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ペルソナ5 ザ・ロイヤル
メーカー:アトラス
機種:Steam
発売年月日:2022年10月21日
価格:7678円
ジャンル:RPG
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PS4版 Switch版 |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
10 | 9 | 7 | 9 | 7 | 10 | 8 | 84 |
やったホ!キマってるホー! |
《映像・ゲームシステムについて》 ・ゲーム全体を通して作り込みの丁寧さ、特に本編ストーリーでのイベントの多さは目を見張るものがある。使い回しや似通った展開はあまり無く、多種多様なイベントが常に繰り広げられているのが特徴。プレイ時間の半分以上は会話を見る事になるが、常に新鮮さを感じながら楽しむ事が出来るはず。 ・爽快・スタイリッシュさに特化した演出が最高に気持ちいい。メニュー画面のUI一つ取っても赤と黒のコントラストを基調としたスタイリッシュなカラーリングで、流れるように画面が切り替わるアニメーションが入り混じるなど。最初は操作し辛く感じる所もあるが、慣れてくると本作の演出以外が物足りなく感じてくるほど心地よくなってくる。 ・"心の怪盗団"として仲間になるキャラはいずれも個性がはっきりしているが、性能的にはどれもバランスが良く優劣の差が少なめ。キャラごとの相性の良さは存在するが、プレイヤーが気分次第で適当にパーティを組んでもほぼ問題なく進められるバランスになっている。 ・敵の弱点属性を突いて攻撃回数を増やし戦闘を有利に運ぶ、近年のペルソナシリーズではお馴染みのワンモアプレスバトルなる戦闘スタイルを基調に、新たな属性攻撃や銃撃による攻撃方法等が追加されて戦略の幅が広まっているのが特徴。常に戦略を考えて進める奥深いバトルが楽しめる。 ・ゲーム内から提示される目標が分かりやすく『次に何をすればいいのか?』と悩まされる事はほぼ無く、親切過ぎると言えるほど丁寧に指示してくれるのが特徴。やれる事が多いゲームでありながら、初心者の方でも迷わずにゲームを進められるよう配慮が行き届いたゲームだと感じた。 《シナリオ・音楽などについて》 ・ストーリーはプロローグから怒涛の展開から始まり、しばらくしてからは東京にて仲間も少ないまま学生生活を送る事になる。ストーリーが進むにつれて着々と仲間や関係者が増えていき、主人公達が『やるべき事』を次々と見付けていくという、あらすじだけで見ればわりと王道的な物語。シナリオ分岐等は少なくほぼ一本道のストーリーでラストに進むが、個々のエピソードの掘り下げ方や演出が丁寧で惹き込まれる。 ・登場するキャラクターには"心の怪盗団"として深く関係を結ぶ仲間キャラと、コープ活動として学生生活の過程で繋がるキャラの2つに大きく分けられる。本編とはあまり深く関わらない登場人物の数もシリーズ最大級らしく、こちらのサブイベントの数やテキスト数は凄まじいボリュームになっている。いずれのキャラも同じような展開はほとんど無く、常に新鮮な展開が繰り広げられている。 ・完全フルボイスではないものの、収録されているボイスのボリュームは凄まじい。ムービーシーンや戦闘中はもちろんの事、何気ない日常生活の会話でもとにかく喋る喋る。そして心の怪盗団達を筆頭に有名な声優さん方が起用されており、演技力も高くハマり役と言えるキャラが多かった。 ・登場するキャラクター&ペルソナの数はかなり多めながらも、モーションはとても細かくアクティブに動く。複雑な造形をしているペルソナ&シャドウもよく出来たモデリングをしていると感心した。 ・雰囲気に合ったBGMがとても多い。最近のペルソナシリーズでは御約束とも言える英語ボーカルの曲が特に耳に残るが、こちらもゲームの世界観と合っていて高評価。 《UI・その他》 ・一度ゲームが始まればロード時間が挟まれる事は少なめで、快適にプレイ出来る。敵との戦闘開始もほとんどシームレスで快適性が高い。 ・ゲーム全体の各所で用意されている、世の中の豆知識や小ネタの数も豊富。ゲーム内容には直接影響しない情報ばかりだが、こういった遊び心は適度にある方が面白いなと。 |
ヒホー!?…納得いかないホ! |
《シナリオについて》 ・ネタバレが厳禁なゲームなので細かくは言及しませんが、ストーリーの大筋はともかく、細部をよく考えると整合性に欠けている展開が幾つかある。勢いやノリの良さで誤魔化せている物もあるものの、重要な本筋で無茶な展開が繰り広げられている事があるのはどうしても気になった。 ・メイン・サブストーリー共に、全体的に悪役の性格や行動理念が安直でチープなものが多く、先が読める展開が続くせいで捻りが足りないように感じる部分も。リアリティを求めるタイプのゲームでないのは分かるんですが、表現としてはちょっと古いタイプの"悪党"が多く、直球過ぎるようにも思った。 《ゲームバランス・その他について》 ・終盤になるにつれて敵の強さは上がってくるものの、プレイヤー側が優位になるスキルやアイテムがそれ以上に揃ってくるので終盤になっても難易度の上昇は感じにくい。むしろ序盤や中盤で対峙する一部の強敵との戦いの方が苦労するほどで、後半になるほどバトルが物足りなく感じてくる。 ・プレイ時間の大半がストーリーシーンや日常生活パートで占められており、ダンジョンを潜ったりバトルに興じている時間はプレイ時間全体の2〜3割程度しかないように感じた。新しいペルソナを用意していざ活躍させようとしても、戦闘を占める時間が短いせいで活躍の場があまり与えられず終わる事が多くてかなり寂しい。 ・日常生活パートではやれる事が多い弊害として、存在そのものが影に隠れて気付かないままになりそうなものが幾つかある。そしてミニゲームもかなり用意されているが、ミニゲームをクリアしても貰える報酬が苦労に見合わない事もあるのは気になった。 ・パレス&メメントス共に、ダンジョン内ではカメラの位置が主人公に近寄りすぎていて周囲を見渡しにくい。このカメラワークの方が迫力は出るとは思うものの、思わぬ所に謎解き解決のギミックが隠れてしまう事が多くやや不便。 《ザ・ロイヤルの問題点》 ・追加要素の新規ペルソナ達がやたら強い。ものに依っては最終盤で使える技を最序盤から使えるものさえあり、救済措置として考えてもやり過ぎと言えるほど強いような。使うのが嫌というのなら意図的に避ければいい話…と思いきや、通常のペルソナ合体でも場合に依っては追加要素の強力なペルソナが作られてしまう事があるので、縛りたい人にとっては少し鬱陶しく感じる。 ・ザ・ロイヤルにて追加された新規シナリオをプレイするためには、ザ・ロイヤルにて追加された新キャラと親睦をしっかり深めておく必要がある。ゲーム内でもこれについてのヒントは乏しく、うっかりフラグを立て損なうと追加シナリオがプレイ出来なくなるので要注意。 |
コメントだホー! |
2016年に発売されたペルソナ5のいわゆる完全版。この『ザ・ロイヤル』はPS4でしかリリースされていなかったが、数年の時を経てマルチプラットフォームで発売されたのを記念にプレイ。 まず真っ先に目に付く、爽快でスタイリッシュ!なゲームデザインがカッコいい。ムービーシーンのみならずゲーム全体を通して演出が凝っており、通常のバトルや探索でのちょっとした魅せ方が印象深い。地味な印象を持つ学生としての顔と、爽快で派手な怪盗としての顔。この2つの対比がなんともロマンチック。 ゲームバランスはよく出来ていて面白いが、戦闘シーンが少なめなのがたまにキズ。強敵と言えるボス戦の数も全体的に少なく、テンポよく進みすぎるせいでバトルのやり甲斐がちょっと薄い。それでもペルソナ5は情報量の多さと理解のしやすさを兼ね備えており、一度プレイを始めると止め時が見付からない凄まじい魅力があった。ボリューム豊富でありながら常にテンポが良く、ゲームとして重要な『次に進めたい!』という欲求が常に満たされる。 ゲームクリアまでにまず100時間は超える大作RPGで、難易度設定の幅も広いので万人受けするRPGとも言えそう。ゲームの進め方に困るといった事とはほぼ無縁と言える親切なゲームデザインに、現代の東京を舞台にした王道的なストーリー。アニメ化や他社ゲームへのコラボ等でペルソナ5の名前を数年見てきたが、強く推されるだけの理由はあるゲームだと感じた。 |
掲載日:2022年12月20日
シリーズ別一覧:女神転生
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