大神
メーカー:カプコン
開発:クローバースタジオ
機種:プレイステーション2
発売年月日:2006年4月20日
価格:6800円
ジャンル:アクション(3D・アドベンチャー)


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PS2ベスト版  Wiiベスト版  PS3版

サントラ

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 10 7 10 8 10 9 95
プレイ時間…50〜60時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良い点でござる!
・「筆調べ」システムが斬新。戦闘にも謎解きにも使え、用途は様々。種類も豊富に用意されており、見た目も凝っている。主人公のアマテラス(狼)の仕草も純粋にかわいくて愛着が持てる。

・日本画を意識した水墨画調のグラフィックがいい味出している。演出も和の雰囲気満点で実に華やかで幻想的な雰囲気を醸し出している。見せ方がうまい。デザイナーに絵心があるねぇ、これは。

・純和風BGMがゲームの雰囲気に合っている。三味線や笛、和太鼓の演奏に力強さ&スピード感があって良い。

・物語はよく知られた昔話をアレンジして随所に織り込んだオリジナルストーリー。おとぎ話風でホンワカした味がある。各登場人物の設定・セリフ回しもいい。「細かい伏線とか回収され切れてない」とかの意見もあるようだが、細かい点を覚えてない自分的にはそれほど気にならなかった。

・謎解き・戦闘ともにムズいモンばっか作ってるカプコン製にしてはやや難易度が低めだが、難しいのが苦手な自分にはちょうどいいくらいだと感じた。総じて、3Dアクションが苦手な方でも十分楽しめるハズ。雰囲気を楽しむ、といった点に重きを置いた調整のされ方と言える。個人的にはここまで低めの難易度でしっかり遊んだ気にさせてくれるバランス調整は拍手を送りたいところ。「ヌルくて面白い」ってのが凄いと思うのだ

・本道のボリュームもさることながら、サブイベントもなかなかの充実ぶり。寄り道を満喫できるだけの物量があるのは良し。

・各種アクションを村人に試した時のリアクションなんかもいちいち作り込まれていたりして芸が細かい。

・謎解きの解明に使うアタマと戦闘での瞬間の判断力・正確なキー入力。これらはプレイヤーの持つゲームの総合力を試される内容とも言え、やりごたえは十分。ただ、「ゼルダの伝説」のそれと比べればヒントなどが多い&難易度がかなり低い分、まろやかなバランス。手応えや達成感の面では見劣りするとは思う。一方、アクションパートと謎解きが一体化していてスピーディーにダイナミックに動ける分、こちらの方が操作していて快感は大きいように思う。割と煩雑でプレイヤーのスキルが問われるゼルダよりは操作面でもすっきりしていて敷居は低い。

・後からWiiで出た移植版は筆調べの横一線を真っすぐ引けない(引いてるつもりでも直線と判定されない…)せいで、なかなかゲームが進まない等の基本的な操作部分でストレスを抱えていたのに対し、オリジナル版であるこちらはそのようなストレスは感じなかった。操作性はオリジナル版のこちらが上かな。
イカンでござる!
・フィールドの切り替えや建物の出入り(特に中から外に出る時)のロードは回数・長さともちょっと気になるレベル。ミニゲームを挟むなどして軽減しようとは工夫されてるけど、「チョー快適、文句なし!」と言うくらいでもない。

・全体的に難易度が低めなので、サクサク進み過ぎて物足りなく感じる人もいるかも。せっかくの謎解きも同行してるイッスンが殆ど答え喋っちゃうしね。

・所々で勝手に地形にめり込むとか動くとか、カメラワークが悪い部分がある。また、カメラの操作もスティックの押し込みを使うなどクセが強いので、少々慣れがいる。戦闘中は寄ったカメラだと周囲が把握できずに窮屈に感じることが多い。

・操作周りの完成度は高いと思うが、一部筆調べの入力判定(描いた場所じゃなく何故か大きさで判定するバクダンとかね)に癖があり、若干ストレスを覚える部分もある。
感想じゃい。
 カプコン版ゼルダと言った印象の大作。和風なグラフィックとサウンド、謎解きとアクションが融合した完成度の高いシステム。難易度は一部ミニゲームを除いてゲーム全編通じて低めなままだが、簡単でもしっかり楽しめるバランスを実現してるゲームってのは意外と少ないので、そういった意味でも貴重な存在だと思う。


 アルツ個人としては最初に遊んだのはWii版。ただ、やっぱり元の作品もやってみたくて中古屋を巡って探しだし遊んでみた次第。結構高かったけど…!

 先にやったWii版と比較すると、Wii版はリモコン多用の操作にアレンジされての移植でところどころボタン配置や判定部分でのストレスがあったが、そう言った快適性を考慮すると、やはり元のPS2版の方が総合的な出来は一回り上と感じる。Wii版では画面がにじんだ感じだったが、PS2版では特にそのように感じず、グラフィックもこちらの方がクッキリしていて見やすい。

 入手難度・中古価格の面ではWii版の方が圧倒的にラク・安いんだけど、未体験の方でPS2版を見かけたら、是非こちらを。Wii版も内容はおんなじだけど、ボタン配置が変だったり操作に癖があったりで、ややストレスが多く、完成度は若干下回る。
 完全移植って意味なら割と最近出たPS3のHD移植版でもいいけども、筆者的にはそちらは遊んでませんので、何とも言いかねます(ベタ移植っぽいのでたぶん大丈夫だと思いますけども)。

掲載日:2014年6月30日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 9 7 10 7 8 7 80
プレイ時間…50時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
最高だよォ!!
・純和風でとにかく美しいグラフィックや演出。昔の日本画のような絵を元に作られており、動きから何から何まで演出が美しい。アマテラスが走ると草花が地に咲き、空中でジャンプすると紅葉が舞い散る。とても風流で、映像関連の出来は素晴らしい。

・一般的なアクションとはひと味違うアクションが用意されており、特に筆しらべで実際の画面に描いてゲームを進めていく姿は美しい。このゲームならではのアクション関係の仕様も多く、オリジナリティーは高い。

・ミニゲームやサブイベントが充実しており、新鮮さとボリュームには欠けない。それらにおいても筆しらべやアマテラスのアクションを華麗に使う必要があり、惹き付けられる。

・アマテラスの移動速度が中々速く、ジャンプの性能も高くてキャラをとても動かしやすい。キャラの操作性が高いのは個人的に高評価である(操作性悪くて難易度が高いゲーム等というのが嫌な人間ですので)。

・ゲーム本編ではないのだが、パッケージや説明書も風流でよろしい。こういう細かい所の作り込みとか好きです。
駄目じゃねえかよォ!!
・カメラワークが悪く、しょっちゅうカメラ角度を変えないといけない。さらに広範囲を常に見えるようにしたくてもカメラがよくズーム状態になってしまうので不便である。

・とにかくヌルい。ゲーム初心者さんに受け入れやすいのは良いのだが、ここまでヌルいとゼルダシリーズのようなやり応えのある謎解きを求めるようなゲーム上級者には逆に受け入れにくくなるかもしれない…。

・序盤から立ちはだかる宿敵を倒してからもストーリーはまだまだ続いてしまい、妙にダレてしまった。もっと最終目標がハッキリしているとプレイ意欲が出そうなのではないかと思うのだが…。

・ラスト前になるとどのエリアでも空が暗くなってしまう。美しい風景が大きな魅力のゲームなだけに、一通りストーリーを進めてからサブイベントをこなそうとすると暗い空が常に見えてしまうのは非常に残念。
感想だよォ!!
 美しいです。ありとあらゆる日本古来を感じさせてくれる演出が。この演出の凄さはこれまでのゲームには中々無かったんじゃないかと思う。

 キャラが動かしやすい点やゲーム内容がヌルい点は、女性や子供にも受け入れやすい日本的なグラフィックも相まって楽しんでもらいやすいと思われる。というか本作はゲームをあまりやらないライトユーザーの人に、よくウケていたんだそうで。そういうのを良く思える人には最高のゲームになるのかなと思う。

 ヘビーゲーマーの自分としても、他のゲームよりも劣っている点が目についたりもしたものの大神から溢れる和の雰囲気には圧倒された。ヌルイヌルイ言ってるけどまあ、あまり難しいゲームだとそれこそ雰囲気にも合わないと思うしね。雰囲気が結構大切なゲームだと思いますし。

 ちょいとこのゲームに出るウシワカの真似をして一言。これからこのゲームをやるやり込み前提のゲーマーさん。ストーリー一通りクリアしてからサブイベントやるつもりなら一つ予言をプレゼントしよう!『ゲーム中では出来るだけ複数のファイルに順番にセーブしておけ!』ラスト前に世界が暗くなるとやり込みする時に世界の美しさが半減しますYO!

掲載日:2016年9月19日


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