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ファイアーエムブレム無双
メーカー:コーエーテクモゲームス
開発:コーエーテクモゲームス オメガフォース、Team NINJA
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2017年9月28日
価格:7800円
ジャンル:アクション


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3DS版 スイッチさん版

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 7 6 7 6 8 5 68
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
陛下!最高ですぞ!!
《システム・バランス部分》
・システム面では実質的な前作にあたるゼルダ無双あたりからの流用が多いが、他の部分では3DS最初期の無双の良作『戦国無双Chronicle』をベースにしている部分もあるんで、操作キャラの切り替えなりサブ画面を用いての指示出しなり、ある程度そちらの良さを取り入れた感じで、(単調さはあるけど)それなりにシミュレーション的な色合いも加わって楽しめる部分もあるかなァと。

・基本的には『いつのもコラボ無双』でありそれ以上でも以下でも無いとは思うし、独自要素も結局大してメリットになって無いとも思う。一方で遊べないって程の低レベルな内容でもなく、不思議としっかり時間は潰せる。そういう意味では良い作業ゲーなのかな、とは思う(一応褒め言葉な)。

・他の無双シリーズ作品に比較して味方COMが若干強めのバランスになってる印象。従来だと置き物同然で敵をまるで倒してくれず役に立たない事が多かった印象だが、今回は武器の相性が悪く無ければ勝手に任せていてもそれなりに仕留めてくれたりも。その点では共闘感を味わえるバランスになってる点は良し。

・ファイアーエムブレム本編であった『武器の種別での相性』や『特効』のシステムもまぁそれほど不自然さナシに巧く無双に組み込めてはいると思う。

《グラフィック・サウンド部分》
・そもそも性能面でムリがあったニンテンドー3DS版と比べると、グラフィック部分での差は明らか。やはりこちらの方が二回り程見栄えは良い。3DS版はUIのアイコンの画像とか圧縮し過ぎたjpg画像みたいにノイズが入りまくりだったが、こちらスイッチさん版ではそういうケチり方はしてない点は良し。

・イベントだけでなく、通常の戦闘のときもやたらめったら頻繁にキャラが喋るので賑やか。同じ任天堂コラボの『ゼルダ無双』の時は無口で「妙に静かだったなー」とか思ったもんだが、まぁ無双にはこっちの方が合ってるかな、と。

・ゲームにおける会話イベントのフルボイスって文字送りの待ち時間が生じるから個人的にはそんな好かんのだが、このゲームの場合は割合早口な人物が多いお陰か、そんな気にならず、メリットだけ享受する事が出来てたかなあとは感じる。

・出典元であるファイアーエムブレム覚醒・ifはフルボイスでは無かったが、こちら無双はガンガン喋る。そういう意味では豪華であり、キャラゲーとしては水準は高い、と言えるかもしれん(もっとも、わし個人としてはテンポ最重要視のFEでは別に重要視する気も無いけどな)。

《ボリューム部分》
・通常のシナリオモードの他にもファイアーエムブレムシリーズのシナリオのダイジェスト版的なステージが用意されている点は良し。
敵襲!もう駄目ですぞ!!
《グラフィック・サウンド部分》
・グラフィックに関しては、ステルス現象(≒何も無い所から敵がドンドン湧いて来る、見えない敵から攻撃される)が気になる所だが、とりあえず、見えん敵から攻撃されない点は良いが、何も無い所から敵が湧く所に関してはもはや隠す意思も無いようで、ガンガン普通に湧いてくる点も3DS版と同様。

・3DS版と比べれば遥かに綺麗なのは間違いないだが、一方でニンテンドースイッチ用のゲームとして見てみるとレベルはそんなに高くなく、別にグラフィック表現が綺麗ってワケでもない。キャラのモデリングは相応に力が入っているが、一方で地形なんかはポリゴン剥き出しだったりコピー&ペーストで似た地形が頻出するなど、1〜2世代遅れてる印象もある。

《快適性》
・ロードはステージ開始前がやや長い。一度ステージが始まれば待たされる事は無いが、1ステージがそれほど長くない関係上、やっぱ相応に待ち時間はある。

《システム・バランス部分》
・ミッションとか頻繁に発動したりアレコレと指示を出されたりして一見タクティカルに思えるんだが、
実際やってる事はいつもの無双通りのモグラ叩きに過ぎんかなー、と。この辺がシミュレーション的に思える人なら「FEっぽくてアリ!」なのかもしれんですけども、個人的には「コラボの題材としてはやっぱ上辺だけで薄っぺらい」って印象は拭えず。

・2画面で下の画面に大きくマップ表示がされていた3DS版と比べると、マップはかなり見にくい。まぁこの部分はハードの仕様の関係上仕方ないが。

・やたら頻繁に「急いで下さい!」とかせっつかれるんだが……そんなにやり方悪いかなー…。常時せかされてるみたいで鬱憤が溜まるし、どうしても印象は良くない。

・折角多数の武器種があるのに、やたら剣キャラの比率が高い。1/3以上剣キャラよな、これ…?それなら本作独自のオリジナル主人公とか剣以外に割り振れば良かったのに、とか思っちまうが。あと、無双としてそれほどキャラは多くないと思われるのにモーションだの性能部分だのの流用も目立つ。

《設定・シナリオ部分》
シナリオの展開は陳腐かつワンパターン。キャラ(特に敵側の名前アリの人物)が少ないからか、後に味方になるキャラも何かしら難癖を付けて最初に戦ってから誤解が解けて味方に……って流れが大半。また、倒した敵も仕留められずに逃げて何度も再登場、って流れがやたら多い。

《スコアには反映しとらんけど気になる点》
・発売前から言われてたように、キャラの人選は激しく偏っており覚醒・ifからが大半を占める(暗黒竜から数名、DLCでその他の作品からピンポイントで数名止まり)。海外でも出す事を考慮すればそもそも海外で発売しなかった『封印の剣』以前は厳しいし、GBA・ゲームキューブ・Wii時代のFEは海外では売れず存在感が無かったんで、まぁ仕方ない部分もあるのかなーって気はするけども。
感想ですぞ!!
 元からコラボ無双にゃ別に興味ないわしなんで、3DS版(レビウはこちら!)をある程度やり込んだ時点で満足して、コチラのスイッチさん版は手を出す気も無かったのだが、スイッチさんのキャンペーンにて「期間限定で無料で遊べる!」と宣伝しておったので、とりあえずシナリオクリアまではまたやり直してみた次第。

 3DS版と比べるとやはり相応に見栄えは良いし、多数のキャラを表示する内容の関係上、やっぱ据置機のコチラ側の方が遊びやすく優れている部分は多い。
 ただ、ニンテンドースイッチ用のフルプライスのパッケ作品としては別にそこまでグラフィック部分は優れておらず、キャラにしても地形にしてもコピペでの流用が目立つって意味では手抜きしとるなーって感じる部分も少なからず。
 内容はいつものコラボ無双って感じでそんな濃厚な体験をプレイヤーに味わわせてくれるゲームでも無いとは思うんだが、ゲームモードなり育成モードなり、ボリュームそのものは相応にあるんで、気に入れば数十時間単位で潰せる内容であるのも確かとは思う。

 3DS版とスイッチさん版、単純に内容で比べれば、文句なしでこちらスイッチさんの方がオススメ!!……なのだが、探せば1000円台で買える3DS版と比べ、こちらスイッチさん版は中古でも大して値下がりしてない点がネック。同じ値段なら断然スイッチさん版がオススメだが、「1500円の3DS版と5000円のスイッチさん版」を比べた場合はウーン…迷うトコかもしれん。「FEのキャラをアクションで動かしたい!」って手のキャラだの声優さんだのに惹かれる系エムブレマーさんは高いカネ出してもスイッチさん版の方がいいかもね。わしみたいに「コラボ無双とか別に好かんし、エムブレマーであるけれど別にキャラゲーとして好きなのでなく、システム込みでFEが好きなんだ!」って古典的・ヘソマガリ系エムブレマーの方は3DS版でサラっと軽く遊んでみるだけにする、とかが無難やもしれませぬ(笑)。

掲載日:2020年1月28日


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