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ファイナルファンタジーXII
ザ・ゾディアック・エイジ

メーカー:スクウェア・エニックス
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2019年4月25日
価格:6800円
ジャンル:RPG


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スイッチさん版 PS4版

甲冑でも部屋に飾って
ジャッジを拝もう!!
(18万円って。た、高い…)

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 8 7 8 8 9 7 78
プレイ時間…50〜60時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
最高でござんす!
・ファイナルファンタジー12の魅力だった「AIをプレイヤーが細かくカスタマイズできる」楽しみ方(→ガンビットによる戦闘システム)が、より親切な方向で馴染み易くなっている点が好印象。就くジョブによって取得できるアビリティがかなり制限され、「最終的に皆同じ」になりがちだったPS2無印版と比べると、この点でかなり差別化できている印象。無印版ではやたらとクセが強くリスキーで使いにくかったミストナックや召喚獣などのシステムもかなりテコ入れされマトモに使えるようになったのも改善点と言えそう。

・割と序盤の内から本筋のルートから外れてあちこち歩いて回れる自由度の高さが魅力。元の無印のFF12とは変わっている部分も多いため、その点でも割と新鮮ではある(逆に言えば原典での経験が活きないとも言える部分ではあるが)。

・原作(無印版FF12)と比べると、ジョブの導入、高速化のON/OFF、インターナショナル版(ゾディアックジョブシステム)と比べるとジョブのリセットが加わり、より快適に遊べるようになったのが嬉しい。

・少々アホAIでストレス要素に繋がりやすかった原作と比べると、一部の一時加入キャラのガンビットも調整できるようになった点はありがたい。

・「薄味で印象に残らない」だとか「難解でやたらと分かりにくい」だとか叩かれがちだった本作のシナリオだが、個人的にはこの手の勧善懲悪に留まらない大河ドラマ的な作風は結構好きである。同じPS2のFFだと、世間様だとFF10とかの方がウケが良かったりしたモンだが、強引過ぎる展開が目立ったFF10よか、こっちの方がずっと好きではある。まぁこの辺は完全に好みの問題ではあるが(笑)。
ダメでありんす。
・フィールドが細かいエリアに分けられており、エリアの移動毎にロード時間が挟まる。元のPS2版ではメモリの容量の都合上こうするしか無かったのだろうが、遥かに性能がUPした現在のマシンならもうちょっと細切れエリアを広く取って貰えば快適に&ブツ切れ感が薄まって良くなりそうなのになァ…と思ってみたり。まぁそこまで行くとゲームの根っこのシステム部分まで及ぶかなりの作り直しが必要だろうが、フルプライス分の金額取ってるしね、その辺は奮発してくれても良かったのに、と。

・奥深さのあるシナリオは好み、と↑で申し上げたのだが、そんでもやっぱ気になる所は気になる。風呂敷の広げ方は巧いとは思えるものの、途中でエネルギー切れになったのか、どっか竜頭蛇尾的な強引な終わり方でスッキリしないのが残念だった。その他でよく言われる部分だと、一応主人公の位置付けであるヴァンは物語を通して一貫して空気のまんまなのは寂し過ぎるし、作中で2つある内のもう1つの大帝国であるロザリアが作中では殆ど設定止まりで実際に乗り込んで探索とか出来なかったりするのはかなり肩透かしではあった。

・同じMMO的なリアルタイム制の戦闘システムを持つRPG(ゼノブレイドシリーズ)と比べると、敵からのヘイト(敵愾心)を向けられる対象の調整と言った部分の説明不足感が強い点が改善されてるとは言い難い。割と重要な要素なのに、ゲーム内で明確な説明が殆ど無い(一応ヘルプに少々書いてたりするが、その項目への誘導とかも投げっぱなしで、説明自体も十分とは言い難い)。原作と比べて親切な方向に色々と改善されている割には、この部分が投げられっ放しなのは勿体無くも感じる。

・↑のジョブに拠る差別化だが、習得したアビリティをキャラ毎にしっかり役割分担して割り振るのが重要なのであって、ジョブに拠る差別化はユーザへの役割分担の重要性を示すって意味では良い道標になっているとは思うのだが、育成の自由度って意味ではかなり制限されてしまっているのも確か。この辺は一長一短ではある。

・HD移植(しかも他機種にもガンガン出てる後出し移植)なのにばっちりフルプライスである。少々割高と言わざるを得ない。
感想だぞぃ。
 大まかな部分はプレイステーション版のファイナルファンタジーXIIと一緒ですんで、そちらのレビューもどうぞ♪

 プレイステーション2で発売した『ファイナルファンタジーXII』のHD化+アレンジ移植作品(元のFF12からかなり弄くられている部分もあり、無印のFF12の移植と言うよりはインターナショナル版の移植、と言った方が適切カモ)。
 日本国内ではあんま好意的なイメージで語られる事の少ないFF12だが、個人的にはFFシリーズの中ではかなり好きな作品である。この移植版は無印FF12よりもかなり遊びやすい方向で調整されており、その点でFF12を初めて遊ぶなら、この移植版がとっつきやすくてよろしいかと。

 この作風のFFは結局コレ1本だったのが惜しまれる(わしとしては俗に言うノムリッシュ系FFってあんま好みじゃないんで余計にな)。この12路線の新作とか、また出ねえかなァ…。海外だとFF12ってめっちゃ評価が高かったと記憶しておるんで、海外志向の強いFFシリーズにゃ向いてる路線と思うんですがネ。なんか結局ノムリッシュFFに回帰しちゃうのよね…(苦笑)。

掲載日:2020年10月13日


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