地獄の軍団
メーカー:スクウェア・エニックス
機種:プレイステーションVITA
発売年月日:2011年12月17日
価格:4980円
ジャンル:アクション(3D)


かいたひと : アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
48
プレイ時間・・・7〜8時間程度
※映像〜ボリュームは10点満点、総合は100点満点
いいねぃ!たまらんぜぃ! べらんめい!いけねえぜぃ!
・1ステージあたりの時間は10〜20分程度でサクサク進む。気軽に遊べる。

・クリア後に再度同じステージでスコアアタックする要素もあるし、素材を集めて武器を強化できるため、ある程度プレイヤーの腕前がヘボくても先に進める配慮があるのも良し。

・世界観に合ってるかって言うとそうでもないが、ヘビメタなBGMはゲームミュージックとしては少数派であるだけに存在感はあるし個性的でもある。
・内容が単調過ぎ。仕切られた区画ごとに敵を全滅→数区画繰り返し→ボス戦・・・と言う流れなんだが、作業的過ぎてどうも遊んでいて物足りなさがある・・・ってかハッキリ言って“楽しくない”。難易度的には序盤を過ぎるとかなり高めになっていくため、手応えが無いと言う訳ではない。ただ、同じことの繰り返しでダレてモチベーションの維持が難しく、ステージの素材・風景・キャラクターに至るまで流用だらけでバランス的にもメリハリが効いてないのが残念。単調さを難しさで誤魔化してるように感じるのだが、難しさの質もシステム面の不備だとかひたすら陰険な罠の配置だとか、ストレスの溜まる方向で徹底されてるのがキツい・・・。

・いちいち敵の死体から素材を引っぺがすのに時間がかかるのだが、ゴブリンを投げつけて回収する要素って必要だったのか?ここは敵を倒したら即回収でも良かったんじゃないの?敵が密集してたりすると照準を敵に向けたつもりが死体に向かってしまい結果、敵を倒せずやられたりとか、要らぬ所でストレスがある。変な所でピクミンらしさを残してしまってて返って余計に感じてしまう。

・触ると即死する罠があり、これが余りにも強力過ぎる気が。んでもって、半分の辺りからただでさえ狭いフィールドの中に10も20も炎とか電撃の罠が敷き詰められ、触らないように動くのさえ難儀する。『ピクミン』のように群れの位置を微調整する機能が無く、プレイヤーの周りを囲むだけなので避けようが無かったりして、イライラはどんどん募る。根幹のシステムを流用してる癖に、何故そこの操作を省くのか?ちょっと理解に苦しむなぁ。

・解像度があるだけにパッと見はまあそこそこ綺麗に見えるんだが、グラフィックは別にそれほど凄くない・・・と申すか、むしろ地形は極限までポリゴン削ってほぼ平地だし、キャラ自体もポリゴンの角が目立つ有り様で全体的にショボイのが気になる。

・敵全滅時だとかアイテム出現時だとか、デモが挿入されてる間も時間の流れが止まらない。配下のゴブリンが倒されてもその間は動けないのに、時間だけが過ぎて行き、結果ゴブリンの救出が間に合わないと言う事態が頻発する。普通、デモの間くらい時間止めるだろ!?

・繰り返しプレイが前提になってるっぽいデザインの割には、ボス出現時のデモをスキップできない。これはかなりイライラする。

・ステージ合間の紙芝居風のデモは流用だらけで手抜き臭い。別に豪華なムービーを入れろとか言いたんじゃなく、アッサリ目でも良いからその分テンポを重視して欲しい。

・アイテムの使用が背面タッチとか言う謎仕様。しかも全然直感的でない&発動中も普通に敵が動いて一方的に攻撃されるんで戦闘中に使えない・・・。なんでこんな操作にした?

・ヘビメタ全開なBGMは個性的だが、魔王とゴブリンと言う世界観に合ってるかと言われるとそうでも無い。あと気になったのが今時、曲がループしないで一旦終わってしまう点。ゲーム用のBGMとしてはあり得ないんじゃないの、これ。

・DLコンテンツの防具が強過ぎて他の防具を作る気力が失せる。ま、タダなのは救いかもしれんが。
こめんとじゃい
 任天堂で『ピクミン』などを手掛けた後に独立、任天堂に喧嘩をふっかけるような過激なTwitter発言とかで微妙に話題になった岡本基氏の手掛けるゲーム。

 ・・・と言う事でワラワラと多数のちっちゃいのが動き回る見た目からしてピクミンに似てるのかな〜と思いきや、味付けはまったく異なる印象。流用してるのは多数のキャラを同時に動かすところくらい。あれこれ同時進行で巧くスケジューリング管理する事が重要視され、リアルタイムシミュレーション的色合いが濃かったピクミンと比べると、その辺りのシミュレーション的要素はバッサリ切り落とされ、あくまでアクションとして作られてる感じがする。勿論、そう言った舵の切り方だってアリな判断だと思うが、問題は内容の単調さ&操作周りの杜撰さ。ハードと同発って事を差し引いてももうちょい遊びやすい物が作れたと思うんだが・・・。

 ピクミンを思いっきりアクション寄りにチューン、と言うコンセプト自体は悪くないし、もっと丁寧に作ってあればかなり面白くなりそうな内容なんだが、作りが余りにも雑過ぎるのが残念。製作時間が足りんかったか?Vitaと同発のタイトルでは『リッジレーサー』なんかもそうだったが、同時発売させる事を優先するあまり、製品として完成させるのがおざなりになっちゃってるのが残念。
 粗末さの中にも光る物は感じるんで、次回作が出るなら、とにかくきちっと作られた完成品を遊んでみたい。

掲載日:2013年1月14日


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