もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド
メーカー:任天堂
開発:バンプール
機種:ニンテンドーDS
発売年月日:2006年9月2日
価格:4800円
ジャンル:RPG


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執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 6 6 10 8 8 8 78
プレイ時間…70時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
サイコーなのだ!!
・自分の所持金が体力でもあり、全ての攻略の要になるという常に危ない橋を渡っているような極めて独特のシステム。お金がゼロになるとゲームオーバーになり、お金を上手いこと運用して物語を進めていかねばならないのは常に緊張感があり、面白い。それでいて多額のお金をルッピータワーに貢がないとストーリーが進まないようになっており、駆け引きが全体的に面白い。

・全体的に厚塗りの油絵のようなグラフィック。全体的に奇妙かつ少々不気味な世界観に合っており、本家ゼルダのような雰囲気とは一味違うが、中々良いと思う。

・ダンジョンも難しすぎることはなく、面白い仕掛けを使って進めていくのはいつものゼルダシリーズと似た面白さがある。

・金稼ぎの手段も大量に用意されており、ダンジョンをクリアするのが一番稼げるが人によってわりと自由に金稼ぎが楽しめる。

・要所要所に組み込まれるネタ要素も笑えるものが多い。本家ゼルダネタもたまにあったり、全体的に金に汚いネタがあったりとギャグセンスは高いと思われる。

・ひたすら金だけを求めている主人公のチンクルを始めとして、本作には魅力的なキャラが多い。街の人全てに物語が用意されており、意外な関わりがある人物もいたりと全体的にキャラも濃い。

・ボス攻略も本家ゼルダのような戦い方もある中で、プロレスじみた戦い方や謎シューティング等、バリエーションに富んでいる。

・やりこみ要素も豊富で、一味違うやりこみ要素が多いので単調で飽きる事がない。
ダメダメなのだ!!
・チンクルの移動速度が遅く、しょっちゅうあちこちに移動しないと物語が進まないのでこの移動手段の悪さは気になる。ワープ手段もあまり細かく指定できないので、なおさらである。

・ストーリーが進むごとに全体的にお金がインフレしてくるのだが、どれくらい相場が上がったのか分かりづらいのは難点。

・普通の敵とのバトルがシンプルすぎて、ちょっと単調すぎる気も。

・かなりネタバレになるので細かくは避けるが、中盤あたりから(人によっては早い段階で)物語の真相が見えてきて人によってはやる気が失せてしまう可能性がある。演出としてはとても面白いだけに最後は盛り上がるのだが…。
コメントなのだ!!
 金が全ての基準になっているという極めて異色なゲーム。さらにゼルダシリーズの一キャラクターにすぎなかったチンクルにスポットを当てて主人公に仕立てあげるという謎の采配。それらが奇妙な化学反応を起こして、奇妙な魅力が満載のゲームになってくれた印象。

 ゼルダシリーズと同じものとは到底言い難いが本作独自の面白さというのはとてもある。所々の不便さや作り込みの甘さは見られるものの、普通のゲームとは一味違った魅力がとても感じられる本作は万人にウケるとは少々言いにくいが独特の面白さを受け入れられる人にはとても魅力的に映るのではないかと思われる。

 自分としては本作の基本的なシステムをそのまま発展させて次作を作ってほしかったのだが次作はゲームの方向性がちょっと変わってしまった…。残念である。

掲載日:2016年8月15日


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