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スターフォックス アサルト
メーカー:任天堂
開発:ナムコ
機種:ニンテンドーゲームキューブ
発売年月日:2005年2月24日
価格:6800円
ジャンル:シューティング


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 7 5 5 4 6 4 52
プレイ時間…25〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
フォックス〜最高だよぉ(スリッピー風に)
・ニンテンドウ64から飛躍的に性能がUPしたゲームキューブでの発売だけに、グラフィックの質は大きく向上している。

・1人用モードで中断ができるようになったので、まとまった時間が取れなくても遊べるようになったのは嬉しい。地味ながらもこれが一番嬉しい改良点ですな。

・BGMがフルオーケストラでの演奏。それなりに迫力はある。まぁ曲自体は以前の作品の方が良いけどな。

・対戦モードは妙に充実しており、多人数で遊べる環境が楽しめる作り。
ケッ。やってらんねェぜ(ファルコ風に)
《システム・バランス・快適性》
・海外で人気のあるFPSの要素を盛り込もうとしたのは良いとしても、面白さに繋がっているかと言うとビミョー。地上ミッションの操作が無駄に複雑で覚えにくい上、地形が複雑過ぎて現在地が分かりにくいだとか、カメラの位置・操作感が悪いだとか配慮が足りていない印象。そのせいで細かい足場から落ちる事多し。特にアクションパートの完成度は今一つ。

・仲間が足枷にしかなってない。地上で孤軍奮闘してる間に連続で空中で救援を求めてくるのは正直、ストレスにしかならない。高速で移動してるため追い付けないとか建物の影で援護できないとか、条件がきつ過ぎる。つーか、お前ら、後ろ取られすぎじゃ。役に立たないにも程がある。当然、この有様では共闘感もクソもナイ…。

・対戦時、チーム分けをコントローラの繋ぎ替えでしか行なえないのは今時不親切極まりない。一緒に遊ぶ人がいないと一切対戦モードを遊べないのも残念。練習用にCOMとの対戦も可能なら良かったのだが。マシンやキャラの強弱のバランスも、高性能なアーウィンを取った者勝ち、ウルフが万能&素早く妙に強い、クリスタルが弱すぎてハンデ用にしかならない等、バランスが取れているとは到底言い難い。

・ロードは頻繁に発生する上にやたらと長い。20秒近く待たされたりするなど、任天堂作品として快適とは言い難い。

《演出部分》
・基本的には水準以上と思えたグラフィックだが、爆発の演出だとかところどころ目に見えてショボい部分があるのが残念。

《ボリューム・その他》
・メインとなる1人用のシナリオモードにボリュームが無い。シューティングステージの割合がやたらと低いのも少々疑問に思う。雑誌等のインタビューでは「ステージ分岐や面数を削ってその分一面あたりを深く作り込んだ」との事だが、全体的に作りが荒く、とてもそうは思えない。スターウルフの面々がヘンに善人過ぎるのもキャラが崩れているように思えて、いささか疑問。

・メダルやフラッグやらを苦労して集めたオマケが大昔のナムコのファミコンソフト…。いずれも名作である事は認めるが、スターフォックスには何ら関係無いどころか任天堂作品ですらない。そのため「なんで!?」って印象が強い。ナムコとのコラボレーションである事だけを強調するだけのオマケ要素など必要無いと思うのだが。
フォックス!感想だ!(ペッピー風に)
 個人的にはシューティングとしての前作だった『スターフォックス64』がお気に入りだっただけに期待が大きかったのだが、クオリティは今一つ。任天堂内製だった『〜64』と違い、今回は外注なのだが、開発側の実力差がモロに出てしまっていた印象が強い(てか、発表時には「開発はシューティング作りに定評のあるエースコンバットチーム!」となっていたのに発売後に「風のクロノアチームが開発し―」ってなってたのはナゾ…)。

 かつて『スターフォックス64』の製作者インタビューでは「スターフォックスシリーズは複雑になり過ぎてマニア向けになってしまったシューティングというジャンルを見直すために生まれた」というコメントがあったが、その言葉とは裏腹に今回はゴテゴテと色んな要素を加えて登場。勿論、それが面白いのであれば文句は無い。しかし、ことごとく新要素の出来がイマイチで複雑化する方向にしか作用していないとなると本末転倒としか思えないのだが…。

 同じゲームキューブで出た『スターフォックスアドベンチャー』に続き、また凡作未満の完成度であった。フォックスシリーズはこの『アサルト』以降もDS『〜コマンド』、WiiU『〜ゼロ』と微妙な完成度の外注作品が続く。途中3DSで『64 3D』も出たが所詮はリメイク。しっかりした出来の完全新作が出ない事には復活・リブートできたとは言い難く、スターフォックスは今もなお暗黒期から抜け出せていない。んーむ、巧くイカンものですなァ…。えーと、開発力の足りない&シリーズ作りのノウハウも無いヨソの会社に任せてもまるで巧く行かないんだから、そろそろ観念して、めんどくさがらず任天堂自前で作ってくんない?(苦笑)

掲載日:2005年3月1日
更新日:2021年5月18日


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