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ファイナルファンタジータクティクス
メーカー:スクウェア
機種:プレイステーション
発売年月日:1997年6月20日
価格:6800円
ジャンル:シミュレーションRPG
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| 映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
| 9 | 9 | 6 | 7 | 6 | 9 | 9 | 81 |
| フハハ!最高だと思わんかねッ!? |
| <システム&ゲームバランス部分> ・クエスト社の名作シミュレーションRPG『タクティクスオウガ』のシステムをベースにして、スクウェアの人気RPG『ファイナルファンタジー』の用語(アイテム・魔法・ジョブ・敵など)や世界観を載っけたような作りで、ややとっつきにくいジャンルながら敷居の高さをある程度取っ払う事に成功していると言える。FF過去作を遊んでいれば魔法・アイテムの効果は分かりやすいため、ある程度親しみやすさも増したと思う ・『タクティクス・オウガ』同様、セレクトボタンを押して分からない用語・数値を参照できるヘルプはありがたい。かつ、キャラクター名を指定した時のセリフなどのテキスト部分も妙に作り込まれており、実用面だけでないそう言った遊び心もちょっと嬉しい。 <シナリオ・世界観> ・システムの元となったタクティクス・オウガ同様、人物や世界の設定が細かく作りこまれており、ゲームに深みを与えている(↓で上げたように鬱陶しく思える部分もあるにはあるん、良いと同時に悪い点であるかもしれぬが)。 <グラフィック&サウンド> ・キャラクターは2Dのドット絵、フィールドは3Dポリゴンで描かれている。PS1の世代のゲーム機だとポリゴン表示能力はまだ控えめで角張った描画になりやすかったが、キャラクターは過去の『オウガバトル』同様の丁寧で滑らかな動きのドット絵で、ポリゴンの使用は地形だけに絞る事でショボさを感じにくい作りになっていた印象。地形は全面的にポリゴンで描写されているが、タクティクスオウガの時点で元から角張った地形のフィールドなんでデメリットを感じさせず、かつ、視点の移動とか3D化された恩恵も大きい。 ・サウンド方面もオウガバトルシリーズのスタッフが手掛けており、場面に合った重厚なBGMで雰囲気を盛り上げてくれる。 <ボリューム> ・やりこみ始めると軽く100時間以上遊べてしまう物量の多さは、このシミュレーションRPGとして重量級と言える。クラスやアイテムが豊富で攻略の自由度も高め。やり込みに応えてくれるだけのバランスに仕上がってるのもナイス。 |
| なんて事だッ!そんな有り様では…! |
| <ゲームバランス部分> ・自由に稼ぎとかできる作りでは無く、地の難易度も高め(システムの隙間を突く稼ぎ方をすれば途端にラクになるのはタクティクスオウガと同様ではあるが)。またメインシナリオの要所要所に法外に強いボスキャラが配置されているため、セーブする場所を誤ると倒せず戻れずで詰む(→最初からやり直す以外無くなる)とかもザラだったり。 ・ジョブの強弱はかなり格差があり、それまでに地道に育てたキャラが霞む圧倒的な強キャラがいたかと思えば、能力も技も弱くてどう頑張っても使い道が見出だせないゴミ同然のキャラもいたり、かなりアバウトなバランスではある。 <快適性・操作性部分> ・地形の高低差に拠る技・魔法の効果の及ぶ範囲を確かめにくいのが難点。当たる表示でも地形に遮られる事も多かったりして、ちょっとストレスはある。 ・登録できるメンバーの人数が少なく、すぐに満杯になってしまう。固定キャラだけでもほぼ埋まってしまうくらいなんで、倍くらい枠があっても良かったかと。メモカ容量とか絡んでたのであろうけども…。 ・キャラがよく動くのはよろしいのだが、全体的にモッサリ気味でテンポは悪く、特に魔法等のエフェクトがやたらと長い。該当する魔法を使うユニットがいれば一度のバトルで何回も表示されてアタリマエなんで、表示に時間がかかってテンポが良くないのはストレスが溜まる部分ではある(特にレベル上げの単純な経験値稼ぎなんかしてる時は)。戦闘の演出は「アリ(Full) or 短縮 or 無し」とか好みで設定できたら良かったけどな。 ・ロードは長い&多い。ジャンルの関係上リセットとか掛ける機会も多いのだが、その都度長い待ち時間が発生するのはイライラする要素ではある。 <シナリオ部分> ・良く言えば「重厚」「奥が深い」と言えるシナリオだが、やたらと重くて難解で1周遊んだくらいではまるで理解し切れないのはディレクター松野泰己氏の他の作品(オウガバトルシリーズ、FF12等)と同様。 |
| ふむ、それでは感想を述べよう。 |
| 重厚なシナリオ・世界観と豊富なやりこみ要素が好評を博したファイナルファンタジーシリーズとしては初のシミュレーションRPG。クエスト社から出ていた『タクティクスオウガ』のシステムに『ファイナルファンタジー』の世界観を載っけたような作りとなっている。核となるスタッフは松野泰己氏らクエスト出身の開発者が多く、実質的に「タクティクスオウガの新作」って感覚で遊べる内容だった印象。 難易度はかなり難しめで、ファイナルファンタジーってメジャータイトルの派生作としては少々とっつきは悪く、FFを楽しめたプレイヤーがそのまま誰でも楽しめるようなゲームとは思えん部分はある。一方、タクティクス・オウガとファイナルファンタジーの雰囲気を上手く混ぜ込んだようなある種のコラボ的な面白さもあり、FFの世界観で松野泰己氏のシナリオを楽しめるって点でオンリーワンと言える存在感もあり。 敷居が低いゲームとは言えん気はするけど、システムやシナリオに対する理解度が上がれば、それに応じて更に楽しめるって意味で懐が深い。まぁ所謂スルメ系ゲームですかね。 |
掲載日:2007年8月17日
更新日:2025年8月5日
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