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DARK SOULS REMASTERED
メーカー:フロム・ソフトウェア
機種:STEAM
発売年月日:2018年5月24日
価格:4800円
ジャンル:アクション
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PS4版 スイッチ版 |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 8 | 5 | 9 | 7 | 8 | 7 | 76 |
この先、評価点があるぞ |
・いわゆる"死にゲー"のジャンルに属するゲームの中でも、洋ゲーのような暗めのゴテゴテとしたグラフィックで荒廃的なダークファンタジーの世界観が舞台となっているのが特徴。舞台設定もよく練り込まれており、竜や神、不死人の集まるロードランの土地柄など、あまり多くは語られないがゲームの端々から壮大な世界設定を自然と感じ取れる。 ・ゲーム全体を通してアクション難易度が高く設定されており、道中でも篝火(※チェックポイント)から篝火まで辿り着くだけでも雑魚敵やトラップに襲われるため、一筋縄ではではいかない。そして何よりの試練は数多のボス戦で、いずれのボスもプレイヤーを遥かに超える強さを誇る強敵だらけ。そんな絶対に勝てないと感じるボス戦でも、繰り返し挑むうちに敵のパターンや有効な手段が見出せるようになり、徐々に勝ち筋が見えてくるゲームデザインが極めて秀逸。本シリーズ最大の特徴であり、この高難易度さとトライ&エラーの仕組みは中毒性が高い。 ・エリア移動はシームレスに繋がっており、複数のエリアがロード無しで繋がり合っている。エリアごとに雰囲気や特徴は大きく異なるが、その幾つものエリア同士が違和感なく自然と繋がっていて驚く。意外な繋がりのある道も多く、探索の甲斐も感じやすい。 ・フィールド上ではほぼ環境音しか流れないが、ボス戦ではバックコーラス多めの壮大な曲が流れる。ボス敵の素性に合った曲調のものがそれぞれ用意されており、ゲームの雰囲気作りに強く貢献している。オンスモ戦、ラスボス戦の曲などが個人的にはお気に入り。 ・ソロプレイだけでなくオンライン上の他のプレイヤーと一緒にプレイする方法もあり、こちらはソロプレイよりも難易度が下がるがMMORPGのような協力プレイゲームとしての面白さが楽しめる。ボス敵の体力が上がったり闇霊が侵入してくるリスクもあるものの、人数有利になる方が遥かに攻略しやすいので初心者救済システムとしての機能もあるのかと。 ・武器や魔法のバリエーションがとても豊富。性能も千差万別で、敵の種類や状況に応じて武器を使い分けるのも有効的なので戦い方の自由度は高い。 |
問題点とはな… |
・死亡する。とにかく死亡する。死にゲーとして名高いシリーズなだけあり、初プレイ時は攻略方法が分からずとにかく何度もリトライする羽目になる。もはやそういうゲームデザインなので仕方がないが、ゲーム全体を通じてプレイヤーを突き放すような難易度なので心が折れそうになる事態も非常に多い。 ・ボス戦の作りは上手く出来てる事が多いものの、普段のエリア攻略では敵の配置や地形の複雑さなどで攻略が面倒になる部分もある。予め警戒しておくとか立ち回りを考えるなどである程度の対策は出来るが、難しいというよりも理不尽さや不親切さの方が強く感じるエリアも多い。 ・ゲーム後半よりも前半の方が難易度が高い…。ゲーム前半は鐘のガーゴイル戦や病み村などシステムがよく分かっていない初心者の心を折るような難所が多く、エリア構成も複雑なため行き先が分かりづらく難易度が高い。後半は高難易度ボス戦こそあるものの、装備が整ってくる上に篝火の転送が使えるようになり、エリア構成もシンプルで分かりやすいので前半よりはまだ進めやすい。プレイヤーの上達度合いに沿っていない難易度調整なのではと思う。 ・全体的なストーリーが分かりづらい。一部のボス戦や重要なシーンに少しムービーが挟まれる程度で、NPCとの会話も総合的なテキスト量はさほど多くなく物語の深堀りがあまりされていない。これも敢えて多くは語らない作りになっているようで、プレイヤーが積極的に想像を膨らませていく必要がある。 ・地形の当たり判定が見た目通りでない所が幾つかある。登れそうな所が登れなかったり、プレイヤーが壁にハマって抜け出せなくなるなど。プレイヤーだけでなく敵も地形の複雑さに追い付けてない事もあるのか何もせずとも敵が勝手に崖から落ちる事もあり、足場周りの不安定さは常に気になった。 ・ラスボスを倒すとそのままいきなり2周目を始めさせられるのは困惑した。正規の方法ではセーブデータを事前に分けておくことも出来ないため、ラスボスに挑めるようになったからとすぐに挑んで倒すとやり直しがつかなくなる。まさかクリア後にも初見泣かせな仕様があるとは……(泣)。事前の予告なども無いのでここは本当に要注意。リマスター版でもそのままなのを確認済み。 |
感想万歳! |
プレイステーション3で発売された当時2011年頃に友人宅で本作を見た時はグラフィックの質感から洋ゲーのソフトかと勘違いしたが、まさかの日本製で驚いた記憶。そしてこの高難易度も衝撃的で、二度驚かされた。荒廃的なダークファンタジーの世界観と、高難易度アクションRPGのゲームデザインの2つの融和性は高く、新しい方向性のゲームとも思えた。フロム社からはキングスフィールドやデモンズソウルなど本作の原型となるソフトは既に出ていたが、話題性としても本作の存在は特に凄かった記憶。 ソウルを集めてレベル上げを行い、武器を強化しアイテムを揃えて敵に挑む……と、よく考えればやってることそのものは一般的なアクションRPGに近いものがある。しかしそこは死にゲー。深く考えても考えなくとも、とにかく死亡する。100%あらかじめ予防する事はほぼ不可能なので、攻撃を捨てて敢えて守りや回避を念頭に置いて練習と割り切ると、死んだ時に身に付くものが大きくなる。ボスの行動パターンが読めてきたり、ステージギミックの有効な活用方法が見えてきたりと、回数を重ねるごとに自然と攻略方法を見出せるようになり、確実に成長を実感出来る。実際のところノウハウさえ身に付けられれば、2周目はかなりテンポよく進められるゲームへと変化する。 本作の1つのエリアから3つくらい別のエリアへ行ける仕様はかなり独自性が高い。自分の足で自由にエリアを移動し探索していくコンセプトは面白いものの、行きはともかく帰りが面倒くさいのは難点。しかも自由度が高すぎるせいで序盤に終盤のエリアへ迷い込むこともあり、下手に強敵だらけのエリアで篝火を登録すると、間違えたと気付いても最初のエリアに戻ろうとする事すら非常にキツくなる。自分の経験談ですが、初見プレイ時は間違えて序盤から地下墓地に進み、巨人墓場(※終盤のエリア)の奥までゴリ押しで行ってしまう事があるため、こうなると最初からやり直した方が楽になるほど帰るのが難しくなる。通常ルートでも病み村を引き返すなど面倒なシチュエーションは発生するので、後半からではなく最初から火継の祭祀場(※ゲーム全体を通して拠点となる場所)への転送だけでも使えたらまだ良かったのではないかと思う。 本作は様々な賞を受賞していて話題性の高い作品ではあるが、今の世に存在する数々のソウルライクゲームや本作以降のフロムゲーと比較すると初代ダークソウルは不親切な点があまりにも多いので、初めてのソウルライクゲームとして初代ダークソウルをプレイするのはやめたほうが良さげ。途中で投げ出してしまったり、苦痛ばかり感じながら無理矢理プレイするのは勿体ないです。快適性が増したダークソウル3など、何か一つでも他のソウルライクゲームの作品に慣れてから初代ダークソウルをプレイした方が、まともにゲームとして楽しめるんじゃないかと。 |
掲載日:2023年8月8日
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