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428 封鎖された渋谷で
メーカー:セガ
開発:チュンソフト
機種:Wii
発売年月日:2008年12月4日
価格:7140円
ジャンル:アドベンチャー(サウンドノベル)


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Wii版 PS3版 PS4版

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 9 10 9 8 7 10 91
プレイ時間…20〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
いいところDA!
・複数の登場人物のストーリーが絡み合って展開していくストーリーが秀逸。物語における山場が多く、読み手を飽きさせない作り。作りとしてはムービーが多用されている点以外は古典的なアドベンチャーゲームと思うんだが、登場人物やシナリオの出来が純粋に良い。止め時が見つからない魅力のある内容と言える。

・TIPS(用語解説)の内容も練られており、地味に面白い。

・インターフェースの出来がよく、ストレスを感じない。Wiiリモコンのみの操作もよく練り込まれており操作はしやすく、片手のみで快適に遊ぶことができた(画面にリモコンを向ける操作等、無暗にポインタ機能とかは逆に手軽さが失せる・疲れるんで、使わなかったのは正解だと思う)。従来型のゲームでここまで楽にWiiリモコンで遊べたのは初めてかもね。正直なところ、ここまでWiiコンとサウンドノベルの相性がいいとは思わなかった。

・実写グラフィックと場にあったBGMのおかげで臨場感がうまく向上しているのはセガサターン、プレイステーションで出ていた『街』と同様。ところどころで挿入される動画の使い方が巧みで、テンポも損ねていないのもいい。全体的に作りが非常に丁寧で好感が持てる。メニュー画面の黄色と黒を基調としたデザインも洗練されてカッコイイ。

・アクション性などゲーム的な要素は希薄だが、その分ストーリーをじっくり追うことができる。操作方法なども親切に解説してくれるのでゲームがまったく苦手!…という人にもお勧めできる内容。バッドエンドの際にヒントが出るのも親切。
ダメなんDA!
・KEEPOUT(中断して他のシナリオへ飛ぶ)の頻度が高過ぎるかなあとは感じた。物語がぶつ切りになって没入感の妨げになってる感は少し否めない。あと、序盤は結構易しいのに終盤ノーヒントになり急に難しくなるのがキツイ。「そんな正解わかるかよ」的な選択肢もあり、コマンド総当たりとかネット情報に頼らざるを得ないのが辛いところ(まぁアドベンチャーゲームなんで総当たりしてりゃいずれ正解になるにせよ)。

・主題歌と歌ってる歌手を持ち上げ過ぎで、演出的にややクドく、ちょっとやり過ぎ感がある。

・クリア後のエピソードは完成度的にいまひとつ。一部おまけシナリオ(アニメ絵のやつとか)が本編から浮いている点は気になった。それと、文体が本編とかけ離れ気味(露骨にライトノベルチックな上に表現がくどい)な上に、読むときボイスが邪魔。これ、別にいらなかったんじゃないのかな?存在自体が明らかに“蛇足”的な気が…。

《スコアに反映しとらんけど気になった点》
・基本的にシリアス調で暴力等の表現も多いので遊び手は選ぶかも。個人的にはもう少しギャグが多くても良かったかなあ、と思った(これはこれでいい味なんで、こういうモノと思えば別に気にならん点ではあるが)。
感想YO。
 直接的な続編では無いけど、サウンドノベルの名作『街』(レビューはこちら…PS版PSP版)の流れを引き継いだ新作が登場。
 全く独立したストーリーの中にところどころ接触点が散りばめられた『街』に対し、こちら『428』は各々の登場人物のストーリーが1つにまとまっていくという点で異なる。強制的に他のシナリオに飛ばされる頻度が高い等、細かい不満点もなくはないが、ドンドン先を遊びたくなるような魅力がある。現在だと最初に出たWii版の他にPSP版やスマホ版など、多数の機種に移植されているので手に取りやすい。未プレイの方には是非遊んでいただきたい逸品。チュンソフトさん製のタイトルは結構当たりハズレの波が激しいのだが、今作に限って言えば文句なしで“アタリ”と断言できる。これを遊ばないのは勿体ない。

掲載日:2009年7月27日
更新日:2019年3月19日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 9 9 9 8 9 9 89
プレイ時間…40時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
オッ!!これは良いノダ!!
・プレイヤーが物語へと介入し、自らの行動でシナリオが変わっていくサウンドノベルゲームとしての面白さはかなりのもの。あるキャラの選択肢によって、またあるキャラの運命が変わっていく、試行錯誤を楽しむ面白さは他のノベルゲームや『街』でも楽しめる魅力だが、本作でも機転を利かせた選択肢や、面白い展開が数多く用意されている。

・物語を進めるごとに謎が謎を呼び、壮大な背景が広がっていく物語。最初は見えなかった物語の全容が次から次へと広がるごとに続きがとにかく気になり、様々なキャラを通じて物語が読み解ける。意外性や緊迫感のメリハリもバランス良く、とにかくテンポよく読み進められた。

・実際に渋谷の街で撮影されているという事もあり、リアリティが凄まじい。要所ごとに挿入される映像も迫真の演技揃いで、実際にドラマのワンシーンを見ているかのような錯覚すら感じる。もちろん、渋谷に実在する名所も数多く登場するので、尚更リアリティを楽しめた。

・チュートリアルも親切で、本作ならではの独特のシステムが誰でも理解しやすい。説明量もさほど多い訳ではないが、簡潔で分かりやすい作りだったと思う。バッドエンドになった時にヒントを読む事も可能になっており、ノベルゲームに慣れていない人でも間口は広めに楽しめる作りになっている。

・刑事モノのサスペンスドラマのようなメインテーマや、作中で使われる音楽もシーン毎にマッチした曲が使われていて非常に良い。曲に関しては熟練の方が手掛けているという事もあってか、物語とマッチした良曲揃い。
おっと!これはまずいノダ!!
・終盤のバッドエンドは進め方が難解なものがあり、ヒントも存在しない作りになっているので進めにくい。あと、ゲームクリア後に用意されているスペシャルモード内の一部のクイズの問題文が意味不明すぎて、攻略情報を知ってないとまともに答えられない物があるのはどうかと思う。

・所々で微妙に道理が通っていない行動をするキャラや、不十分な動機で行動するキャラが存在する。大きく風呂敷を広げた作品なので細かい点に着目しすぎると、多少の粗が存在してしまうのは致し方ないと取れる範囲内ではあるが。

・クリア後のエピソードは本編と違う方々が脚本を手掛けてるという事もあり、本編とは雰囲気がかなり違っていて浮いているように思う。エピソードの一つは後に『CANAAN』という名前でアニメ化等のメディア展開されていたりするので、話の作りは悪くないかもしれないが…流石に本作の雰囲気とは大きくかけ離れているように感じた。
感想なノダ!!
 コメディやサイコホラーやサスペンスと、キャラクターごとに話の雰囲気が異なった『街』とは代わり、本作は全体的にサスペンスの色合いが強い。序盤はコメディ色やホラー色が強いシナリオもあるが、後半はどのキャラも一つの事案について追い続け、全体的な雰囲気サスペンス一色に近くなるので、そういう意味では『街』とは雰囲気がまた違う点もあるが、実写サウンドノベルとしての根底にある面白さや、本作ならではの魅力はかなりのものだった。プレイヤー自らがストーリーを大きく左右させ、物語をゲームの進行と共に読み解いていく、この快感はかなりのもの。

 余談だが、前身である『街』からおよそ10年経って本作は発売されたので、本作が発売されて10年後にはてっきり、また新しい実写サウンドノベルが作られるのではないかと期待していたのだが…2019年になった現在、移植作は発売されたものの、残念ながら新作と呼べるようなそれらしき物は作られなかった。一般的なノベルゲームとは違って実写サウンドノベルゲームはゲームの作り方の道理が異なる事もあり、簡単にマネできる代物ではない事は分かっているが、それでも『街』や『428』のようなゲームがまた出てきてくれないかと思う。

掲載日:2019年3月19日


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