縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドウ64 > F-ZERO X

F-ZERO X
メーカー:任天堂
開発:任天堂情報開発部
機種:ニンテンドウ64
発売年月日:1998年7月14日
価格:5800円
ジャンル:レース(3D・SF)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 9 8 10 8 9 89
プレイ時間…1000時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良かですたい!
《全体として》
・ニンテンドウ64で、秒間60フレームのグラフィックを実現しているのはスゴイ。フレーム数最優先のため見た目はパッと見だとショボさもあるが、スピード感そのものは群を抜いている。

・グランプリは全30台ものマシンが一斉にスタートする乱戦模様。ほぼ同一のルートを線に沿って走り、同一画面に多くて数台しか映らない他のレースと違い、COMマシンも1台1台が異なるルートを通ったりする自然な走り。これだけのマシンを別々に制御しているのも実に驚き。

《システム・バランス面》
・前作よりもアクション要素が強くなり、コース形状も非常に独特。宙返りくらいは当たり前、チューブ状になったコースに張り付いて走るコースやトンネルの中を360度動けるコース、ハーフパイプ状の高難度のコース等もあったりして実にユニーク。そんな多彩なコースを体当たりで敵を攻撃したり、大ジャンプをしたり、と他のレースゲームでは味わえない爽快感がある。

・後に出た新作であるゲームキューブ版『F-ZERO GX』と比べるとグランプリや各要素の難易度は適正なレベルに落ち着いている(難易度自体はかなり高い方だとは思うけどな)。

《ボリューム》
・コース数は元々そこそこあり、コース毎の個性もしっかりしている。コースが自動でランダムに生成され遊ぶ度に全く新鮮な気分で遊ぶことが可能なXカップのおかげでさらにボリューム感がアップ。遊ぶたびにコースの形状が全く異なるものになる。ごく稀にCOMマシンがマトモに走れず次々に自爆してったりする場面にも出くわしたりするが、それはそれでシュールで楽しい。

・シリーズ伝統のタイムアタックはやはり熱い。一定基準以上のタイムを残すとスタッフゴーストが出現。非常に強く、やりこみがいがある。複数のゴーストと同時に走れるのもマシンの性能と照らし合わせてみると地味に凄いと思う。

・自分以外のマシンを全て壊すタイムを競う『デスレース』といった珍妙なモードもある。F-ZEROシリーズの他作品では見られないモードであり、シンプルな内容なんだが意外と楽しい。

《演出部分》
・BGMは前作とはかなり異なるロック調だが、これはこれで良さがある。ギターの生音を収録したスタイルで迫力がある。

・完全に日本製のゲームなんだがキャラクターのイラスト等は露骨にアメコミ寄りになっており、濃い世界観の演出って意味でなかなか存在感があった。
ダメですばい。
・前作とは操作感が全く異なりかなりクセも強いため、困惑する人も多かったかも。任天堂のレースゲームとしては、かなり繊細な操作を必要とする。ボタンもフルに使う複雑さがあり、瞬時の判断が重要で気が抜ける場面もほぼナイ等、任天堂のレースゲームとしては敷居が高く、万人向けとは言い難いカモ…。

・秒間60フレームを達成した犠牲で、コースやマシンのモデリングは単色のポリゴン剥き出しで味気ない。背景もペラっとした一枚絵だけで当時としてもややショボさはあったかも。

・グランプリで同時に29台のCOMが入り乱れて走る様は圧巻なのだが、順位なんかは常に1位のマシンは1位で順位に極端に変動が少なく、露骨な譲り合い走行とかしてるのが八百長くさい。任天堂内製のレースゲームはここの部分の作りを自然に見せるのがヘタですな(外注作品だった続編の『GX』や『ファルコン伝説』ではこの部分はかなり改善していたりする)。

・半ばシリーズのアタリマエ化しとる部分もあるのだが、ハーフパイプ端でサイドアタックすると猛烈に加速する、壁をこすりながらドリフトした方が速い…などなど、速度に直結するバグくさい技が妙に多いのが難点。
感想ですけん。
 F-ZERO本編の2作目にあたる作品で、ハードがニンテンドウ64となりフルポリゴン化を実現。むーー!スピード感が凄いぞ!!体に火がつくぜぃ!!ンもう、サイコー(←謎)

 キャラがやたら濃かったり、かなり操作が難しかったり、滑らか超速スクロールを最優先でモデリング自体がショボショボレベルだったり、お世辞でも万人向けとは言いがたい面はあるが、非常に個性的で良くできたゲーム。『F-ZERO』と名乗ってはいるが2Dから3Dになった事で操作性なんかはガラリと変わり、殆ど別ゲームと言って良い程になってしまったせいでシリーズファンの間でも賛否が分かれてた印象はあるが、完成度そのものは高かったと思う。

掲載日:2004年7月9日
更新日:2022年1月4日


当サイト別コーナー、F-ZERO攻略ページもどうぞ♪ 

シリーズ別一覧:F-ZERO

縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドウ64 > F-ZERO X