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メーカー:任天堂
開発:任天堂情報開発本部
機種:ニンテンドーゲームキューブ
発売年月日:2003年11月7日
価格:5800円
ジャンル:レース


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 7 7 7 5 6 72
プレイ時間…40〜50時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかですたい。
・ニンテンドウ64の前作まではキャラクターが一枚絵で動きが殆ど無かったのだが、本作はキャラも全てポリゴン描写、しかもモデリングも秒間60フレームの割には細やかでモーションも多彩。非常ににぎやかな感じである。新システムである『2人乗り』システムも違和感なく馴染んでいる(後述の欠点も色々あるんで、この部分は良し悪しだが)。

・参戦キャラが増え、キャラ毎にオリジナルアイテムが用意された。選択の幅が広がったのは嬉しい。

・アイテムボタンの押しっぱなしでカート後部にアイテムをぶら下げる機能が廃止され、スーパーファミコン版の形式に戻った。ここも良し悪しではあるが、バナナや甲羅を用いての攻防が熱くなった。

・ミニジャンプが無くなったのには戸惑ったが、極悪なショートカットの防止策と思えばある意味は納得。操作方法は相変わらずシンプルゆえ簡単に慣れること ができる。

・150cc以上の難易度はかなり上がった。ストレスは溜まるが、前作が簡単過ぎたのを思えばまあ一概に悪いとも言えんか。シリーズお馴染みのCOMの八百長走行が一層悪化など手放しで褒める気も無いが、やり応えって意味では向上しとる部分とは言えるか。

・シリーズ初の光ディスクメディアでの供給だが、ロードがほぼ無く快適に遊べる点は、流石の任天堂クオリティではある。
だめですばい。
・グランプリでのリトライができなくなった。今までに比べCOMマシンからの攻撃がやたら激しく運が絡むので、回数制限ありでもやり直しができれば良かったのだが。

・COMに序列があるのは今までのシリーズ伝統。だが、アイテムで叩き落した後の復帰が異常に早いなど、動きを注視していると不自然に感じることが多い。また、AI自体が賢くなっているだけに、後方のプレイヤーに対し赤甲羅をわざわざ後ろに投げるような露骨なプレイヤー狙いの行動が八百長臭く不自然に感じられてしまう。特に150ccのプレイヤーに対する攻撃は陰湿過ぎて閉口。理不尽と思えるような難易度の上げ方はやめてほしい。

・穴から落ちるだけでアイテムを失ってしまったり、回避不能な攻撃でアイテムを失うことがある。アイテムは取ったらすぐ使わなければならず、戦略の幅が小さくなった気が。全体的には初心者にも優しい作りを目指していたようだが、この変更点は操作ミスがなくアイテム攻撃を回避する腕のある上級者に有利過ぎる気も

・カメラ位置が悪い。にも関わらず視点変更機能が無いのも痛い。使っていないCスティックを割り振って欲しかったところ。クッパやパックンなどのガタイの良いキャラを使うと下り坂で先がサッパリ見えず、ストレスが溜まる。任天堂ならこんな基本的なことくらい外さないモノだと思っていたが…。また、ドリフトの操作はRトリガーを使用するのだが、深すぎるL&Rトリガーのストロークが仇となり操作感が悪いし、本作ではF-ZERO GXのスライド移動のようにアナログ入力であることも生かされてもいない。

・今回の目玉システムである2人乗りシステムだが、2人で遊んで分担操作すると片方のプレイヤーはやることが少なく見ているだけの時間が長くて退屈過ぎる。

・バトルモードは過去の作品より明らかに完成度が低い。ステージが全体的に単調かつアイテムの効果が強力なので甲羅の打ち合いで勝負が決してしまう。
感想なり。
 全体的にボリューム不足。コース数はさほど多くなく、前作だいぶ間が開いているのにゲームモードにはこれといった進化は見られない。1人でも多人数でも楽しめたかこの作品のことを思えば、多人数偏重に偏ったのも些か不満。かと思えば操作の複雑化やCOMマシンの嫌がらせ的な挙動など、全体的にチグハグなバランス調整が目立ち、方向性には疑問符が付く。過去作は数百時間単位でドップリとはまってきただけに残念でならない。
 2人乗りなどパッと見の表面的な進化に留まらず、もうちょっと根本的な進化点が欲しかったなー、とは思う。

 今にして思えば、マリオカートって大幅に進化する時と、様子見かつチグハグな調整の事がある時とあるけど、本作は後者に入っちまってたなーって印象ではある(笑)。

掲載日:2004年7月19日
更新日:2018年9月11日


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