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縮緬任天堂研究所


No.1 スイッチさん発表に思うこと
〜スイッチさんの属性について考える
 

 今回のNX改めスイッチさん(※1)の発表、30年に渡るニンテンダー生活であそこまでドライで淡々とした気分で眺めておったのは初めてじゃった。結果的に大失敗だったWiiUでも発表時はそれなりにワクワクしたのに。どーもそれが心の隅に引っかかってモヤモヤするんで、風呂に入りながら屁理屈こね回してムリヤリ自分を納得させる事を試みる。それなりに考えはまとまったんで、クソ長くなりそうだけど、この場で吐き出してみる。

※1 わしは親しみ(それとswitchなる一般名詞で略しにくい事への揶揄の感情)を込めてニンテンドースイッチを『スイッチさん』と、こう呼ぶ事にした(笑)。


 任天堂のハードってのは振り返ると乱暴に属性を分類すると、果敢に斬新さで売り込む「攻め」か、売れた要素を上手く継承してまた儲けに繋げる「守り」かに分けられると思うんだね。で、基本的には攻めか守りかが交互に来る

 据置機だとファミコンは「攻め」SFCは「守り」、64はこれ以上ない「攻め」、GCは「守り」、Wiiは「攻め」、WiiUは「守り」。

 携帯機側はGBが「攻め」、GBAが「守り」、DSが「攻め」、3DSが「守り」。

 個別に見てけばDSはGBAからの継承要素も多くて守り属性が強かったり、3DSに立体視なる妙な攻め要素が紛れ込んでたりもしたが、まぁ基本的にこうだ。大方「攻め」ターンでガンガン売れて、「守り」ターンの機種で要素を継承・発展させて更なる収穫を狙うって感じか。んで、「守り」ターンでニヤついてるとセガなりソニーなりマイクロソフトなり、他の会社が果敢に攻め込んできてひっくり返され、追い詰められた所でヤケクソモード発動で「攻め」に転じてまた儲ける。振り返ると任天堂のゲーム機の歴史ってこの繰り返しだな。


 なお任天堂機種のこの奇妙なジンクス、ソ連ロシアのハゲフサ理論(レーニン→スターリン→フルシチョフ→ブレジネフ→…→メドベージェフ→プーチン)に通じるものがあり…というか要するにムリヤリでっち上げなんだが、まぁ流れとしてはそれなりにわしの中では納得した理論であり(いやそれはどうでもいい…あ、でも良かったらわしのこしらえた壁紙(こちらからどーぞ)でも見ていってよね!


 で、先日発表の「スイッチ」さん。これがまた奇妙と申すか、追い詰められた任天堂と来たら決まってヤケクソモード発動で「攻め」に転じるんだが…どう見ても「攻め」じゃないんだよな。むしろ「守り」側に近いんだが、正直これ、守ってすらもいないんだよな。風呂に入りつつ悶々と考えてわしが思い浮かんだスイッチの属性、正直、今んとこ、これ…任天堂史上初の「逃げ」属性のハードなんじゃないか?って思えてきた。

 まず第1点はもう据置機と携帯機、2つのハードを維持できんって消極的な現実が「これでもか」ってにじみ出てた点よな。んで更に、2つを統合せざるを得ないのはまぁ判るんだが、先日の動画では正直新しいゲーム体験とは程遠い内容でもあり。残念ながらユーザ側に明確な利点を提示できてない気がする。
 要はアレなんだよな。作る側の都合でそうせざるを得ないってのは確かに判るんだが、据置機と携帯機を統合する事によるユーザへのメリットの提示ってのが足りてない。だから余計「逃げ」と感じられて、新ハードの発表なのにどこかドライな気分になっちまったんだろうな…。

 任天堂としては(携帯機がウケない海外を考慮して)あくまでスイッチは据置機寄りの機械って言いたい所みたいだが、ハードを携帯するにゃWiiU式の無線で飛ばすやり方だと本体から数メートルしか届かんから、あくまでコントローラにCPU載せるしかない、コントローラに載せるなら携帯機用の低性能な石を載せるしかないっていう、ここもこうするか無いっていう妥協は見て取れる。
 いや、実はあの台座の方にとてつもない高性能のチップを載せてて…とかいう隠し要素がまだあるかもしれんけど、んなコスト的にムダな事やってるとまたWiiUのように赤字発生装置になるしな。

 そもそも、本体(コントローラ)・台座それぞれにチップ載っけて、それで高性能が実現できるなんて甘っちょろい話はコンピュータの常識から言ってもありえんし。並列処理なんて1+1=2にはならん、1+1=1.2くらいの話だしな(少なくともわしが大学で習った時はそんなもんだった)。
 まぁコンピュータの並列処理ってのは「安くて余ったコンピュータを沢山寄せ集めて巧く活用しましょう」って話であって、1台のゲーム機でやるような代物でもなかろうしな。サターンとか2枚積んで2倍の性能になるかっつーと全然ならんかったろうしな。


 おっと話が逸れた、とりあえずアレだ。スイッチに関しては、諸々の要素が「これをこうしたい!」っていう明確な意志よりも「あれもこれも追い詰められてこうせざるを得なかった」っていう、どこか寂しげな雰囲気を纏ってるのが気になっちまった。恐らくわしが盛り上がらなかったのはそのせいじゃろな。




 大してまとめもせずにグダグダ長文だけ書いて読みづらくてゴメンねー! ハードの思想的には追い詰められた「逃げ」属性であっても、結局は出るソフト次第でどうにでも運命は変わると思うのよね。まぁ今回のPVは具体性が無いから余計にモヤモヤしただけだったけど、ソフトっていう具体的な提案と、先日明かさなかったであろう革新性とか発売に向けて発表してユーザを盛り上げてくれれば良い話ではあるけどもな。
 ハードの思想が腰が引けた「逃げ」であってもソフトでしっかりユーザをもてなしてくれればわしとしちゃ文句は無い。 肝心なのはソフト!とにかくソフトだよ!!まぁ今んとこ不安の方が圧倒的にでかいけど、任天堂ならここからヤケクソモードで攻めに転じてくれるとわしは信じておる(裏切んなよーッ?

 なお、任天堂機種の攻め守り理論は、前述のソ連ロシアのハゲフサ理論と同様に、詳細に語りだすと長くなり、恐らく軽く数万字を超えると思われるのでまたの機会に(苦笑


 「スイッチ=属性:逃げ」に関して、ついでに言えば、今回のPVでは敢えてゲームらしいゲームを中心に据える(+アプリからの移植は隠しておく)事で「任天堂がゲーム機で戦う」って意志を殊更強調する意図もあったと思うんだけど……消えねぇんんだよな疑念が。 ハード設計的には冷静に眺めるとスイッチは「ほぼタブレット」でしかないのよな。 「クソ課金アプリ移植の溜まり場になる」って言う疑念が消えない。これもスイッチ=「逃げ」がチラついて打ち消せない理由の一つな気はするが、こっちは確定してないので評価保留(苦笑



 それと…、風呂を上がる際に思ったワケだが

 E3の時のミヤホン氏「パクられると困るから情報出せない」

との事だったが、とりあえずマイクロソフトやソニーはこの路線はパクらんとは思った。なんでここまで引っ張ったのか?何を恐れたのか?これ隠すくらいならサッサとソフト発表して盛り上げて欲しかった、とチクリ(苦笑)。まぁ中国やらどこぞのメーカがリーク情報から早速それっぽいもの先回りで発表しておったが、コンテンツ力の無い所にパクられた所で別に痛くも痒くも無いとは思うんだが…。ほんと、情報をケチって盛り上げるのを怠るのはいい加減勘弁して欲しいけどなーとまたチクリチクリ。

(2016/10/21発言、12/9掲載)


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