縮緬遊戯堂 > レビューランド > Steam > SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
メーカー:フロム・ソフトウェア
機種:Steam
発売年月日:2019年3月22日
価格:8360円
ジャンル:アクション


広告(良かったら買ってくれぃ)

PS4版

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 8 8 10 8 8 9 90
プレイ時間…70時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
見事じゃ!良きに計らえ!(良いところ)
《ゲームシステム》
・直感的かつ融通の利くアクション性が優秀。全体的なゲームスピードは速めながらも主人公の"狼"は忍者らしく機動力も優れているため、動かしている上でのストレスはほぼ無い。最も酷使する攻撃と防御もそれぞれワンボタンで割り振られているが、敵の攻撃に幅広く対応して動いてくれるので快適。

・戦闘時のステータスには体力ゲージと体幹ゲージの2つがあり、通常攻撃で敵の体力ゲージを削り、敵の攻撃を防御する"弾き"で敵の体幹ゲージを削る。両方のゲージをバランスよく削っていくのが本作の戦闘の肝。たまに攻撃も防御も通用せず受けると大ダメージを受ける危険攻撃を仕掛けてくる事があるが、特殊な行動で返すと大きく有利を取れるハイリスク・ハイリターンな駆け引きになるため、戦いのアクセントとしては良好。攻撃と防御と危険攻撃と、常に有効な立ち回りを見極め鎬を削り合うバトルが本作の戦闘における最大の魅力。

・普段の剣戟の戦いを補助する忍術・体術・流派技や、義手忍具による攻撃手段の幅が広い。いずれも忍者らしい身体能力や技術を駆使したもので、特定の種類の敵にのみ有効なものからゲーム全体を通して使えるものもあり、優劣の差はあるもののどれも高性能で使い勝手がいい。

・敵に倒されても体力半分で生き返って体制を立て直す事が出来る回生のシステムは面白かった。忍?をすることで使用制限が復活するので、ボス戦の状況によっては残り体力が僅かでも回復せずに、回生をする事を前提に敵の体力を削りに行く方が有効な事もあり、ギリギリの駆け引きが繰り広げられる点は独自性が高い。

・ボス戦も特徴豊かで攻略方法が異なるのが面白い。狼と同じ程度か一回り大きいサイズの人型のボス戦が多めだが、扱う武器や攻撃方法は大きく異なる他、ダークソウルシリーズのような大型のボス戦もあってバリエーション豊富。敢えて危険を冒し敵に大ダメージを返す、肉を切らせて骨を断つ攻略方法が有効なボス戦など、アツい戦闘が出来るものが多い。

・狼を強化する手段は存在するものの、ボス敵を倒すごとに体力と攻撃力を少しずつ上げられるだけで激的な変化はさほど無い。最低限のスキルさえ取得すれば基本的な戦いはこなせるので、ステータス振り分けを失敗するといった育成上での失敗は起きにくい。

・本作は他の死にゲーとは違って予見出来ないトラップで死ぬとか、少し操作をミスっただけで崖から落ちて一撃死するとか、そういった理不尽な仕様は少なめ。複数人の敵に囲まれても狼の機動力は高いので逃げ切るのは容易だし、面倒な攻撃は防御せず逃げるのも戦いの手段。死にゲーではあるが、理不尽な死は少ない作りになっている。

《映像・音楽・シナリオ》
・古き良き日本の"和"テイストで纏めたグラフィックはいずれも完成度が高い。桜舞い散る清らかな滝、紅葉が映える仙峯寺、雪が降り積もる葦名城など、架空の地域ながらも日本のどこかの観光地で見覚えのありそうな美しい名所が多い。オブジェクトのちょっとした装飾から何から何まで手が込んでおり、造詣が深いのが見て取れる。

・ボス戦や戦うエリアによって曲が異なるので収録されている曲数はかなり多いが、和楽器やバックコーラスなども入り混じったBGMはどれもシチュエーションとよく合っている。意図的に不協和音が混じってる曲もあるので曲単体で聴くとそこまで良さは感じないが、敵の素性や戦闘状況によく合った雰囲気の曲が多く、ゲーム音楽としてはかなり優れていると感じた。

・戦国時代末期の日本の北国、葦名という架空の地域において主君に仕える忍者が主人公という正統派時代劇モノのストーリー。ゲーム全体のセリフ数やムービーはそこまで多くないが、主人公の狼も含めて全登場人物がフルボイスで喋るので舞台背景や心情も感じ取りやすく、要所はしっかり抑えてあるので理解しやすい。敵も味方も戦国時代を生き抜いてきた武士らしい厳しさや潔さの矜持を持っており、『SHADOWS DIE TWICE』の副題に沿った硬派なシナリオはよく出来ている。

《その他》
・ボス戦が楽しいゲームなので、再戦やボスラッシュモードが用意されているのは嬉しいところ。ストーリー中で戦った時よりもさらに強化されたボス戦もあり、消費アイテムも入手済みのものは所持数分だけ自由に使えるので気軽に挑めるのが良い。

・最近のゲームでは当然といえる親切な機能も揃っている。チェックポイント間のファストトラベルなどは当然のこと、期間限定アイテムをうっかり見逃しても後で賽銭箱に流れ着くようになっている、忘れがちな攻撃手段も有効な敵と戦う時にはTIPS表示でそれとなく教えてくれるなど、思いの外親切な作りになっている。

・チェックポイントからボス戦までの距離も短く、ボス戦のほぼ眼の前に設置されていたり、時間がかかるボス戦でも30秒ほどで到着できる。『ボス戦に到るまでの道中に手間と時間がかかる』事が無いので、リトライがかなり楽なのは死にゲーとしては助かる。
痴れ者が!恥を知れい!!(悪いところ)
・道中の難易度は並程度なものの、ボス戦は高難易度の強敵揃いであり、幾度となくトライ&エラーが求められる。中ボス格の敵であれば初見でも普通に勝てる事もあるが、ストーリー上撃破が必要なボス戦の大半は初見突破が難しいものばかりで、敵の強さや行動に対応しきれずに倒される事は幾度となく起きる。本作はダークソウルシリーズと比べてもゴリ押しや味方任せの攻略法がほぼ存在せず序盤からゲームシステムにしっかり慣れる必要があるので、この段階に到るまでの時点で心が折れる可能性も高い。

・ステルスアクション要素も含まれているが、一部のエリアでは有効なものの大半のエリアではステルス無しでも普通に進められる。敵に見つかったときのデメリットが乏しく、チェックポイントの鬼仏で休むと周りの敵が初期配置に戻りローリスクに立ち回れるので忍ぶ必要性が薄い。

・カメラワークが悪い地形が幾つかある。プレイヤーが柱の陰に隠れたり敵の下段攻撃をジャンプ回避踏み付けをした時など、カメラがグルッと回転して位置がたちまち分からなくなることがある。ボス戦の地形などにもよるが、戦う場所によっては無駄に難易度が上がる事もあるのは気になった。

・敵を倒したときに得られるスキルポイントや金銭がやや少なめ。敵の多い場所で意識して稼ごうとせず、並程度に敵を倒してプレイしてるだけでは両方とも中々貯まっていかない。最低限のスキルや義手忍具さえ揃えれば基本的な戦闘は進められるようになっているものの、色々使おうと考え出すとすぐカツカツになるのが辛い。

・敵を倒した後はアクションボタン長押しで金品を吸収出来る……のだけども、この行動を挟む必要性があまり感じられない。難易度の変化に繋がってるわけでもなく、ただ単に面倒くさいだけのような。敵を倒したらそのまま金品入手でも良かったのではないかと思われる。

・グロ描写も結構あったり。虫系のキモさや討ち首、死体といったグロ・ゴア描写が苦手な人はウゲェーッとなるかと。リアリティのために含まれている程度でグロ表現を推して作られたゲームではないのだが、ホラーアクションゲーム一歩手前なほど生々しく描写されているシーンも少しはあるので注意。

・DLCがない…。他のフロムゲーシリーズではDLCで追加ボス戦や追加エリアがお約束のように用意されているだけにここは残念。『守り鈴』という特別なエリアへ行けるアイテムが登場する上、名前のみで描写される重要なキャラクターが幾人かいたので、後に鈴を使って行けそうな雰囲気がゲーム中ではあったものの、とくにDLCが追加される事はなく。さらなるストーリーやボス戦が用意されていれば尚の事良かったなと。
首尾は如何かな…(感想です)
 速い!強い!難しい!ゲームスピードは目まぐるしく速い。主人公の狼は性能がかなり良くて強い。そして、ボス戦は手強く難しい…。フロム・ソフトウェア社が過去に発売していたダークソウルシリーズとは大きく異なる潮流の死にゲーで、総合的にアクション性をさらに重視した難しさになっている。ゲームシステムの完成度は高く、完成度が高いだけに隙のない難易度の死にゲーになっているのも特徴的。

 『自分が上手くなっていく』ことで攻略してもらうゲームデザインになっているため、ゲーム中で示される攻略情報は意外と多くボス敵の倒し方が分からなくなるという事態はあまり起きない。ただし、攻略方法そのものは分かるがその攻略方法をうまく実行出来ず、中々撃破が出来ないという事はとても多い…(苦笑)。プレイを重ねるごとに己の腕前が少しずつ上達していき、やっと敵を撃破した時のカタルシスは凄まじい。『自分が上手くなった』故に撃破が出来たというのが何より嬉しいのだろうと思われる。 

 個人的にはSEKIROはかなりの高評価でありますが、これはあくまで『高難易度剣戟アクションゲーム』として完成度が高いが故に評価が良いという事であって、万人にオススメしやすい高難易度アクションゲームという事ではないので御注意を。高難易度ボス戦の達成感や、独自の剣戟アクションの爽快感が本作の大きな長所になっているため、この両方が面白いと感じるまでのハードルは高め。しかし、このハードルを超えた先から始まるボス戦の爽快感や中毒性は唯一無二。アクションゲームがある程度得意な人には強くオススメ出来ます。

 後から考えるとこのゲーム、様々な年齢のボス敵が登場するのですが、若者やオッサンのボス敵よりもお年を召した老齢のボス敵の方が遥かに強い……(笑)。命のやり取りが幾度となく行われる戦国の代において、老齢まで生き残った者の強さたるや半端ではない、というのはある意味説得力があるのですが。若者やオッサンよりも、見た目が完全に老人である御仁と戦う方が遥かに苦戦するゲームというのも珍しい。

掲載日:2023年8月22日


縮緬遊戯堂 > レビューランド > Steam > SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE