経緯で知ったのかと言うと…本作及びパワポケシリーズでも何度か登場するキャラクター、『鬼鮫コーチ』の存在が全ての入り口で。

 この鬼鮫コーチというキャラはいわゆる『ホモネタ』を専門にした大変な登場人物で、パワポケ8でも選択肢を間違えると主人公を"アッー!!"な目に会わせるという(しかもこのイベントは下手に遭遇すると鬼鮫コーチにヤり殺されてゲームオーバーになる)、強烈なイベントが用意されているキャラ。パワポケ5の時でも鬼鮫コーチは登場した上に"アッー!"なネタは一応用意されていたんだけども、描写としては控えめで本格的にホモネタへと進歩したのは本作のパワポケ8からになる。この御仁の存在のおかげでパワポケシリーズを知り得たのは、なんとも珍妙な巡り合わせだったなァと…(笑)。

掲載日:2021年4月27日


縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドーDS > パワプロクンポケット8