STEEL DIVER
スティールダイバー
メーカー:任天堂
開発:VITEI、任天堂 情報開発本部
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2011年5月12日
価格:4800円
ジャンル:シミュレーション(アクション)


かいたひと : アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
54
プレイ時間・・・8時間程度
※映像〜ボリュームは10点満点、総合は100点満点
いいね。GOODです。 あのぅ、それはどうかと思うが・・・。
・グラフィックは派手さは無いがしっとりと落ち着いた描写で良い雰囲気はある。良い意味でこじんまりとしてて画面の中に水槽がある感じ。

・メインの『潜水艦モード』は手軽ではあるが、どちらかと言うとやり込むことで面白さが見えてくる内容か。ストイックに遊び続けることでジワリと来るタイプ。止まりそうで止まらない。曲がれそうで曲がれない。そんなやり切れなさを楽しむ内容。ただ、他のゲームとは一線を画す味わいがあるのは確かだが、とにかく地味。

・一人称視点で敵を沈める敵を『潜望鏡モード』はこのゲームの中では比較的直感で判り易い内容。ジャイロによる恩恵が素直に伝わってくる出来。よく狙いを定めるよりバカスカ撃ちこんだ方が効率が良いように感じるが、他の2つのモードが妙に爽快感を味わいにくい内容なので、このモードの味付けのなされ方は、まあ正解なのかも。
・『3つのゲームが入ってオトク!』が売り文句だが、実際のところは『ボリューム不足のメインモードとミニゲーム2種』と言った塩梅で恐ろしく内容が薄っぺらい。勿論、こう言った軽量級のゲームがラインナップの中にあっても良いとは思うのだが、やはり適正な物量と価格のバランスってのもあるはずで・・・。これ、2800円程度が適正な価格じゃなかろうか?任天堂って調子に乗ると「こういう商品があってもいい!」とか「安売りはしない!」とか言って、この部分が傲慢になるね。まぁ、商売の方向性としては間違ってないかもしれんが、遊ぶ側からするとちょっと困った癖(苦笑)。

・メインとなる『潜水艦モード』は手に取ってすぐ面白さが湧いて来る内容ではないし、ちょっとやり込んだからと言って腕前の上達がすぐ感じられる内容ではない(少なくとも自分の場合は同じミッションを5回や6回やった程度じゃダメだった)。クリアするにせよやり直すにせよスローテンポで投げ出したくなりモチベーションの維持が難しいので、できればストーリー性を持たせるとか何らかの工夫・味付けは欲しかった(任天堂HPの『社長が訊く』コーナーでディレクターの今村氏が色々追加しようとしたものの、プロデューサーの宮本・杉山両氏に止められた、との一節があるが、今村氏は果たして仕上がりに納得できたんであろうか?読み直してみるとやや気の毒になってくる・・・)。直球で捻じ伏せるには球速が足りな過ぎる。また、長々と発生する10秒超のオートセーブが鬱陶しい。RPG等のように数十分・数時間ごとではなく、このゲームの場合1回のプレイが数分であるために、余計タチが悪い。

・戦略シミュレーション風味の『海戦モード』は残念ながら全く面白いと感じられなかった。戦略シミュレーションとしては余りにも作業的で単純だし、アクションの部分が面白いと感じられないし。そしてテンポも悪い。敵潜水艦への攻撃が3択の運任せってのもシミュレーションとしては引っ掛かるし、敵の攻撃はガンガン当たるのに何故かこちらの攻撃は全く当たらないと言う・・・。自分の操作に何か欠けている部分があるのかもしれないが、説明書でもゲーム内の解説でもそれを見つけられず、イライラ感のみが募っていく。アクション部分が完全に足かせになってる印象。

・『潜望鏡モード』は手軽ではあるが、回転イスに座ってないと遊びづらい。立って自分が回転して遊んでも一応遊べるが目が回って危ないし・・・。ま、おうちで遊ぶ専用ですな、このモードは。
感想ですけん。
 「ニンテンドックス」や「パイロットウイングス」の淡泊さから薄々覚悟はしていたのだが、それ以上にアッサリした作りで悪い意味で驚かされた。確かに繰り返し遊ぶことでジワジワと面白さが湧いてくるタイプのゲームではあるのは認めるが、それを差し引いても明らかにボリューム不足だし割高と言う印象は否めない。それに加え、どうも最近の任天堂、『地味ゲーの装飾の仕方が下手になった』とでも言うか、なんか軽量級の作品において物足りなさをある作品が多くなった気がする(それとも自分の方が感受性でも鈍ってしまったかねネ?)。「地味であること」を覚悟していたつもりの自分でさえ疑問を覚えるこの内容であるから、これを「任天堂の新規作品だからね!!」だとか「あー、他にやるモンないしな・・・。TVでガンガンCM打ってるしやってみっか」とか言った理由だけで手に取ったユーザーが果たして満足できるのだろうかは疑問。ホントに任天堂のやる気が伝わって来ない。
 『古典的なゲームに3D効果を載せただけ』の物が多いと言うここまでの段階だと、任天堂の歴史に残る大失敗『バーチャルボーイ』と同じ道を歩んでいるようにも見える(さすがにバーチャルボーイと違ってサードパーティのソフトも色々出る予定だし、本体の普及台数も既にバーチャルボーイの数字はとっくに追い越してるが)。

 これまで出た任天堂3タイトルはいずれもが淡泊な作り、かつ、事前の予想の範囲内の面白さに留まっている物ばかりなのが気になる。勿論、シンプルなゲーム性の物があったっていいとは思うのだが、まさかこれらで本体の普及を牽引できるとでも考えているのだとしたら、ちょっとお気楽過ぎる。弾切れを起こさないためにスケジュールを分散させるにしても、もうちょっと出だしでどでかい花火を少しは混ぜてくれないと新ハードに必要な華やかさが味わえない。
 据置機・携帯機共に壊滅的な任天堂機種の現状。数年前のDS・Wiiのブームにアグラをかいてたツケが今出てるんじゃなかろーか!?何か色々隠して用意してるなら話は別だが、だとしても何も出さずにユーザーを退屈させてる現状はいただけない。何とか、任天堂にはもっと危機感を持ってもらいたいところだが・・・・・・。

掲載日:2011年5月16日
更新日:2011年7月11日


機種別一覧に戻る

レビュートップページに戻る

縮緬遊戯堂トップページに戻る