ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル
メーカー:バンダイナムコゲームズ
開発:サイバーコネクトツー
機種:プレイステーション3
発売年月日:2013年8月29日
価格:7980円
ジャンル:アクション(2D格闘)


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 9 5 7 5 7 4 67
プレイ時間…100時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
教えて下さい、このゲームの良いところを!!(ジョナサンっぽく)
・キャラグラフィックがジョジョの雰囲気にとても合っている。カラーのジョジョの一枚絵でありがちな厚塗りな漢字のグラフィックだが、それらが綺麗に動く様は見ているだけでもとても面白い。

・動き、技、音声、ステージ、演出等のありとあらゆる多数のものが原作からとられており、原作ファンである自分からしてもかなり納得する出来である。

・キャラ数が多すぎてこれまで声が当てられる事が少なかったジョジョだが、どのキャラの声も原作のイメージを壊しておらず、かなりマッチしていると思われる。一部のキャラの声は後にテレビ放送されたジョジョのアニメでも同じ声優さんが担当しているほどである。

・完全オリジナルの音楽もキャラごとに作られており、ステージではなくキャラに合わせて音楽が代わる。さらに一部のキャラはスタンドの名前の元ネタのバンドの音楽性と似せた曲調になっていたりと、本当にジョジョ愛が伝わってくる。

・チェーンビートという格ゲーが苦手な方に配慮した、ボタンを連打するだけでコンボが繋がる仕様や全体的に敵キャラが弱めな点から格ゲー苦手な人でもわりと楽しみやすいと思われる。

・使えるキャラの半分以上はスタンド使いであり、そのスタンドをON/OFFにする事によりキャラ性能が変化するのでバトル中での使い分けが楽しい。コマンド技から通常技から何から何まで変わるので、バトル中でも戦い方を自由に変えられるという面白さは普通の格ゲーとは一味違う面白さではないかと。

・初期の頃に散々問題視されていた大量の問題もアップデートにより大体は改善されている。そもそも問題が有りながら出すのは宜しくないが、ちゃんと問題点を解決させたのは良い。
こいつはくせえ!クソゲーの臭いがプンプンするぜー!!
(スピードワゴンっぽく)
・とにかく課金が酷い。DLコンテンツのキャラを買うのに一人につき600円とはどういうことだ!!?DLCアリの他のゲームの水準から見ても明らかに高い。しかもバンナムお得意のアンロック方式で、DLCキャラは既にデータとして入っているというのが何とも…。

・さらにキャンペーンモードではソシャゲ等でありがちなスタミナ制が導入されており、課金しないとスタミナが貯まらず敵との遭遇ができない。一般的なPS3と同じくらいの値段のゲームなのに、あまりにもこれは酷すぎる。【追記】→アップデートによりスタミナの増加量が大幅アップし、課金ナシでもある程度快適に出来るようになった。

・基本的にジャンプがやけに素早く割り込みとして優秀な事が多く、格ゲーにおいて多数用意すべきである対空技が少な目なので攻めるときはジャンプ攻撃が基本になりがち。

・強いキャラと弱いキャラの格差が大きすぎたり、永久パターンがキャラによっては存在していたりと一つの格ゲーとして見ても出来はよろしくない。【追記】→アップデートにより永久パターン技はほぼ無くなった。キャラバランスも多少マシにはなったがキャラ格差はそこそこ残っている。

・一通り参戦すべきキャラは出ているが、やけに四部までのキャラが出演しておりジョジョオタク以外は手をつけにくいであろう五部以降のキャラは出演が少なめ。四部までで登場回数が少なかったヴァニラ・アイスや重ちーが参戦しているわりに、五部以降で重要なキャラとして出ていたウェザーやディエゴが参戦していないというのは謎すぎる。

・読み込みが大変遅く、ネット対戦では始まるまでには約20秒くらいの読み込み時間が入る。ラグもやけに多めで、ネット対戦もやりにくい。

・対戦開始時点でやけにお互いのキャラの距離が離れている。対戦が始まるまでにある程度移動できるのはまだ救いではあるけど…。

・ストーリーモードが原作のストーリーを簡略しすぎて意味不明。ただでさえ100巻以上ある濃い漫画なのだから、そんな詰めすぎずにそもそも実装させなきゃよかったのではとさえ思う。
[このゲームのコメント]をちょっぴり話してやろう
(ツェペリ男爵っぽく)
 このゲームの採点はなんとも難しい。なにしろ、良いところも悪いところも多すぎるのだ!!

 演出やグラフィック等の映像面や音楽、声優さん方による音声等は本当に素晴らしい。それらを含めたジョジョ愛は一般的なキャラゲーとは比べ物にならないレベルに凄かった。それだけで見るなら80点以上は評価できそうなくらいである。
 しかしながら初期の頃の度重なる重課金やバランス面、所々のひどいシステム等が絶望的にひどい。どうしてこうなった…と思うほど酷い出来映えになっている。これらのせいで良いところがかなり打ち消される。この山積みの悪い部分はかなりの減点である。

 なんというか、映像や音楽や原作愛といった素材を作ったチームは最高に良かったのに、それらをゲームシステムやバランス面の調整チームが台無しにしてしまったという風に感じる。かなりのジョジョ愛に溢れていた元々の映像、音楽等の良質の素材があまりにも可哀想すぎる。

 極めつけに採点が不安定な事で有名なファミ通さん方は恐ろしい事に滅多に出ない最高得点である『40点』をつけたそうな…。しかもコレは問題山積みだった初期の本作の話であり、かなりのジョジョオタクである自分が贔屓目に見ても「そりゃねーよ」としか言いようがない。
 世間ではとても賛否を受けたゲームではあるが個人的に言わせてもらうならば『映像と音楽面に関しては素晴らしい。』と断言できる。さらにアップデートが進んで問題だったところを改善しまくった現在の出来は良くなっているので、現在の本作を最初の頃と同じような評価を下すのは違う。アップデートが進んだ現在は『面白いゲーム』になっている、と自分は思っている。上の評価点はあくまで初期の頃の評価と現在の評価を合わせた評価なので、現在はゲームとしても出来は良い方。
 初期の頃のあまりの酷さで発売当初からかなり早いスピードでワゴン入りしたが(おっとオヤジギャグが発動!!)、今ならPS3のゲームの中でも安値で手に入るゲームの中に紛れ込んでいたりするので、ジョジョオタクにはお薦め。

掲載日:2016年7月4日
更新日:2017年6月27日


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