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X-RETURNS
メーカー:任天堂
開発:キュー・ゲームス
機種:ニンテンドーDS(DL専売)
発売年月日:2010年6月30日
価格:800円
ジャンル:シューティング(3D)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 8 5 7 5 6 64
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
素ン晴らしいデース。
・グラフィック、めちゃカッチョエエです。意図的に色数とポリゴン数を抑えつつ古さを感じない、何とも味わいのある映像。リアル路線とはかけ離れてるけど角張ってるのを逆に個性としてデザインに取り入れてる感じなのが逆に味。白黒+ワイヤーフレームだったゲームボーイ版と比べると見やすさ・滑らかさが各段にUPしてるし、意図的に無機質にデザインされている辺り、前作の雰囲気もしっかり残されている。

・BGM、クソカッチョエエです。初代ゲームボーイ版と同じく情報開発本部の戸高一生氏が担当しているのだが、何とも味のある曲が多い。和音の重なり・響きがとっても重厚感があってイイ!同じステージ中でも攻略が進むにつれてリアルタイムで曲調が変わってくのも味な演出。いいなあ、このゲームのサントラ出ないかねぇ?(絶対出ないだろうけど)

・操作方法がかなりへそ曲がりで移動と照準操作が常に同じキーに配置されているので慣れるまでは辛過ぎるのは否めんし、難易度自体もかなり高めだから中盤以降なんかは同じステージを延々とやり込むのが必須になってしまうが、少しずつ上達していくのが実感できる作りにはなっている。
ノーゥ、ソレじゃ駄目デース。
・演出面は現代の機種の性能に合わせてグレードアップしてるけどゲーム性自体はかなり古典的。難易度の上昇カーブがかなり急なんで、ちょっと進むと壁にぶつかり何十回もリトライする羽目になる。突き放しっぷりは半端ない。もうちょいまろやかでも良かったと思う。

・タッチペン操作とボタン操作の二種類の操作方法が用意されているのだが、いずれもがとにかくヘソ曲がりでクセの強い独特な操作方法である上、戦車は独特の挙動で自在に動けるわけではない。照準も半オートで定まるのは親切なのだが、タッチペン・ボタンのどっちでも移動と照準が同じキーでの操作となるため、もどかしい思いをする。操作に敢えて不自由さを残すのもゲーム性のうちだとは思うけど、余ってるボタンだらけだったんで移動中に照準を固定する機能とか逆に照準を固定して移動だけできるモードとかもあっても良かったとは思う。

・ボス戦で死ぬとまたステージ最初からやり直し。まあ、シューティングだから普通そうだろうしそれで良いのかもしれんが、難易度の高さ・操作性のクセの強さも相まって、何度もトライした挙句あとちょっとでタイムオーバーで死亡とかすると心が折れる。

・「ゲームボーイでワイヤーフレーム」とかいう変態的・オーパーツ的な存在感があった前作に比べると、真っ当なポリゴンによるグラフィックであり、DLタイトルで小粒な内容なのも相まって、インパクト自体はそれほどでもない。
感想あるよ、シャチョーサーン。
 初代ゲームボーイの『X』(レビューはこちら)から18年。まさかの続編登場。全然違うスタッフが手掛けてオリジナル版の名前だけ使って原型を留めないようなゲームならあるにはあると思うが、ここまで年月を経ていて各パートの責任者が同一…ってのはある意味スゴい(昔はアルゴノーツにいて今はキュー・ゲームス社長のデュラン・カスバード氏が今回もディレクター)。BGMも同じく任天堂のとたけけ氏が担当。ゲーム性は過去作の延長上にあり、懐かしい内容ながら意外とシナリオ面だとか細かい設定面が充実してるのが面白かったり。

 難点は操作面・難易度面でかなり敷居が高いことか。キュー・ゲームス製のゲームでは多いのだが、直感的な操作システムってのを嫌う模様で兎に角システム部分や操作方法を奇抜にする傾向が強いため、直感的からかけ離れており取っ付きは悪い(同じ所が作ったDS『スターフォックスコマンド』なんかもモロにそうだったな)。

 出来自体は悪くないと思うし懐かしさ全開のジジイホイホイ的な内容だけど、あまりにクセが強くて人を選ぶ内容なのが難点。慣れて来てある程度動かせるようになって来れば楽しくなってくるが、任天堂製品にしてはプレイヤーを妙に突き放すバランスであり、やたらと体育会系の色合いが濃い感じではある…(笑)。

掲載日:2012年4月16日
更新日:2023年7月4日


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