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毛糸のカービィ
メーカー:任天堂
開発元:Good-Feel、HAL研究所
機種:Wii
発売年月日:2010年10月14日
価格:5800円
ジャンル:アクション(2D)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 7 5 7 5 6 67
プレイ時間…10〜15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よいノダ!
・タイトルの通り、本当に毛糸(+布とかの生地)だけで構築されたグラフィックの表現は綺麗でホンワカしており、かなり凝っている。フォトリアルだけじゃない進化って意味で「これは見事」と言える驚きがある。。見た目だけでなく、ギミックとしてステージ中でふんだんに活かされており、デザインと機能を兼ね備えた設計と言えるし、アクションとしてこじつけ感もそれほど無いって意味ではよく考えられたデザインだと思える。

・これまでのカービィシリーズのBGMも随所でアレンジされてるが、これまでのアレンジのされ方と異なり、音数が少なく素朴な感じ、それでいて本来の曲の持つ良さ、リズム感を失わないナイスな作りになってると感じた。弾けるようなポップさは無いが、あくまで素朴に、メロディの良さで勝負してきてるな、といった印象。

・「飛べない」、「吸い込めない」、「コピーできない」と言うカービィ独自アクションができないのが「毛糸だから体の中に空気がたまらない」で見事に説明が付く(ってかデモが実際に入る)。そう来たか…って切り口ではある。
だめナノ!
・穴に落ちようが敵に当たろうが、カービィは死なない。クリアだけを目指せば、アクションゲームとしては物凄く難易度が低い=手応えがない。同じ任天堂の『NEWマリオWii』よりも二回り以上ユルい。一応、ミスると持ってるメダルを散らかしてしまうと言うペナルティはあるのだが、大して痛くも痒くもないのでペナルティにすらなってない気も。これはどう考えてもユル過ぎて刺激が足りない。任天堂アクションに慣れた人間だと大半は「刺激の無い退屈極まりないゲーム」で終わってしまう気がする。

・任天堂ブランドとしてはロードが長い&多い。ちょっと快適じゃあないね。10秒とか20秒とか待たされるわけじゃないけど、短いってくらいでもない。

・一応カービィのゲームなのに、「飛べない」、「吸い込めない」、「コピーできない」とことごとくカービィらしさがゴッソリ削ぎ落されてるのは賛否分かれるかも。

・当初主人公になる予定だったと言う新キャラのフラッフも仲間として登場しているのだが、正直キャラとしての魅力は数段落ちる。ま、だからこそ無理矢理カービィという有力キャラを乗っけたワケだろうけど。あと、微妙にカービィくさくなくて変に浮いてるのよね。任天堂の過去の作品で言えばゲームキューブの『スターフォックスアドベンチャー』を連想するやっつけっぷりと申すか……(苦笑)。
感想ですヨ。
 一応カービィとは名前がついてるけど、これまでの作品とはかなり毛色は異なるゲーム(ま、元は完全新作で出す方向だったらしいから、ある意味当然とも言えるが)。グラフィックは見た目だけでなく、アクションにもふんだんに活かされており、これはこれでアリなのかな、と。

 ただ、アクションゲームとしてやたらとヌル過ぎる難易度の低さがちょっと気になる。普段の本家側のカービィの時点で相当敷居が低めなのに、そこから更に二段階・三段階ほどユルくした設定となっていて、少々やり過ぎ感も。
 見てるだけで楽しめるっていうデジタルアート的な側面もある作品だと思うけども、ゲームとして見ると、「あんま難しいのはヤダ!!」っていうわしでもヌル過ぎて退屈だったくらいなんで、もうちょっとキツさがあっても良かったと思う。

掲載日:2010年10月17日
更新日:2018年10月23日


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