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メーカー:任天堂
開発:パックスソフトニカ、任天堂開発第一部
機種:ゲームボーイ
発売年月日:日本未発売、1993年5月1日(北米)
ジャンル:スポーツ(テニス)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 6 9 8 7 7 81
プレイ時間…10〜15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
GOO! GOO!
・見た目通り地味な内容ではあるが、意外と硬派な作りで操作性が非常に良い。古典的なテニスゲームながら、それを一歩進めたような良さがある。後にキャメロットから出たマリオテニスが使用ボタンの少なさでシンプルさを追求したのとは別路線の進化と言って良いかと。

・ラリーの操作は来た球に合わせてボタンを押すタイミング型と言えると思うが、そこまでシビアなタイミングを要求されない点は敷居が低くて良い。来た球の球種や強さに合わせてショットの種類や方向を出し分けるのを重視した操作システムと言えそうな。体勢によって撃つ球の強さや精度が決まってくるので、いかに相手のコースを読み、先回りしてベストポジションをキープし、そこから攻めを組み立てていくのが重要なバランス取りとは言えると思う。

・サウンドは最小限。テニスのプレイ中はBGMすら無いし、効果音も「ピコッ」路線でありリアルさは皆無。ただ、いかにも「ゲームらしいゲーム」チックで小気味良さがあるのも事実。

・グラフィックは特別綺麗という程でもないが、ゲームボーイという残像が強く出やすいハード特性を考慮した上で見やすくまとめられてるように思う。その中で微妙な奥行きを表現していたり残像が出やすい事を逆手に取った半透明表現とかあったり、地味にこだわりポイントも見られるのは好印象。
BOO BOO ...
・実際のテニスのルールに則ってフルセットのプレイを要求されるので、1プレイにかかる時間はかなり長い。『携帯機ゆえお手軽に…』とは言い難い部分がある。

・スタートセレクト込みでゲームボーイのボタンをフルに使いまくる操作なので、面倒と言えば面倒。そこまで繊細な操作は要求されないが、ポーズが利かないのはちょっと何とかしてほしかった。

・海外向けって事で後半の難易度は結構オニ。やたら高速ショットを繰り出してくる修羅系のプレイヤー、ミスる気配の無い鉄壁の敵プレイヤーのおかげで心をへし折られる事必至。負け続けてなお、集中力を切らさずいるのが結構辛い。
THE 感想。
 カントーにいた頃に中古屋でひょっこり見掛け、結構な安値で購入したソフト。任天堂ブランドだが、海外のみの発売で日本では(たしか)ラインナップ予定表にすら入ってなかったタイトルと思う。

 内容はクラシカルなテニスゲームだが、ちんまい見た目ながら意外と骨太で本格派の作りに驚かされる。試合中BGMが無いとか見た目がチープとか欠点もあるが、遊ぶほどに奥深さが感じられる作り。『古き好きゲーム』を求めるプレイヤーさんは是非どうぞ(狙って入手するのが難しいワケだが)。

 後になって本作のディレクターが『F-ZERO』(SFC・forGBA)を手掛けた清水一伸氏の作品と知る。ははぁ、道理で『どこか古典的ながらも妙に骨太な作り』だった訳だ。ハードの制約を踏まえた上で、制限を制限と感じさせない物作りがいかにも清水氏らしい作りだ…と妙に納得(笑

掲載日:2016年3月28日


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