ダン
のシ

メーカー:チュンソフト
機種:スーパーファミコン
発売年月日:1995年12月1日
価格:11800円
ジャンル:RPG(ローグライク)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 10 9 10 10 9 8 98
プレイ時間…300時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良かですたい!
・前作をベースに数々の要素を加えて大きく深みが増した。今回追加された「様々な効果を持つ入れ物のツボ」と「装備同士の合成」に拠るところが大きい。一発勝負でその場その場のアドリブで上手く立ち回るだけでなく積み重ね・レベル上げ的な要素が加わったとも言える。地道にアイテムを集めて、強力な装備を作っていく過程が楽しい。強力な効果を持つ装備アイテムなどもあり、収集意欲を掻き立てられる。特殊な能力を持つ敵が増えた事や敵のレベルアップなどの要素もあり、序盤でも気の抜けない展開が楽しめるのも良い。

・バランス面でも向上し、前作に当たる「トルネコの大冒険」に比べ、食料が良く出るので餓死することが少なくなったのは嬉しい。

・一旦エンディングを迎えた後も肉や罠を駆使して進む特殊なダンジョンや全アイテムが未識別の状態で手に入る難易度の高い「フェイの最終問題」が用意されており、ボリューム面でも満足のゆく内容となっている。

・純和風ってワケでは無いんだけど、どこかいかも日本風って感じがするねぇ。人間味あふれる登場人物の面々。義理と人情の演歌の世界ですな、もう。これがまたいいんだなぁ。微妙にコミカルなシナリオも魅力の一つ(『2』以降の作品ほどギャグに傾いてもいないけど)。

・後のシレンシリーズではできないのだが、この作品に限っては町中でアイテムを使うことができる。住民にイタズラするのが楽しい。一番受けるのはモンスターハウスの巻物ですな。ちょっとしたテロリスト気分に(←コラ)。
ダメですばい。
・階を降りた瞬間、特殊モンスターハウスのど真ん中に立っている、どこまで進んでも装備アイテムやおにぎりが一個も出ないなどなど、理不尽な場面に遭遇する事も多い。そういったことに耐えられん人には辛いゲームかもしれない。多少の理不尽込みのバランスこそシレンだとは思うが(多分、シリーズファンなら皆同じ事言うね)、最初から突き放した難易度のためにその辺りの理不尽な部分への耐性が無いユーザーとか初心者に対する敷居が高いのも、少々もったいない気もする。

・一回ボスを倒してしまうと、ボスの間に行っても二度と戦うことができないのでちょっと寂しい。何回たどり着いても初めて来たかのような話をするコッパもちょっと不自然。もうちょいその点は手を加えて欲しかった。
感想ですけん。
 『トルネコの大冒険』に続く、不思議のダンジョン第二作。運に頼る面も大きいが、運任せでは決してクリアはできない絶妙なバランス。くだらないミスや理不尽とも思えるようなミスで貴重なアイテムを失ったりしてやるせない気分になりつつも、すぐに再挑戦したくなる中毒性の高さ。武器合成により大きくやり込み要素の増した内容。「1000回遊べるRPG」っていうキャッチコピーはウソじゃないですヨ、コリャ。後に出たシレンシリーズの作品よりもバランス面では粗さはあるが、その分自由度が高く、とにかく好き勝手出来るのが初代シレンの良さ。

掲載日:2005年2月7日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 10 10 10 8 9 10 94
プレイ時間…400時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
こ、これはどえりゃあすごいの!!
・前身であるトルネコの大冒険に新しい仕様を加えてさらに面白味が増した。大きな点として、トルネコでは持てるアイテムの数が少なかったが、シレンでは壺の登場により持てるアイテムの数が飛躍的に増加し、アイテムの種類や利用方法もさらに増えていったのでありとあらゆる戦法で進めていくことができるようになった。

・昔の西洋的な雰囲気だったトルネコとら違い、シレンでは全体的に昔の日本のような雰囲気になった。音楽から登場するアイテムやモンスターまで基本的に和風になってはいるが、ちょいちょい和風でない謎のモンスターなんかがいたりするところもご愛嬌。

・透視の腕輪や分裂の壺など、いわゆる強アイテムというのが多数存在するがそれらを使っていてもただゲームバランス崩壊には終わらずそのゲームバランス崩壊がプラスに働くようになっている仕様というのは素晴らしい。それらのアイテムを手に入れたからといって気を抜いたり、初心者が使ったりしてもやはり死ぬ事になるし、シレン特有の高い難易度が強アイテムだけではクリアできないような仕様になっている。

・ドラクエの曲でお馴染みのすぎやまこういち氏の音楽もかなり耳に残る良曲が多く、その場ごとにかなりマッチした曲が多い。曲数も多いので音楽を聞いているだけでも飽きがこない。

・ダンジョンの中にふと店が登場していたりすることがあり、モンスターばかりいる危険な場所に店主が一人で店を構えているのは中々シュール。ダンジョンで落ちているお金で店の物を買ったり、いらない持ち物を売って金を貯めたりと攻略の幅がさらに広くなったと思う。

・合成の壺という同じ武器や盾や杖を混ぜ合わせて、武器の性能を一まとめにしたりして強力な武器を作り上げるという新しい要素が加わった。フェイの最終問題のような様々な武器が登場するダンジョンでは最終的に鬼のような強さを持つ武器や盾を作り上げる事が出来たり…。それでもその武器さえあれば楽勝…とは行かないのがゲームシステムの奥深さか。

・本編クリア後にプレイ可能なやり込みダンジョンの質が高く、特にフェイの最終問題は熟練プレイヤーからしても一筋縄ではいかないほどの難易度になっており、何度でもやってみたくなる。

・本編のダンジョンでは所々で町が用意されており、ダンジョン内とは違いモンスター等も基本的には出てこず回復や買い物、イベントを起こしたりとその町ごとの人と落ち着いて関わる事ができる。緊迫しぱなっしのダンジョンから一息つける場所なので、中々良い点である。

・本編の中限定だがダンジョン内にて話しかける事が可能な、役に立つ事をしてくれるNPCや仲間が登場するようになり冒険の孤独さがさらに薄れた。仲間は三人のみだが、どのキャラも大きく特徴があり同時に連れていく事も出来るので三人揃ってラスボスを倒しに行く…なんて事も可能。しかも三人連れてラスボスを倒すとエンディングの映像が多少だが変わるというオマケつきだったり。この辺りの作り込みの細かさには脱帽。
あちゃあ~。これはいかんの~!
・初心者に対する敷居が大変高く、ダンジョンや敵が完全にランダムに作られるという仕様や、システムがかなり複雑なのにチュートリアルが少ないという点、ランダム要素が多い故に起きる理不尽な仕様等、死んで覚える事が多すぎる。慣れると対処方法も分かったり奪回する時の楽しさが出てきて魅力の一つにもなるのだが、そこに至るまでの敷居が本当に高い。

・本編クリア後は本編にて登場したラスボスと再戦することができず、再戦できるようにはして欲しかったかも。
ほんじゃあ、感想じゃあ。
 チュンソフト製のローグライクゲームであった本作の前身とも言えるトルネコの大冒険よりさらに、一回り二回り便利な仕様が追加されていって出来上がった傑作。トルネコよりもさらに痒い所へ手が届くような仕上がりになっており、それでいてシレン独自の仕様も多々あるので一般的なローグ系のゲームとは一回り上回ってきるような出来映えになっている。

 死にまくる事前提のゲームシステムではあるものの、操作性は高く快適なので何度死んでも再挑戦してしまうのはやはりシレンの大きな魅力か。初心者に対する敷居の高さがネックではあるがゲームを分かってくるとその敷居の高さの要素が一転、大きな魅力に変わってくる。

 何度死んでも何度でも立ち上がりたくなるというまさに不屈の名作。今ならバーチャルコンソールでも配信されているので、そちらならデータが飛んだりとかの心配はまず無いと思われる。是非とも初めての人にもハードルの高さにめげずに何度でも死にまくってほしいですな(笑)

掲載日:2016年5月2日


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トルネコの大冒険 (1993年・SFC)


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