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メトロイドドレッド
メーカー:任天堂
開発:MercurySteam
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2021年10月8日
価格:7678円
ジャンル:アクション(2D)


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パッケ版(Amazon)

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 8 6 6 4 5 63
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
フム……良いだろう、レディー(アダム風に)
《システム・バランス部分》
・アクションの挙動の軽快さに磨きがかかり、キビキビ動くのが心地よい。ヘタクソでもそれなりにスタイリッシュに見えるって意味では良く出来ている。

・前作である3DS『サムスリターンズ』(比較多めなんでよければレビューも参考にどうぞ!→こちら)はセーブポイントが妙に少なくミスするとガッツリ戻されたが(何故か元のゲームボーイ版『2』より減ってたし…)、今回はセーブ/再開ポイントもだいぶ増えて遊びやすくなってる点は◎。

・発売前から宣伝された強敵エミーからの逃避・対峙がかなりのスリル。「攻撃が通じない強敵から逃れる」って描写はナンバリングの前作である『フュージョン』における『SA-X』(フルパワー状態のサムスに擬態した生物)に近いが、今回のエミーも異質さが際立つ敵であり、接触するだけでほぼ即死というリスクが付きまとい、初遭遇時のヒヤヒヤ感はSA-Xを思わせる。

《演出部分》
・メトロイドシリーズとしては初のHD機種での登場であり、グラフィック部分のクオリティは大きく向上。臨場感・空気感が伝わってくるような描写はお見事。かと言って演出過多というワケでもなく、視認性が犠牲になってない所が良い。

・同じような敵が多かった3DS『サムスリターンズ』に比べてボスのバリエーションが多く、意外性のある物もいたり。見た目でも戦い方においても(まぁ前作は相手がほぼメトロイドばっかだったので自ずとそうなっちまう感じではあったが)。発売直後なんで詳細は暫くは書かんでおきます。

《操作性・快適性》
・死にゲー的なバランスで即死ポイントも多いためゲームオーバーになる回数も相当多いと思うのだが、ロード時間はまずまず短く(エレベータ等でエリア移動するタイミング等はちょっと気になる程度)、復活ポイントも多め。リトライで心が折れにくい配慮がある点は嬉しい。

・シナリオ上での直接の前作にあたる『フュージョン』、派生作である『Other M』と比べるとムービーデモ・テキスト等でのシナリオの描写機会は最低限でゲームプレイの中断場面は少なく、テンポは快適。ジャンルがジャンルだけにシナリオ描写の必要性がそれほど無い&あくまでアクションと探索がメインのメトロイドなんで、まぁこのバランスでよろしいかと思う。
さて、それはいささか疑問だ(アダム風に)
《バランス部分》
・3DSの『サムスリターンズ』に引き続き、過激な死にゲー的バランス取り。一撃のダメージが非常に重く、ボスの攻撃も非常に熾烈である。初見殺しポイントもやたらと多い。発売前から宣伝された強敵のエミーは触るとほぼ一発死かつトリッキーで素早い動きゆえに死んで覚えるのがアタリマエで、やり直し回数がムダに増えてダレがち。まぁ↑で言った通り、この部分がユルいと緊張感が台無しになるとかゲーム性に直接関わりそうなんで仕方ない面もあろうが、このエミーが出てくるエリアがかなり多く頻繁に出現するため、数体目ともなると「コワイ」よりも単に「ダルい」が前に出てきて、足止めされる事によるテンポの悪さなど少々弊害も感じてしまうのではある。しかしなー…『ゼロミッション』以前はこんな露骨な死にゲーだったイメージでも無いのだが…(とりあえず2・スーパー・フュージョン・ゼロミッションは昨年〜今年にまた遊んでクリアしてたんで、思い出補正ではナイとは思う)。個人的には死に覚えゲーってニガテかつ嫌いなもんで、どうもこの手のバランスのゲームには強い拒否反応が出ちまうんだよなァ。メトロイドって別に元はそんな『死にゲー』バランスじゃなかったと思うし…(フュージョン以降のハードモードとかなら別だが、2とかスーパーの時はそもそも殆どゲームオーバーになってないかんね、ヘタレなわしでも)。遊んでて疲れると申すやら兎に角キツいのよね。

・「↑でカウンターありきのバランスが軽減された」…とは申したのじゃが、今回も結局押し付けがましさはかなり残る。ボス戦ではそれが一層顕著。何が嫌なのかなーって考えてみたがアレだ。わしが嫌いなQTE(クイックタイムイベント、それまでのプレイの流れを遮った上での演出的なまだるっこしいアクション・デモやムービーの合間に唐突にボタン入力を求められる)に近いのが原因なのかもしんない。前作程では無いが、結局「カウンターや必殺攻撃を仕掛けるためのスキ待ち」になっちまうのがどーも好みでは無いんかな、と。

・難易度自体が地でかなり高い上に、最近のマリオ本編やドンキーみたいな「絶対先に進める!」的な救済措置なんてモノは一切無く、そもそも難易度調整自体存在しない。あくまでプレイヤーが上手くなって乗り越えるしかない。その意味では(主人公は女性なのに)やたらと漢なバランスであり、誰でも最後まで行けるって感じではナイかも。「普段アクションやんないけど宣伝見てカッチョ良くて面白そうだから!」とか言う軽い気持ちで手に取ると痛い目に遭うバランス、とでも申すやら(苦笑)。

《操作性・快適性》
・2Dアクションながら操作が結構複雑。ボタンはフルに使うし、2〜3個のボタン・トリガー同時押しのショットとかもやたらと多くて、咄嗟に繰り出すとなると結構キツい。もっとも、それは今に始まった事ではなく、スーファミ時代からシャインスパーク(無敵の高速移動&突貫攻撃)等の隠し操作でそんな感じのはあったが、その頃はそもそも必須操作では無かったって意味でキツさがある。

・Lボタンを押してのフリーエイムだとか、前作から続投のメレーカウンターだとか(自発的に繰り出す事もできるが、メインはやっぱり『待ち』なんで)、動きが止まる場面が多く、プレイのテンポは正直あんまり良くない。この点で折角のスタイリッシュでスピード感のあるアクションの良さが相殺されちまってる印象ではある。敵が積極的に殺しに動いて来るため倒せる敵は近付く前に倒しておかないとダメージが溜まりがちなんで、テンポの良さって意味ではデメリットも大きかったと思う。

・基本的にはそこまでロードは長くないのだが、エリアを跨ぐ地点(エレベータで移動するトコね)は20秒とか平気で待たされる。そんでもって、そこそこエリア移動が多いんで、長時間ロードも割と頻繁に出くわす。ここはもうちょっと頑張って欲しかった。

《ボリューム部分》
・比較的小粒なジャンルである2Dアクションの割には定価は7500円超でかなり高めに感じたりも。…もっとも、スイッチさんオンラインの「オンに加入すりゃ2本1万円で売ったる」券で1本5000円(前作並の値段)で買えるのではあるが。任天堂としては原価が掛からず利幅のでかいそっち(DL販売)に誘導したいってのはあるのやもしんないが、手法としては結構強引よね…。

・また、『サムスリターンズ』に引き続きamiibo商法(=amiibo持ってる人限定でオマケのアイテム補充機能等がある)をやっとるのも、ちょっと印象は良くない(そもそもamiiboが品薄で売ってネー!)。
THE 感想。
 前作『フュージョン』(実質的な『4』、レビューはこちら)から20年近く開いた、メトロイド本編(2Dアクション側)の第5作目にあたる作品。

 個人的には久しぶりの本編の完全新作という事で長年楽しみにしていた存在でもあり、同時に同じ制作元(スペインのMercurySteam社)が作った3DSの『サムスリターンズ』のゲームバランスがあんま合わんかっただけに不安でもあった。内容としては前作のバランス部分のクドさをマイルドにしつつ、元から優れたグラフィック等の演出や操作性快適性部分をより進化させた決定版とも呼べる感じであり、豪華で骨太な内容になっとると思う。

 一方、薄れたとは言えシステム面バランス面での押し付けがましさは依然存在する他、地の難易度が妙に高く、トライ&エラーが強いられるバランスなんで、遊んでて疲れて消耗してくる内容でもある。メトロイド初期作に比べると死にゲー的な色合いがやたらと濃く、露骨な高難度ゲーがニガテなわしとしては、前作『サムスリターンズ』同様、やっぱ遊んでてしんどさばかり感じてしまう内容でもあった。
 その意味でも、良くも悪くも必要以上に漢向けでゴツい内容であり、遊ぶ側にも相応の覚悟・気合いが必要で、任天堂のゲームで多い「誰でもしっかり楽しめる!」ってゲームでは無いかなァと。ま、メトロイドって元から別に万人受けを目指したシリーズでもナイし、任天堂作品でそういう尖りまくったモノだってたまにはあっても良いとは思うけど…。いやー…メトロイドってこんな露骨な死にゲーじゃなかったって!


 全体としては簡潔にまとめれば『サムスリターンズのシステムでフュージョン寄りの味付けをしつつ、探索の自由度も多少残したメトロイド新作』って感じかな。押し付けがましさはサムスリターンズより幾分軽減された印象だが、死にゲーっぷりは一層強化されちまった印象、とでも言えるか。ボス敵に限って言えば前作サムスリターンズ以上に押し付けがましさは強い。カウンターどころかわしの嫌いなQTE的ですらある、と申すやら。
 これまでのメトロイドと比べると今回の任天堂はやたらと宣伝に力を入れとるように見えるんだけども、内容的には過去作同様、下手すりゃソレ以上にやっぱりハードルは高くて万人に刺さる内容であるかは少々疑わしい。ただ、クオリティ自体は高いし、古典的で小粒になりがちな2Dアクションとしては異例とも言える非常に力が籠もった大作である事は間違いないとも感じる。

 んー…「手強い」の路線・方向性がゼロミッション以前とサムスリターンズ以後で違い過ぎるんだよなァ。直接的な死にゲーバランスは個人的にはちょっとノーセンキュー。個人的にはメトロイド本編に「反射神経勝負の極悪難度の死にゲー」なんて求めてない。キツくて疲れるばっかで遊んでて面白くナイかんね。
 (とりあえず「わしが」、だが)メトロイドに求める手強さの路線はこうじゃないんだが、よりにもよって本家が昨今のメトロイドヴァニアのトレンド(高難度・死にゲー化)に流されちゃった感があるのは残念。外人さんに支持され沢山売れて儲かるならばソレはソレで喜ばしいかもしれんが、ジコチューなわしとしては「他の誰に合わなくともわし1人には合うメトロイドこそ出て欲しかった」ですねー…、やっぱ(←ムチャ云うな)。

 出来そのものが悪いとは思わんのだが、「わしに合ってるか」って観点では非常に不満の多い内容。死にゲーっぷり全開の極悪難度にゃ苦労させられるばっかりであり、だいぶ消耗した感じではある。正直、個人的には「面白い」より「しんどい」がひたすら前面に来るバランスであり、前作『サムスリターンズ』と今回の『トレッド』でここの開発元(MercurySteam社)の作るゲームがわしとは相性がサイアクで好みにはまるで合わないと確信。同じトコが作ってたら次からはもう完全にパスだろうな、と(メトロイドって周回前提のゲームなハズなのに、あんま疲れるから周回する気すら起きんのである…)。「オレの場所じゃなくなった」感が強いとでも言うやら。
 また国内(自社+インテリジェントシステムズ)で開発するよーになったら考えますケド、どうスか?(MercurySteam社にゾッコンっぽい任天堂の坂本氏のインタビュー発言から考えるとソレも期待薄だが)

掲載日:2021年10月12日
更新日:2021年11月23日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 8 7 7 6 6 8 79
プレイ時間…20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
楽しいゲームをありがとうございます。
《ゲームデザイン・UIについて》
・ゲーム全体を通して主人公サムスの動きが軽快かつスピーディで、操作に慣れていない段階でもかなりスピーディかつアクティブに動いてくれるのがとても爽快。装備を全く強化してないゲーム開始時点の時点でも操作性に文句はさほど無いのに、ゲームが進むにつれて際限無くスピード感が増していくこの快感は本作ならではのものかと。

・サムスが取得出来る能力のバリエーションが相変わらずとても豊富で、特にボス戦では『探索中に得た能力を駆使して戦い抜く』というのが遺憾なく発揮出来ている。終盤になるほど使える技が増えてくるせいでボタン操作が複雑になってくるものの、シチュエーションに合わせて的確に操作して相手に攻撃を叩き込む爽快感は中々のもの。

・前作では常に必要に駆られていた敵の攻撃に合わせてのメレーカウンター(いわゆるジャストガード、パリィ)は使わなくても大多数の敵を倒していくことが可能になりテンポは多少良くなった。さらにサムス自身の移動速度や機動力もかなり高めでなお且つワープゾーンが多数用意されてる事もあって、マップはとても広大なのに移動の億劫さは少なめ。

・チラッと視界に映っただけのアイテムもマップ上でしっかり記録してくれているので、プレイヤーが自主的に覚えておく必要が無いのが便利。クリア後等に行うアイテム探しでも、アイテムが隠れてるエリアはある程度絞った上でマップ上で大まかなな位置を表示してくれるので、過去作ではありがちだった『あと3つアイテム回収すれば全て揃うのに何処行ったか分からねえ?!!』という状況になってもマップを見れば大まかな場所が分かるのは実に親切。この辺のUIの良さは是非ともシリーズ通して引き継いでほしいところ。

・難易度は全体的に高めではあるものの、どう進めればいいのか不親切であるが故に難易度が高いといった事ではなく、プレイヤーが何処へ進むべきかは分かりすぎない程度にさり気なく示唆してくれてるのもポイント。

《ゲーム全体の演出について》
・ストーリー中でのムービーだけでなく、メレーカウンター成功後のアクションムービー(グラブシーケンス)やボス撃破後のムービー等もかなりカッコいい。SwitchがHD機でさらにリアルな演出が可能になった分、生命が息衝いているかのようにアクティブになった動きがとても魅力的。

・グラフィックも順当に綺麗になっていて、前作までと比べると明度や彩度は抑えめにしつて重い色合いにしつつ、リアルな造形を意識して制作している模様。グラフィック重視なゲームでは無いんですが、ふと背景やボス敵を凝視してみると、よく出来てるなァと思える部分もあったり。

・新規BGMは耳につく物がそこまで無いものの、過去作のアレンジBGMが上手く使われている箇所が多い。過去作のBGMの中でも特に耳に残るフレーズ部分だけ、ストーリーの演出中に上手く挿入されてる物が多いというか。歴代プレイヤーからすれば心がジ?ンとさせられるシーンが多かった。

・事実上の一本道のストーリーでありながらも、初見プレイ時には適度に意外性を感じられるシチュエーションが常に構築されていて、ゲーム全体のシナリオ展開は中々よく出来ていたと思う。
このゲームにはおかしな部分がある。
・行えるアクション数がとにかく多く、プレイヤーが独自に操作感を決められないのが物足りない。あと、右スティックは押し込みボタン以外では使わないんだけども、個人的には右スティックもフリーエイムとしても割当てられたら(LRボタンを弾の発射ボタンにするとかの工夫は必要になるけど)もっと便利だっただろうなと思うだけに少し残念。

・敵の行動パターンに合わせて正確な行動や瞬発力を求められるアクションシーンがとても多く、シリーズ中でも難易度は高め。チェックポイントが細かく用意されているのでトライ&エラーは何度も可能なものの、『何度か死んで敵のパターンを覚える→相手のパターンを見て自分の行動を適宜合わせる』の死にゲーの方程式を前提として作られてるので、ある意味ではかなり大味なゲームバランス。この手のアクションゲームは人を選ぶ側面があるので、慣れ親しんでいる人はともかく一般的には理不尽さを感じる部分が強いかと。

・そして最近の任天堂発売枠のゲームとしては異例なことに、救済措置が全く存在しない。難しいボス戦であってもとにかく己の腕前一つでクリアしていかないといけない。詰み要素としてはこの上なく強力で、ロード時間が地味に長い事もあって心が折れる人は折れてしまうかと。

・謎解きが親切といえば親切なんだけど、ちょっと親切過ぎて緊張感に欠けるとも言えそうな…。能力的にまだ行けない場所に無理矢理行くという(いわゆるシーケンスブレイク)も少しは可能ではあるものの、ゲーム全体のストーリーの流れを大幅に壊すレベルの物は流石に無いので、探索時にやや窮屈に感じる事も。

・行えるアクションが多くバリエーション豊かなのは楽しい一方で、最終的にはSwitchコントローラーのほぼ全てのボタンをなるべく使いこなす必要があり、ボス戦でも複数ボタンをシチュエーションごとにしっかり使い分けていくのが大変。

・やり込み要素が薄い。ボス戦が手に汗握るシーンの連続だっただけに、クリア後のオマケモードとして、ボスラッシュモードでも用意されていればこの手の高難易度アクションとしてもやり込み要素が濃くなれたのではないかと思ったり。
感想です。私は夢を見ますか。
 あの『メトロイドフュージョン』が発売されてから約20年ほど経過して、ついに発売された時系列上での正統派最新作。リメイク作品やプライムシリーズ等の派生作品はその間に幾つも作られていたものの、時系列上はフュージョンが最終作品のまま20年続いていたのにそれがついに更新されるとは(感涙)。という理由で期待も大きかったメトロイド作新。
 演出やシナリオの魅せ方、UI等はどれも及第点〜好評に位置する物が多く、この辺りの力の入れ具合や技術力はこのクオリティでまず満足出来た方かと。むしろ気になるのはゲームバランスやゲームデザインの方。

 本作はあくまでゲーム全体の重々しさをさらに増すために『DREAD』、つまり"恐怖"を取り入れてるのであって、いわゆるホラーアクションゲームのような常にプレイヤーを恐怖に陥れさせられるようなタイプの内容ではない作りになっている。しかし、ゲーム全体に強烈な恐怖感が常にあるかといえばそうでもないような…?恐怖対象であるE.M.M.Iがかなりスタイリッシュで洗練されたロボットらしいデザインなこともあって、追われている時は焦燥感こそ感じるものの、恐さを感じるかと言うと正直言って微妙なところ。中盤からは隠れるだけでなく敵から素早く逃げる手段も幾つか得られるようになり、E.M.M.IよりもむしろE.M.M.I以外のボス戦に苦労する事の方が多くなってくるため、公式が強く推しているE.M.M.Iの恐怖感は序盤が最高潮で、中盤からはむしろ薄れてきているような…。

 個人的には、恐怖に臆した度合いで言うとGBAで作られた『メトロイドフュージョン』の"SA-X"の方が(ラストになるまで絶対に勝てないという事とあって)いきなり出てきた時のビックリ度合いは半端じゃなかったし、全体的な敵の見た目の気持ち悪さや不気味さで言っても『スーパーメトロイド』辺りが最も恐ろしかったように思う。

 アクションジャンルの死にゲーではあるものの、フロム社の『ダークソウル』シリーズみたいなレベルの超ハード難易度、という程でもなく。2Dアクションで自分と相手のポジショニングも限られておりプレイヤー側の行動の幅が限られている関係上、ボス敵のパターンを読めれば正直、そこまで難易度は高くない(他の死にゲーと比べれば、の話ですけどネ!)。

 自分のプレイ時間でいうと、操作感覚や敵の行動パターンが全く分からない初見プレイの『ノーマル』よりも、2周目にプレイした『ハード』の方がクリア時間は半分以下になっていたり…(苦笑)。パターンはほぼ同じなので、一つのボス相手を攻略するまでの時間も、ノーマルの時の半分以下だったと思う。
当然ながらノーマルよりもハードの方が難易度は上なんだけども、ノーマルをクリアした後にハードモードで超高難易度死にゲー並の手強さを期待してると、あまり難易度が変わってない部分についてかなり肩透かしを喰らうような気はします。

 探索アクションの爽快さや独特の重厚なSF世界は相変わらず魅力的だったので、自分は次の新規作品となるであろう『メトロイド6(仮称)』が出ても一応は発売日買いするとは思うンですが、3Dアクションゲームとは違って2Dアクションゲームではゲームの難しさに限界がある上、そもそも2Dアクションの死にゲーはインディーゲームでも多数存在するので、次のメトロイド6ではこの死にゲー路線の内容に特化しないでほしいかな…というような気はします。

 余談なんですが、本作のE.M.M.I。ゲームオタク&映画マニアの自分としては、「これ映画『レッドプラネット』に出てくるエイミーでは?」と思っていたのですが、やはり影響を受けてる部分もあるようでして(フュージョンの『アダム』も映画『2001年宇宙の旅』のHAL9000と似ていたりと、昔からSF映画に影響を受けてる部分がある)。
 何かと本作のE.M.M.Iと似通ってる部分もあるので、本作をプレイしていて興味がある人は映画レッドプラネットを見ておいてもいいかもしれません。ただ、場違いなので映画の細かいレビューは避けますが…この映画の面白さには期待し過ぎない方が良いかと…(苦笑)。

掲載日:2022年1月4日


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