真・かまいたちの夜
11人目の訪問者

メーカー:チュンソフト
機種:プレイステーションVITA
発売年月日:2011年12月17日
価格:6090円
ジャンル:アドベンチャー(サウンドノベル)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 6 4 4 5 4 5 49
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
いいねぃ!たまらんぜぃ!
・どうしても初代を意識してしまう本編に比べれば、お遊び要素の強いサブシナリオの方が初代に引きずられてない分、素直に楽しめる内容だったとは思う。

・単語と単語を組み合わせての新たな選択肢を生み出す新しい推理システムは面白い試みだとは感じる。

・手軽に遊べるのでちょっとした時間潰しにはいい。
べらんめい!いけねえぜぃ!
・あんまり怖くないよ、これ!恐らく、純粋にシナリオに力が足りない。文字の力でもっと怖くしてくれ、って感じだな。原点回帰と銘打って初代のように雪のペンションを舞台にしているが…これ完全に逆効果だったのでは?半端に初代を意識させられてしまう分、嫌でも同じ土俵で勝負せざるを得なくなってしまう。製作者側が勝手にハードルを高くしておいてこの出来では…。シナリオが陳腐で退屈(そもそもの犯人の動機だとか、最初以外の殺人を犯す必要性の無さだとか、解決に至るまでの推理だとかそれぞれにおいて物足りない)。初代が何故面白かったのかチュンソフトさん自身が分かってないのかねぇ、と悲しくなってしまう出来。シナリオの良さでガツンと勝負して、それを脇で支える音楽などの演出。その根幹自体が腐ってしまってる上に余分な贅肉ばかりが付いていて余計タチが悪い。どうしてこうなった?

・たまに動画で表示されるところがあるが、ロード時間が発生するため、テンポが悪くなる。使われてるシーンも別に必要性を覚えない所ばかり。サウンドノベルでサクサク進めないのは非常にストレスが溜まる。『428』のようにスピーディな逃避行シーンとかならまだしも、最初の殺人が起きる前のペンションの中をゆーっくり歩くとか、別に動画じゃなくて一枚絵でいい。あと、文字送りのスピードそのものがスローテンポなので、サクサクと読めないところも気になる。どうしてこうも基本と思われる箇所を外してしまうかなぁ?

・グラフィックはそんなに綺麗ってほどじゃないけども、雪が降ってくるとフレームレートが目に見えて落ちたりする。そんなに重い処理なの?

・キャラボイスは要らない。わざわざ今になって入れるくらいだから開発側も何か意図があってのことかと期待したが、別に臨場感だとか怖さだとかを盛り上げるには至らず、ただテンポが悪くなってるだけ。声の質自体もどの人物もなんだかアニメ調とでも言うか、ちょっと軽過ぎてゲームの雰囲気に全然合ってない気が。こりゃ改悪としか言えない。

・無理矢理タッチパネルだとかジャイロ機能だとか使わされるのが鬱陶しい。本体持ってグルグルって…回転イスにでも座ってなきゃ遊べねーじゃないか!!初代ニンテンドーDSの思いっきし初期のゲームでもあるまいし、こんな無理矢理新しいハードの機能結び付けんでもよろしい。OFFにも出来るけど、そもそも入れる必要性の無い物なんて入れなくていい。無駄な機能入れても開発費がかかるだけだからな!その分定価を安くしろ。

・定価で6000円もするのに、あれやこれやと追加で金を払えとゲーム内で仰るのは如何かと…。メインの物量がそれほどでもない内容なのに、更にユーザーから金を巻き上げるおつもりか!?定価2000で気に入ったなら後から追加してね…ならともかく、6000円出したのに100%の物が遊べないって何の嫌がらせじゃ?
THE 感想。
 ゲームボーイアドバンスとかで出たリメイク版は遊んだけども、路線が変わってあんまり評判も良くなかったプレイステーション2で出た2とか3は遊んでないから、新作としては『かまいたち』シリーズは実に久しぶりに遊んだわけだけれども……これは…また…、“どうしてこうなった感”満載の出来栄え。まだ遊んでないシナリオもあるけども、メインのシナリオの時点では結構ガッカリ。そしてまさかのフルプライスのパッケージソフトそのものがソフトを入れる箱というバンナムばりのDLコンテンツ攻勢。
 初代の『1』をイメージした吹雪のペンションが舞台だが、下手に初代を踏襲してる分、嫌でも初代と比較せざるを得ず。あれも、これもと、悪いところばかりが次々と浮き彫りに。内容が良ければこう言った原点回帰路線ってのもアリだったかもしれんケド、今作のような内容であれば100%逆効果だったと言わざるを得ない。

 別に遊べない内容でもないから「クソゲーだァ!!」とか申し上げるつもりは無いが、初代『かまいたち』の名を背負うに相応しい内容で無い事は確か。同じチュン製のシリーズだと『風来のシレン』なんかもシレンDSから3にかけてはかなり迷走してユーザーからの信頼も失った時期があったが、この『かまいたち』は果たして『シレン』のように立ち直れるのかどうか(ちなみに、その『シレン』シリーズにしても、クオリティ自体は復調傾向とは言え、一度失った信頼は戻らず、2→DS→3→4→5と売上は右肩下がりのままだが)。

 うーむ、色々と心配になる内容だったな。期待が大き過ぎたのかなぁ?それとも思い出補正で初代を神格化し過ぎてるのかなぁ?スーパーファミコン版は多分もう電池逝かれちゃってるから、引き出しの中探してアドバンス版かPS版でも試しにやり直してみますか!(苦笑

掲載日:2012年7月9日
更新日:2014年11月17日


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