THE LAST STORY
ラストストーリー
メーカー:任天堂
開発:ミストウォーカー、AQインタラクティブ
機種:Wii
発売年月日:2011年1月27日
価格:6800円
ジャンル:RPG
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映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
9 | 10 | 7 | 9 | 7 | 6 | 7 | 82 |
よかですたい。 |
・アクション性&リアルタイム性の高い戦闘が独特。バランス的にはレベル上げとかで割とゴリ押しできて大味な部分もあるけど、テンポ自体は良いし、あっちこっちで喋るメンバーなど賑やかなのも良し。回避やガード等の防御アクションの重要性が高く、位置取り等も重要であるため、考えるプレイが必要になる。一つ一つのアクションのレスポンスが良く、ストレスは少ない。 ・「中世のヨーロッパ風の舞台」、「ファンタジー風の味付け」と言ったありがちな感じでストーリーはベタベタの王道。割かし先も読めてしまうことが多いし(大方のユーザは遊び始めて数時間で黒幕が誰か分かると思う)、人物の描写も展開もそんなに意外性は無い。ただ、判り易さに重点を置きつつ、それでいて先が気になってしまう作りの話の内容自体は充分優れてる部分とは言えるかと。変に凝った物でなくど真ん中狙いでいてしっくり来る内容なのは良かった。戦闘等でも頻繁に人物間で会話のやり取りとかがあったりして、登場人物に愛着が持てるのが良い。 ・理解に苦しむ専門用語が必要以上に飛び交わないのは良し。とかく変な用語を詰め込みがちなこのジャンルにおいて分かりやすさを重視してきたのは好感が持てる。この辺りは謎なカタカナ用語が多く出てきて混乱させられがちな純和製RPGとしては珍しい。 ・「Wiiにしては」って前置きは必要だろうが、グラフィックの品質は非常に綺麗で自然な出来栄え。SD機種のRPGって枠で考えれば最上級と言えるかもしんない。特に人物のモデリングは力が入ってるなあと感じる。服装とか装備とかは多少粗さはあるが、表情に優先的にポリゴンを回したのは正解だと思う。あと、全体的に彩度が低く抑えられているのがこのゲームの個性か。人物・建物・風景とかの個々のインパクトを強めると言うよりは、画面全体を一枚の絵として見てほしい、と言う感じのアピールの表れか。 ・BGMも良い出来だネ。曲自体が個性を主張してないせいか思ったよりは印象に残らんのだが、メリハリが効いてるのが良し。植松信夫氏らしい旋律とかあんま感じられないって意味では意外性はあるかもしんない。この辺が坂口氏が「最初に出てきた曲を全部没にした」効果なのだろうか?バリバリの植松テイストを期待すると「アレッ?ホントに植松氏?」と感じることもあろうが、出来としては悪くないので問題なかろう。逆に言えばこういったテイストの曲も作れるんですネ、と感心。新境地って感じですかね。 |
だめですばい。 |
・イベントムービーの挿入が多く、一つ一つのムービーが長めであるため、ぶつ切り感がある。この辺りはいかにもファイナルファンタジーの坂口氏らしい味わい。この作品の発売前にネット上で「ムービー垂れ流しのゲームは云々」って仰っておった割にはこのゲームもしっかり『ムービーゲー』寄りな気がするのよね…(苦笑)。 ・ウリとして宣伝していた街の作り込みだが、住民の反応が当初期待していたよりワンパターンであること、干渉できる度合いが浅いこと、会話イベント自体が少ないこと等からそれほど斬新さは感じられなかったりも。ゲーム自体に関与しておらず、演出の域に留まっているのが原因か。凝ってはいるものの、必要性を感じない。 ・戦闘でのカメラワークの悪さが気になった。ちょっとカメラが主人公に寄り過ぎな気がせんでもない。敵との位置取りが重要なシステムだけに、もうちょっと離れた視点から全体を把握したいと感じる。せめてダウンした味方の位置くらいは教えてほしい。あと、敵が密集すると処理が重くなるのも気になる。 ・前触れなく始まるミニゲームで失敗してゲームオーバーになると、ちょっと理不尽な気分に…。大して面白くないミニゲームは必須にせんでほしかったな…。 ・あーと…。何度も何度も同じ文句を言いたくはないが、言わねば誰にも伝わらないだろうからやっぱ言う!……『文字小さいっての!』。坂口氏はHD機で散々ゲーム作ってたでしょ?頼むからユーザ側の利便性を優先してくれ。任天堂側も何故指摘しない?頼むから相手が大御所でも、言うべき点はしっかり指摘してくれ。 ・直球勝負のストーリーは潔いが「いささか掘り下げ方が不足しているのではないか?」…と思われる部分が少なくなかった。魅力的素材を活かしきれていない感じがするのが惜しい。ナレーションとか暗転とかで半端にイベントを省いてしまってるのもセコい。しっかり描写し感情移入ができる作りであってほしかった。個人的には傭兵団が集まっていく過程とか、その辺からしっかり描いてくれた方が、個々のメンバーへの思い入れとかも格段に違ったろうし、団長クォークの鬱憤なり鬱屈なりで歪んでく過程ももっと素直に受け入れられたと思うのよね。その辺の描写の足りなさが残念。 ・フルボイスじゃないのがちょっとセコい。入れるなら全部入れる。入れんなら一切入れない。妥協しないでほしい。この辺も予算の都合なのかもしれんが。 ・オンラインの対戦モードとか、オフラインで複数人で遊べたら面白かったとは思う。もしくは、聖剣伝説みたいに2Pがパーティメンバーを動かせたらすんごい面白そうだったけど…二画面描写はWiiの性能じゃ流石にムリだったか(笑)。 |
感想なり。 |
坂口博信氏の任天堂と組んでの前作「ASH」の前科があるためか、遊ぶ前はかなり警戒していたのだが、遊んでみると今回はすんなり入ることができた。戦闘のシステムはアクション要素が強めだが、フォローもしっかりと入っているので、幅広い層のユーザーが楽しめる作りだと思う。ただ、システム面でも物語面でも詰めが甘い部分があり、随所で素材の良さを活かしきれてない感があったのは残念。新しさは感じられるが、同時にかなり粗削りとでも言うべきか。 過度の期待さえしなければそれなりに遊べる内容だとは思うのだが、発売元の任天堂も「これでもか!!」と力を入れて宣伝してただけに、ちょっと肩透かしを食った感じになってしまったのは否めず。事前の期待が大きく膨らみ過ぎたのが原因だろね(確かに坂口氏、FFという一時代を築いた偉大なクリエイターではあるけど、「ASH」の時と言い今回と言い、どうもスクウェア退社後の氏をどこの会社も必要以上にVIPとして扱い過ぎな気も。一時隠居していた時期を含めても21世紀に入ってからは別にそんな凄いゲームは出してないしな)。 まあ、作品自体は超大作って感じではないけど、色々新しい可能性を見せてくれる内容で、しっかりまとまってる分だけ遊べる作品ではある。アクション・シミュレーション要素が強いしキャラの育成要素の自由度がほぼ無いから従来の意味でのRPGって感じは殆どしないけど良くは出来ている。一風変わったRPGを楽しみたい方向け。 世間様の評価は「オンラインモード以外はビミョー」止まりっぽい感じだけど、わし個人としては結構好きなゲームであった。5周くらいは遊んでるしな。 |
掲載日:2011年2月4日
更新日:2017年7月3日
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