ディープブルー 海底神話
メーカー:パック・イン・ビデオ
機種:PCエンジン
発売年月日:1989年3月31日
価格:5300円
ジャンル:シューティング(2D・横スクロール)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
6 4 1 4 1 4 33
プレイ時間…3〜4時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ぴーー…ぴろぴーーろーー♪
(注:良いところ
・雰囲気だけは癒しチックなムードも無くは無い。…が、それは開始1秒後まで。この作品の持つインパクトの強さって意味では『圧倒的な敵の猛攻を前にしての絶望感』だとか『庭の石をひっくり返したら虫の大群(しかも動きが速い)がぞわぞわぞわぞわーーて出てきた時みたいな背筋の凍る思い』だとかそっちの方がデカい。ある意味、ヘタなホラーより余程怖い(←一応、褒め言葉って事にしてくれYO)。
や…やめて…リンチはダメよぅ…。
(注:イカンのですよ。
・ちょ、ナニコレ…!?(何故か)キン肉マン風に言うと「ゲゲーッ!!」……である。自機が遅い、そして弱い。オルゴール風(ただし激しくピロピロなBGM)で海中を漂うマンボウチックな形状の自機。「ほーー、ほのぼの〜…」と言えるのはその開始直後の一瞬だけ。画面右側から魚群!魚群!!魚群!!魚群!!!画面を埋め尽くすが如き大量の魚の群れがプレイヤーを襲う!自機の動きはやたら遅く「危ないから避けよう」ってフルに避けてもまるで間に合わず、ならば「殺られる前に殺る」と攻めても攻撃がやたら弱くて数発当てないと雑魚すら倒せず、ライフ制を採用しているおかげで暫く攻撃に耐えられるのだが、ひたすらに殴られ続け、リンチされるってこういう事なんだろーなー…と思わずにいられない惨状。

・しばらくボコ殴りされてて気付く。このゲームって敵が弾を撃って来ないんだなぁ…。ボスに至るまで(見た範囲では)全部の敵の攻撃が体当たりのみ。いや、こっちは動けないのにやたらトリッキーな動き・速過ぎる動き・数に拠る圧倒で手の打ちようが無い敵の強さな事は確かですけども。ある意味では逆にユニークなのも確か。そっかぁ、まあ…確かに…ロボでも戦闘機でもバイオ兵器でも神様でも無いから体当たりが攻撃方法なのもある種当然なんだなぁ(遠い目)。

・ライフ制を採用してはいるが、無敵時間が一切無いので、魚群の群れには連続でダメージを食らいまくりである。何故かダメージ受けてる間はアイテムも取得できないので、一回ボコ殴りにされると立ち直れない…!うぎゃーーー…!!

・一回敵に当たればそれだけで装備が剥がれてしまうので、ダメージを受ければ受けるほど辛くなる。そっから立ち直るのがシューティングの醍醐味って?いやまぁ、そうですけども、……あの魚群の猛攻の前ではそりゃ無理でしょう。
感想ですけん。
 パッケージだとかから漂う癒しの雰囲気はフェイク。実際は流血・集団でのリンチ有りで遊ぶ程に絶望感を覚える破壊的なゲームバランスを持つ怪作。「うぁ…ぁー…あぁーー…ぎぇーーー…!」とかすれた呻き声を上げずにいられない無力感は他のゲームでは味わえない感触であるのは確か。全部で4面あるそうなんですけども、これ、2面より先に進める気がしない…。
 クソゲーの範疇に収まる内容だとは思うけど、平均的に全体がダメで見るべきところが無いゲームと違い、一応、突き抜けた無力感・絶望感を味わえると言う点では優れているとも言える…。救われない絶望感を味わいたい猛者を自認する方、レッツトライですぞ…!命の保証はしませんが(苦笑

掲載日:2014年8月25日


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