VII

メーカー:エニックス
開発:アーマープロジェクト、バードスタジオ、アルテピアッツァ
機種:プレイステーション
発売年月日:2000年8月26日
価格:7800円
ジャンル:RPG


かいたひと : アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 87
プレイ時間…400〜500時間程度
※映像〜シナリオは10点満点、総合は100点満点
すばらしいですぞ! こりゃ〜イカンなぁ
・「転職」や「モンスターパーク」、「カジノ」などのやりこみ要素があるため非常にボリュームたっぷり。寄り道しなくても軽く100時間以上遊べてしまうスケールの大きさには脱帽。「モンスターパーク」や「クラスチェンジ」など、やりこみ要素もとても充実している。その気になればいくらでも遊べそうなボリューム。これだけのボリュームでシステム的にもシナリオ的にも破綻させずまにとめ上げているのは素直にスゴイと思える。

・通常のストーリーは現代版おとぎ話集といった感じか。色々考えさせられる短いエピソードがいくつも繋がり、根幹を成す大きなストーリーが構成されている。やたらと暗かったり残酷だったりするエピソードが多いのだが、それも味のうちか。個人的には昔やった時なんかは「ひたすら鬱で暗いシナリオやねー・・・」とか思ってたもんだが、最近やり直してみた時の方が「ああナルホド・・・」とか共感できたりする内容が多かった。んー・・・ジジイ向けなシナリオなんだろうか。謎だ(苦笑)。

・ロード時間はほとんど感じられないくらい快適。プレイステーションの作品としては間違いなくトップクラス。イベントでもマップの切り替えでも戦闘の前後でもほぼ読み込み無し!数秒のロードでも眉間にシワな筆者のようなプレイヤーにはこの上なく有り難い仕様。どのゲームもこれだけ凄ければいいのに(無理か

・画面構成はいままでのシリーズを踏襲しているので3D化されていてもほとんど違和感がなく遊べる。

・「はなす」コマンドが進化し、仲間のキャラとフィールドや戦闘中に会話できるのは面白い。ついつい「はなす」を連発する自分がいる。もっとも、戦闘の方は毎回セリフが変わらんのですぐ飽きるけど。
・序盤の見せ方はさすがだったが、中盤あたりからダラダラと展開していくストーリーはぶつ切りで一貫性がは無い。個々のエピソード毎の繋がりは無いのだが、根幹をなす部分の話は表に出る頻度も少ないだけに、ちょっとやっていないだけで再開時に話の流れを思い出すのに苦労する。

・石版システムがダルい。やっていると2つ3つ揃わない事がザラでシラミ潰しにこれまで行ったところを捜索し直すのがダル過ぎる。目立たない地面に落ちていたりするのは論外。からくり兵拠点にいる占いババが場所を教えてくれるのはせめてもの救いだが、結果的には苦痛な作業を強いられるのが辛すぎる。また、必要以上にお使いを強要されるイベントが多く、余計なストレスがたまる。

・ロードの短縮化を最優先事項とした弊害なのか、グラフィックは同世代のメジャーどころのRPGと比べるとかなり貧弱。ポリゴン化したことで扉や階段を探す面倒な作業が必要になってしまった割に、3Dであることが活かされていた場面がなく、2Dのままで良かったじゃんって印象が強い。また、低品質なムービーも余計だった。あの程度の出来なら入れないほうが良い。悪い意味でインパクトはあるし、強烈に記憶にも残ってるけどネ。

・MPを消費しない特技で使い勝手が良いものが多く、戦闘のバランスが崩れてしまっている気がする。呪文の位置付けが微妙なものになってしまっているのが残念。
感想・もろもろじゃい
 学生時代、下宿の大半の住人が同時期に遊んでいたという、思い出の作品(笑)。寄り道無しでも100時間突破のプレイ時間はまさに圧巻の超重量級ゲーム。とにかくボリュームは半端じゃない。ただ、手触り的にはムービー垂れ流しなんて事も無く、ポリゴン3D化しているとは言え、スーパーファミコン以前のドラクエをほぼ踏襲した作りなので、サクサク遊ぶことが出来るのは良し。
 小さなエピソードが一話完結みたいな感じで幾つも連なったスタイルのせいか、ボリュームがある割には途中で遊べない時期があっても困らない作りにはなっているのだが、個々のエピソードの背後で緩やかに進行する根っこの部分の話については「アレ、どうだっけ?」とか忘れてしまいがちなのが難点。あと、前作『6』同様、MPを消費しない特技で強力過ぎる物が多く、一部職業・魔法が完全に要らない子と化しているなど、バランス面では「ちょっとこれはなァ・・・。」と感じる部分も多かった。

 まあ全体から見れば細部の欠点など小さい事だと思えるくらいに壮大な内容にまとまっている事は確か。遊び直してみると、当時多くのRPGが追及したグラフィックの進化だとかムービーの多用による演出面の強化だとかそう言った流行りに流されずに独自の進化を求めた内容に仕上がっていたんだなあと、今になってみればそう思える作りなのが、なかなか感慨深い。

掲載日:2004年7月9日
更新日:2013年1月21日


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