Linda3
リンダキューブ
メーカー:NECホームエレクトロニクス
開発:アルファシステム
機種:PCエンジン スーパーCD-ROM2
発売年月日:1995年10月23日
価格:7400円
ジャンル:RPG
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
6 | 9 | 7 | 10 | 8 | 9 | 8 | 85 |
ゴホン。つまりだな、良いと言ってるんだ!(隊長風に |
・RPGとはなっているが、魔王を倒す事も姫様を助ける事もない。『種の保存のために動物を集める事』が主目的な珍しいRPG。ゲーム内時間で8年間というタイム制限があり、それまでにクリアできないと強制的に死亡ってのも緊張感&スリル上昇に一役買っている(まぁ、3種の内のシナリオAとBはクリア条件が緩いので気軽に遊べる練習用、という位置づけらしい)。収集型のRPGって言うと任天堂から出てる『ポケモン』シリーズを思い出すが、こちらリンダの方が一足先なんだな。他に無い斬新なゲームデザイン(かつ秀逸なバランス・難易度設定)が最大の長所。 ・シナリオ自体も良いが、ディレクターの桝田省治氏がホレ込んだだけあり、高山みなみを始めとする迫真の演技が実にイイ。相乗効果で一層盛り上がり、大容量のCD-ROMである事がしっかり活かされてると思う。ボイス入りとかが変にマニア向け方向に滑りがちなCD-ROM供給型のPCエンジンのソフトの中では、声が入ってて良かったなーと思える内容。本当の、本来のあるべき姿と言う意味で実に『PCエンジンならでは』なゲーム。 ・動物を集めるには倒せば良い…のだが、こちらが強くなり過ぎると攻撃一発で『グチャー!ベチャー!』と破裂、ぶっ殺してしまうので、集めたい敵が格下だと判断出来たらうまーく手加減してやる(弱い技を出すとか不利な地形で戦うとか敵へのダメージを減らす)必要がある。そういった意味では結構戦略性判断力も問われる内容。 ・後に出たリメイク版より、こちらの方がより表現がグロい。動物のデザインなんかはホント嫌悪感を抱くような不気味さ(←一応、褒め言葉ね)。手加減無しのグロさを楽しみたい方はこちらをどうぞ。 ・フィールドのグラフィックは相当ショボい…のだが、変な味がある。なんと申すか、素朴だからこそ、の味とでもいうべきか。素朴なグラだから怖さが増幅されている場面とかもある気がする。リアルな描写じゃない、想像力が掻き立てられるからこその副産物なんだろうけど、たぶん、描かれ方のサジ加減が絶妙なんだろうとは思う。 |
ちょっとォ、ケン!困るんだけどォ?(リンダ風に |
・シナリオ(3種のうち2種)、敵グラフィックは直接的にかなりエグい、そして非常にグロい。…ので、遊び手を選ぶ内容なのは確か。エロじゃなく『グロで18禁』なんで、まぁつまりそういう事ですな。 ・後に出たリメイク版よりもメニューや移動などの便利さにおいては数段劣る。マップ参照でもいちいち読み込みが入る。アイテムや動物のソートだとかまとめ買いだとか便利な機能はナシ!大体システム面の作りが1990年くらいのRPGと同等なんで、快適性だと同時期のメジャーなRPGよりも見劣りするな。 ・全体的にグラフィックはだいぶショボい。1995年のタイトルと考えてもかなり貧相なのは否めんかな。独特の味わいはあるけど、ファミコンよりちょっと綺麗止まりなんで、少なくとも『豪華』ではない。 ・初回出荷版はフリーズするバグ(無いデータを読もうとして止まる)がある模様。自分のは再出荷版らしいので大丈夫だったけども。 |
あー…要するにだね、感想なのだよ。(エモリ博士風に |
とにかく個性的。良くも悪くも奇抜で他に無いスタイルのRPG。やたらめったらグロいせいで18禁になってたりという、人によっては下手したらトラウマになりそうな強烈な表現も本作品ならでは。ディレクターの桝田氏曰く「シナリオ重視で王道の天外II作りで疲れたから逆のモン作ってみた」という異色作的位置づけだったみたいだけど、PCエンジンの専門誌なんかでは普通に『期待の超大作』扱いだったのはご愛嬌。 後に出たリメイク版よりもかなり尖った内容かつ不親切なんで、21世紀の今やると前時代的に感じてしまう部分も無くも無いのだが、『水で割ってない強い酒』みたいな強烈さは原典のこの作品が一番強いかも。我こそは、と思う方は是非どーぞ。 |
掲載日:2014年8月11日
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