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Doki Doki Literature Club!
(ドキドキ文芸部)

メーカー:Team Salvato
機種:Steam
発売年月日:2017年10月6日
価格:無料(980円でお布施可)
ジャンル:アドベンチャー


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 8 8 10 7 7 9 89
プレイ時間…20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良い
・キャラの見た目や一枚絵は中々可愛くよく出来ている。一般的に売られてる美少女ノベルゲーム等とも全く遜色ないクオリティではあるが、途中からは意外な使い方もされていて独特の魅力も感じられるようになる。

・この手のADVは演出が肝のゲームと言えるが、ゲーム中での演出はどれも秀逸。普段のイベントだけでなく、精神的不安や精神的恐怖を誘う描写もかなりよく出来ている。一般的なアドベンチャーとはまた違う方向性でプレイヤーをゲームの本当の世界へと誘い、独自の世界へと嵌らせるストーリー構成が秀逸。そして最終的に本作の真髄に気付き始めると、かなり重く、切ない気持ちへと変化させられる。

・普通にプレイしてる最中は分かりにくいが、よく分析すると誰でもテンポよく進めやすいよう作られてる事が分かる。フラグ回収やイベント発生に大きく気を配る必要がある美少女ゲーム、といった内容ではなく、難易度(?)としてはかなり低く、大筋は誰でも進められるはず。初見プレイでも、一通り進めるとしても3時間もかからないと思われる。

・隠された小ネタが非常に多く、特に普通にプレイしているだけでは気付かないような小ネタや裏技がとても詰まっている。少し違ったプレイをする事によって分かる小ネタから、PCの専門的な知識や、もはやパスワード解析レベルの技術を知ってないと分からないネタまで隠されているが、この辺はクリア後に考察サイト等を覗いてもらえれば…。英文のものも多いが、本当によく出来ている。

・曲数はそこまで多くはないが、メインの曲のアレンジや、場面に合わせた曲が幾つも作られており、演出とよく合っている音使いが多い。恋愛ADVには定番といえる、普段の会話にボイスが収録されているような事はないが、その反面で普段の音楽の使い方などはとても上手いなと感心した。

《ゲーム本編とは少し違う事だけど、一言。》
・元々のゲーム内容は英語なので、有志の方々が製作した公認の非公式日本語化パッチを使って最初の数回はプレイ。後で英語で見返して分かったが、訳するのが難しい所も妙訳が多く、キャラの口調や言い回しも読んでいて全く違和感なく。ゲーム外の細かい小ネタもしっかり日本語化されており、日本語化パッチの中でも高いクオリティの翻訳が出来ていると思う。ゲーム内容とは少し異なる点なので点数には影響させていないが、本当に丁寧な作りだったのでこちらにも個別に感謝を。
悪い
・ここまでネット上で広がってる前情報や、ゲームを起動した時に流れる注意事項を見れば何となく察する事は出来るが、鬱な気分になる展開や、ショッキング、ビックリ演出もあるゲーム。ゲームの最初の方やビジュアルだけ見れば普通の恋愛ADVにしか見えないので、本当に注意が必要。ここまで仄めかしや注意喚起がされていて、全く分からずプレイするという人は中々いないとは思うが…。この点に関してはとにかく考慮を。

・このゲームの真髄は、登場人物達の行動やゲームのコンセプトを冷静に読み解かなければ分かりにくい点が多く、途中で終わったりするとただのとんでもない展開のゲームとしての評価で終わってしまう可能性がある。まず一通りクリアしたな、と思ったら攻略サイト等を通じてまたプレイする等をしないと、本作の真髄に気付きにくい可能性が高い。

・本作はとある演出の関係上、プレイを進めるとPCにインストールされているウイルス対策ソフトが反応してゲームを止められてしまう事がある(というか自分は一回反応された)。これは、ゲームのある演出にウイルス対策ソフトが反応してしまうかららしく、一通りクリアした後に原理を解説してるサイトで調べてみたらああなるほど、とすぐ合点がいった。ゲームの演出的には意味のある事なだけにこの点は辛い。本作はウイルスの類は絶対に入って無いので、その辺は心配しなくていいのだが、違う意味で心臓に悪い…(苦笑)。
感想
 『DDLC』の略称で呼ばれる事も多い、非常に感情を揺さぶられる、色々と激しい内容を含むドキドキ文芸部。このゲームについて各所で言われている前評判やSteam内で付けられているタグ、そしてゲーム起動時の最初の注意書きでもかなり注意されてるが、何らかの精神病を患ってる人や、ゲームの内容に気分や思考が影響されやすい体質の人などはプレイをするかどうかはよく考えた方がいい。普通のホラーゲーム等も精神的に不安定な人は考慮した方がいいとされているが、本作も同じように気を付けた方がいい。

 自分のこのゲームに対する評価を一言で表現するなら、『ほかのADVとは全く異なる、とてつもない怪作』。怪作と言ってはいるが、前述の通り個人的な評価はかなり高め。どういうことなのか、というのを語りすぎると実際にゲームをやってもらった時の魅力がガタ落ちしてしまうので、なるべく分かりにくくはしておきます。

 無料でもプレイが可能な作りとは思えないほど本格的に作り込まれており、ビジュアルでの可愛さと本当の内容との差異が凄まじいミスリードを起こしているのが特徴。完成度や独自性の高さや、初見でも短めにプレイ出来る手軽さもあって、この知名度の高さには納得がいく。ゲームをプレイしている間はそんな余裕はないが、振り返って分析すると、シナリオ構成も細かい所までかなり拘ってるなと感心する。

 前半、中盤、そして終盤からゲーム全てを知りつくすまで。それぞれの段階で、本作に対して向ける目が、まるで全く別ゲーであるかのように変わるという奇想天外さ。ゲームというよりかは、ゲームを通じて、感情を揺さぶられるとんでもない体験をさせられた気分。

 前述の注意事項を前もって乗り越えられる人には、攻略や前情報等もなるべくシャットアウトしてからプレイしてほしいところ。色々と述べてしまうとゲームの趣旨を楽しみきれないと思うのでとにかく言わないが、少なくともネタバレや攻略等は最初は見ない方がいい。インストールする際も、980円ほどのお金を出してファンパック版を買うかどうかも、一先ず無料でプレイしてから考えてもいいと思う(自分は後からまた買った)。

 ここまで読み直しても褒めてるのか貶してるのか、良いのか悪いのか訳が分からないとは思うが、とにかく、プレイが可能な状態の人であれば、何も見ずにやってほしいというのが、自分がなるべく配慮した上でプレイしてもらう前に言いたい事。自分の評価もだが、プレイした方々によるいずれの評価も高いものばかりなので、これほど話題性が高いという謎に大して好奇心が湧いたら、本作による激しい展開の数々によって、感情が揺さぶられる体験をしてみてもいいんじゃないかなと思う。

掲載日:2020年2月4日


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