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ファイアーエムブレム 聖魔の光石
メーカー:任天堂
開発:インテリジェントシステムズ、任天堂企画開発本部
機種:ゲームボーイアドバンス
発売年月日:2004年10月7日
価格:4800円
ジャンル:シミュレーションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 8 10 8 9 8 7 85
プレイ時間…300〜400時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
イエーイ最高だぜぃ!
・基本となるシステムは前作、前々作から流用が多いが、魔物の登場やユニットの分岐クラスチェンジ、幾らでも稼げるフリーマップといった、ファミコン『外伝』のエッセンスを上手く取り入れることで新鮮なプレイ感覚を実現している。「フリーマップ」で(資金のあるうちは)自由にユニットを強化できるため自分の腕前に合わせて楽しむことができるのは親切。

・用語や操作方法をいつでも確認できる「事典機能」が用意されておりシリーズ初経験者でも安心して遊べる。最初から難易度を選べるのも嬉しい。

・FE伝統、操作性の良さは健在。マップの導入やいくらでも挑戦できるフリーマップの導入など、近年のファイアーエムブレムとはやや毛色が異なるが、安心して遊べる完成度はさすが。

・キャラクターのデザイン、BGMともに渋い感じの物が多い。前作ほどのインパクトのあるキャラはやや減ったようにも思うが、ユーザーに媚びすぎてないのは好印象。また、今まで主人公と言えば良い子・優等生系のキャラが大半だったが、伝統を打ち破る「突撃バカ」のエフラムの設定は斬新だった。ちなみに優等生タイプはもう一人の主人公でエフラムの妹のエイリークが該当か。

・ボスキャラの顔グラフィックに使い回しが無くなったのは地味ながらも嬉しい進化点と言える。
ウ〜ン、イマイチぞな。
・シナリオの展開が強引かつ単純で深みが無いように感じられた。ゲーム中盤からは「エフラム編」、「エイリーク編」とストーリーが2つに分岐するのだが、どちらも中味が薄く、わざわざ分割するほどの内容でもない。薄味さを2回遊ぶ事でカバーさせようというスタッフの意図が伝わってくるような感じでややションボリ要素とも思えたり。どちらを選んでも仲間になるユニットの顔ぶれが全く同一ってのも物足りなさに一層拍車をかけている。個人的にはファミコンの外伝のように軍を分割してエフラム隊、エイリーク隊をそれぞれ進める形式で良かったと思うんだが。

・戦闘アニメのグラフィックは前作『烈火の剣』からやや退化。髪型まで個別に対応していた前作と違い、今作はただの色違いに留まって前々作の『封印の剣』並に戻ってしまった点が残念。

・一概に悪い点とも思わんが、ファイアーエムブレムシリーズとしてはややユル目の難度に留まる点は好みが分かれる所か。ある程度の難易度をキープさせるにはプレイヤー側が意図的に稼ぎを縛る必要アリ。
感想じゃ
 前二作(封印の剣、烈火の剣)同様、安心して遊べる内容は流石と言ったところか。ゲームボーイアドバンスのゲームとしては高水準な部類であることは間違いない。しかし一方で、薄味の物語やマップ数の少なさなど、妙にあっさりした部分もあり一部ツメの甘さも感じられる。
 とは言え、なんだかんだ言っても個人的にはチマチマとユニットを育てるのが好きなので、ユニット育成の自由度が高い今作はかなり好みの内容だったりもする。自由にユニットを育成できる点はシリーズ初心者の方にはとっつき易いバランスだと思う。未経験の方は今作か前作『烈火の剣』あたりがFEらしく、かつ敷居が低いんでオススメ。

 GBA版はプレミア価格で手軽に買えないのはネックな気はしますけども…。ここまでの名作が手軽に求められないのは勿体ない。バーチャルコンソールで配信とかしてくれればありがたいんだけどもな。

掲載日:2004年11月22日
更新日:2020年7月14日


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