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Deceit
メーカー:Baseline
機種:Steam
発売年月日:2017年3月14日
価格:基本無料
ジャンル:アクション(3D)


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 7 6 9 7 7 75
プレイ時間…15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
oh…good…(良いところ)
・表面上は6人で協力して進めるゲームだが、その実は4vs2の二チームに別れており、相手のチームのキャラを全て倒して脱出するのが目的の人狼FPS。実際の人狼ゲームでは会話や言動によって信頼を得るが、本作では会話よりもゲーム中での立ち回りや行動で信頼を得る(もしくは、信頼を得るフリをする)ので、無理にボイスチャット等をしなくても良いのが特長。人狼ゲームでは対人で会話をメインに行うが故に相手への忖度が起きやすかったりと敷居が高い面もあるが、本作はそういった事はあまり起きにくい傾向にある。

・エイム力や武器の取得選択、推理力などはあまり必要なく、立ち回りや味方を監視する力(または、監視から逃れる力)の方が重視されるバランスなので、上手い人と下手な人との格差が一般的なFPS等と比べても生じにくいのもポイント。

・一回のプレイが長くても10分弱、早く終われば5分も経たずに終わるので、毎ゲームがサクッと終わるのも潔くて良い。
on!bad!(悪いところ)
・疑心暗鬼な気持ちによる詮索、晒し上げ等が多いゲームであり、人狼ゲームでは自分自身が処刑された時に誰が自分を処刑対象に選んだのか分からないようになっているが、本作では晒し上げによる処刑方法が銃で撃ちまくる方法か、稀に手に入る毒物を使っての毒殺のみなので、自分が人間側のチームなのに処刑されたりするとかなり空気が険悪になる可能性がある。良いアイテムを奪われたからと晒し上げで処刑しようとするプレイヤーもいるし、匿名性が高いインターネット上であるが故に殺伐とした展開になる事もたまにある。

・マップ移動を終えるまでには制限時間が設定されてるのだが、この制限時間が短めで、なおかつ初心者だと次のエリアまでの行き方が分かり辛い事も多いので、無意味に死んでしまう事がある。移動に失敗したら、多少のペナルティと共に次のエリアにリスポーンする、とかでも良かったのではないかと思う。そうでなくても全般的に、シューティングの上手さはあまり求められない反面、アクションゲームそのものの上手さを求められる部分も多い。
仲間に裏切られながらコメント。
 人狼FPSという、一風変わったゲーム内容に惹かれてプレイ。

 FPS視点で展開されるという事もあり、アドベンチャー仕立てな人狼ゲームやテキスト言葉を交わし合う必要がないのが特長。ボイスチャット等を使ってプレイするのも面白いが、全く会話をせずにプレイしてる人も多いし、一回のプレイ時間も短めなので、変に敷居が高い事はなく気軽に何度でもプレイしやすい。無料で始められるのも良点。FPSとは言ってるものの、高いエイム力や武器の性能を熟知するといった事はあまり必要なく、どちらかというと立ち回りや監視力の方が大事な作りになっている。

 ただ、ゲーム全体の作りとしてはあまり丁寧な作りとは言えず、発想はかなり面白かったもののもう少し工夫が多い方が面白く快適に遊びやすくなったと思う。ゲーム中で停電している間はボイスチャットが不可能になるとか、人間陣営が誤って人間を処刑してしまうとペナルティがあるとかがあればバランスも良かったとは思うのだが、システム的にも少し物足りなさがある。

 個人的には楽しめたものの、人を選ぶ面が大きいゲームだと思う。人狼ゲーム特有の推理力だとかよりは、他プレイヤーからの監視を逃れる力や立ち回りの方が重要なので、人狼ゲームだとか協力型FPSだとかと考えるとちょっと肩透かしを感じるかも。独自性が高く、無料でプレイ出来るので、一風変わったゲームを遊んでみたいと興味が湧いた人ならプレイしてみると良いかもしれない。

掲載日:2020年6月2日


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