縮緬遊戯堂　レビューランド　ゲームレビュー　《式神の城七夜月幻想曲》

式神の城七夜月幻想曲
メーカー：キッズステーション
開発：アルファシステム
機種：プレイステーション2
発売年月日：2005年8月18日
価格：7140円
ジャンル：アドベンチャー（テキストタイプ＋シューティング）

かいたひと　：　アルツ社長

映像	音楽	快適性＆操作感	独自性	難易度・バランス	ボリューム	シナリオ	総合評価
５	６	６	４	６	５	４	５０

プレイ時間・・・10時間程度
※映像～シナリオは10点満点、総合は100点満点

ウフフ、アナタもやるじゃない。
（ふみこたん風に

え、それじゃあ・・・だ、ダメですよ！！
（小夜ちゃん風に

・キャラ間のやり取りはまぁ、それなりに雰囲気が出ていて微笑ましくも思えたり。シリーズや各キャラの雰囲気を崩さずにうまくアドベンチャーゲームに落とし込んでいると思われる。（・・・あとは膨大な専門用語・背景のフォローがしっかりしてくれればねぇ・・・）。

・ボリューム自体はそれほどでもないが、複数回楽しめる作りになっているのは◎。

・テキストアドベンチャーとしてのシステム面では特に不自由を感じない堅実な作りとも言える。

・一応、ちょびっとは解説らしき要素もあるのだが、「式神の城をちょっとかじった程度」のプレイヤーは置いてけぼり間違いなしの暴走とも言える登場人物・専門用語の羅列。今まではシューティングだったからまだよかったけど、アドベンチャーとしてはこのゲーム、破綻してると言っていい。一応、意識はあったのか、「専門用語集」なるものがデフォルトで付いてるが、用語集の中身も独自用語だらけで正直あんまり役に立ってない。本作はシューティングの「式神の城」シリーズではあるが、独立した一本のアドベンチャーゲームでもある。しかし、いつもの如く、「複数のゲーム、果てには系列の小説・設定資料集からの専門用語の羅列」、「正体不明の人物の数々及びその繋がり」、説明らしい説明が無～～～い！！（ちょっとは無くも無いけど、あれじゃー全然カバーできてないわね）。専門用語を作るのが悪いなんて言うつもりは無い。ただ当方が要求してることは、その数々の複雑な（開発者の頭の中のみにあると思われる）脳内設定を懇切丁寧にユーザーに開示する努力を示してもらうことである。それが出来ていない以上、アドベンチャーゲームとしては「失格」と言わざるを得ない。自分はシリーズ及び関連作をそれなりに遊んでいる方だし、設定集もいくつか持っているが分からない部分だらけでちょっと太刀打ちできない。ユーザーは開発者の頭の中をを除くことなんて絶対できないワケだから説明だけはちゃんとしてもらわんとイカンと思う（まあ、作品がメーカーやハードの垣根を越えて権利関係で複雑になってることも大いに関係してるであろうことを差し引いても、ね）。

・別にムリにシューティング面は入れなくてもいい気がした。内容的にも完成度的にも本流作には及ばないので必要性を感じないのだ。

・プレイステーション2にしてはちょっと画像が貧弱かなあ、とは感じた。

・完全にファン向けで本編で無いのに7000円オーバー。ちょっと価格的にも高いよ～な・・・。

お嬢様、感想ですぞ（執事：ミュンヒハウゼン氏風に）

　製作者の脳内妄想がゲーム化！！・・・みたいな感じの作品。もとよりこのシリーズ（式神の城・ガンパレードマーチ等）は色々な独自用語があり、それが尋常でなく複雑に絡み合っていて、かつ、どの作品に於いても極端に説明不足の感があった。それでも今まではジャンルがシューティングとかだったからまだ我慢できた（まぁ、適度な謎が魅力でもあったワケだが）。でも、そのまんまのスタンスでアドベンチャーにしちゃあイカンでしょう。この世界観でアドベンチャーをやりたいなら、幅広いファンに向けて、シリーズの各人物・世界・用語と言ったシナリオを構成する各要素をしっかり事前に説明する、or、ゲーム内で「これでもか！！」と言わんばかりに事細かに説明してくれる。それくらいしてもらえんと、正直なところ遊んでて次々に色んな所が断片化していき、仕舞にはサッパリ分かんなくなること間違いなし。最低でも「ガンパレード・マーチ」や「式神の城」の「１」と「２」をやってないとお話にならん・・・と思う。・・・・・・と言うか、自分は一通りそれらのゲームは遊んでるが、小説等関連書籍の方はサッパリなので、そちら方面のエピソードを振られても何がなんだかサッパリ分からない。
　ここで一言。妄想は妄想のままで留めておいた方が幸せだったんじゃないかなあ・・・。妄想の具現化には第六世界が無くなる程の膨大なエネルギーが必要なんだ！（それっぽい言い方で）

掲載日：2010年11月21日

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