突撃!ポンコツタンク
メーカー:HAL研究所
機種:ゲームボーイ
発売年月日:1991年1月8日
価格:3300円
ジャンル:シューティング(2D)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
6 7 7 8 7 5 70
プレイ時間…5〜6時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いのう。ここが良いんじゃのう。
・性能面で制約が多いハードだけにこれと言って特出してる要素も無かったりするんだが、無難に遊べて意外と爽快感もある。『ゲームボーイのシューティングは他ハードからの劣化移植でちんまり』って事が多かったが、このゲームの場合はスクロールの遅さも気にならない作りだし、意外とボコスカと派手に暴れられる分、豪快に楽しめるのが良い。

・難易度がインフレ気味だったシューティングというジャンルのゲームに属する割にはマイルドなバランス調整で、シューティングが苦手な人でも無理なく全クリできる難易度に収まっているとは思う。「弾を撃つ方向が時計回りにしか回転しない」なる独特でクセのある操作方法だが、それ込みでも普通に遊べるバランスなのが嬉しい。基本的に敵の弾は自分の弾で打ち消せるので、その点も手軽さに繋がっていると思う。見た目はちんまいが、「避けるより撃つ」で豪快に楽しめる。

・ゲームボーイのシューティングとしてはパワーアップの種類が多くて性能もそれぞれ際立った特長があって使い分けが面白い。「これを取れば安定で他の種類は必要ナシ」なんて事もなく、この点、巧く調整されてると思う。

・非常に多彩な敵の動きだとかデモ画面だとか、細かい部分での動きが非常に凝っている。
イカンですきに。
・砲身が時計回りにしか回らないのが非常に不便。「ポンコツだから」の一言で誤魔化されてるし、ゲームボーイというハードそのもののボタン数の少なさからして仕方ない面もあるのだが、かと言ってその制限がゲーム部分に明確にプラスになってるかっていうと、そうでも無い気がする。結局のところは『迂闊に砲身を回転させて混乱するよりは自分が軸を合わせて確実に敵を減らす』の方がミスが減り安定する気はするんだな。あくまで「わしは」、だけど。

・初期の携帯機の作品としてはそこそこのボリュームはあるが、かと言って物量的に優れているかって言われると別にそうでもない。スコアを極めるとか周回プレイで何かご褒美があるとか、やりこみ面で幅を持たせる要素は無いため、なかなか続けて何度も遊ぼうとは傾かん気はする。

・敵が密集すると処理落ちしてモッサリ化する事が多い。頻度的には結構多いように思われる。ここはもうちょい頑張っていただきたかったが。

・マルチプレイモードとかあるんだが、残念ながら遊んだ事が無い。だって他に持ってる人いなかったし…。この時代はハードの関係上、まだマルチプレイへの敷居って結構高かったなぁ(苦笑
感想ばい。
 後にカービィやスマブラで有名になる桜井師範の下積み時代(?)の作品。グラフィックのクセだとか表に出てこない妙に凝った要素の数々とか、割とそれっぽい雰囲気はこの時点で結構出てる気はする。
 全体的に小ぢんまりしていて派手さは無いが、遊んでみるとしっかり堅実に遊べる佳作、といった印象か。他の機種やアーケードからの移植ではなく、ゲームボーイに合わせて丁寧に作られた作品といった趣の内容。

掲載日:2015年10月26日


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