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LSD
メーカー:アスミック・エースエンタテイメント
開発:アウトサイトディレクターズカンパニー
機種:プレイステーション
発売年月日:1998年10月22日
価格:4800円
ジャンル:アドベンチャー
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | 総合評価 |
8 | 6 | 6 | 10 | 7 | 6 | 73 |
長所長所長所長所長所長所長所長所 |
・夢の中の世界という設定でカオス極まりない3D空間を探索するだけの、奇妙奇天烈かつ意味不明なゲーム。ゲーム側から指定される目的は全く存在せず、プレイヤーが行う事は本当に移動だけ。目的が無いだけにプレイヤー自身が目的を自由に作る事ができ、とにかく普通のゲームでは有り得ないような体感が出来るゲームと言えそう。 ・壁や地面にランダム表示されるテクスチャや登場するキャラクター達は、いい感じにホラーかつ意味不明な存在で趣がある。フィールド上をたまに汽車が走ってたり、人形が鞠で遊んでいたり、ライオンが歩き回っていたりなどなど。極めて意味不明なんだけども、その意味不明かつ脈略のない展開に妙な魅力を感じなくもなかった。 ・ゲーム中に用意されているムービーはサイケデリックながらセンスのある物が多く、ある意味哲学的なムービーや社会風刺を感じさせるムービーも用意されていたりしてこれまた魅力的。これを目当てにタイトル画面で放置してムービーを再生させたり、意味もなくゲーム内で日数を進めたくなる。 |
短所短所短所短所短所短所短所短所 |
・目的を持って行動しないと飽きが来るのがとにかく早い。自己流にハッキリとした目的を立てたりしない限りは、飽きる以前に何が面白いのかすら分からず終わると思うし、クセが強い事この上ないゲーム内容なので、大半の人は何が面白いのか分からずすぐ飽きると思う。 ・壁や特定のオブジェクトに触れ続けると違うフィールドへワープさせられるのだが、この判定がかなり緩くワープしたくない状況でも少し触れただけで容赦なくワープさせられてしまう。触れながら○ボタンを押すとワープするとか、この辺はゲーム的にももう少し工夫してくれたら良かったと思う。 ・長時間プレイしてくると分かるが、用意されてるフィールドは約10ステージほどしかなく、それらのフィールドのテクスチャが毎回ランダムで変わったり、ちょっとしたオブジェクトが追加される程度でゲーム内容の変化は乏しい。特に変化がなく一日が終わる事も非常に多いので、同じ映像を見続ける根性が必要なゲームだと思う。 ・原色バリバリのグラフィックで画質も荒い3D空間を移動するゲームなので、ゲーム酔いする人はとにかく酔うと思う。ランダムで登場するオブジェクトも見た目が気持ち悪い物が多く、色んな意味で『気持ち悪さ』に難儀する人も多いかと。 |
感想感想感想感想感想感想感想感想 |
ゲームと呼んでいいのかすら定かではない、とにかく意味不明かつ攻略方法もクリア目的も何も存在しないサイケデリックな怪作。強いて言うならランダム要素がかなり強い探索ゲームと言えなくもないが、本作で他のゲームにあるようなゲームらしさを求めるとなかなか楽しめないと思う。 LSDというタイトルも危険極まりなく、ゲーム中では幻覚剤として有名な薬物のLSDとは関係ないらしいが、ゲーム内で用意されている映像は薬物を使った後にトリップしている光景そのものだったり、ある種のトリップ体験がそのままムービーとして映し出されているので、ゲームというよりかは『トリップ体感ソフト』という一面もあるような。 繰り返しになるけど、『大半の人はつまらなく感じるゲーム』なのは間違いないと思う。ゲーム好きの人々の中でもハッキリと楽しめると言える人は全体から見ても少数派だと思うし、そもそもゲームとして捉えていいのかですら分からない。夢の世界を探索するのが目的のゲームとしては『ゆめにっき』等が有名だが、あちら以上にLSDは意味不明かつゲーム的な要素が薄いので、さらに人を選ぶ内容になっている。中古でも値段が異常に高騰してるので、今からプレイしたい場合はPSゲームアーカイブスで買うべき。 余談だけども、自分はこのゲームを長時間プレイした後に普通に家の中を歩こうとすると、現実なのになんだかゲームの世界をプレイしているかのような、フワフワするような感覚に毎回襲われる。一般的な3D空間を移動するゲームではこういう現象は発生する事がないのに、このゲームだけはプレイ後に奇妙な感覚に襲われるという事は、やはりこのゲームならではの謎の理由があるんじゃないかと個人的には思う…(笑)。 |
掲載日:2020年10月27日
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