ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
メーカー:任天堂
開発:任天堂統合開発本部
機種:WiiU
発売年月日:2017年3月3日
価格:6980円
ジャンル:アクションRPG


広告(良かったら買ってくれぃ)

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 8 9 10 9 10 8 96
プレイ時間…300時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いザラシ。最高ザラシ。
・これまでのゼルダシリーズどころか、任天堂のゲームの中でもトップクラスであろうと言い切れるレベルのボリュームがスゴい。マップがだだっ広いだけでなく、イベントや様々な収集要素等といったゲームを楽しませる要素が詰め込まれており、とにかくゲームとしての密度が濃い。濃すぎるんです

・『ゼルダの当たり前を見直す』というコンセプトのもとに作られているだけあって、これまでのゼルダには無かった新しい要素が一気に増えた。いつもの謎解きは従来のゼルダに近いが、逆に言うとそれ以外はほぼ新しくなっていると言ってもいいくらい。取り上げだすとキリがないが、リンクの武器一つとっても、従来の剣も種類が大幅に増えたり、槍や魔法の杖を使って戦う事すらあるほど。ゼルダシリーズには無かった数々の新しい事に挑戦しているが、どれもしっかり作り込まれている。

・自由度の高さというのは中々調整が難しいものだが、本作では細かく目標が定められていたり一つ一つの目的が手軽にクリアできるようになっているので、一般的なオープンワールドゲームの中ではわりと敷居が低い方じゃないかと。これまでのゼルダでは攻略はほぼ一本道だったが、本作ではクリアしなくてもよいダンジョンがいくつもあったり、謎解きの答えへ導く方法も複数の答えが用意されていたりと謎解き関係の自由度も高い。

・マップがとても広いので作る手間は大変だったのだろうが、グラフィックも妥協していない。風の流れや水の流れも細かく表現されており、写実的な方向性のグラフィックではないものの大地の息吹とでもいうか、そういう類いのモノをとても感じるグラフィック。その場所ごとに大きく表現が変化しているので、さらにゲームの世界へ入り込める。

・マップ上で「何かあるかな?」と思って行った場所にはほぼ必ずといって良いほど何かギミックが用意されていたり、「これとこれを組み合わせると新しい使い方が出来るんじゃないかな?」と思って試してみると新しい使い方が出来たりと、プレイヤーの行動がゲームに反映されやすいという作りになっているのは凄い。これらも開発者が想定上だそうで、このアイデアの幅広さには脱帽もの。

・日本語でしっかり喋るボイス付きのムービーばかりだが、ゼルダや英傑達が普通に日本語を喋っていても違和感がなくとても自然。シナリオ面は従来のゼルダらしく王道的ながら、時にはシリアス、時にはユーモアを交えながらのシナリオで楽しませてくれる。

・ダウンロードコンテンツであるエキシパンションパスのボリュームが多く、2500円という追加料金を出しても自分はとても納得できる内容だった。アクション重視の第一弾、謎解き&シナリオ重視の第二弾といった感じで期間を空けて、メリハリがついてるのもなお良かった。最近のゲームはDLCの値段の割にボリュームがヘボいゲームが多かったが、このゲームに関してはそのような事は無く素晴らしい。
まずいザラシ。駄目ザラシ。
・アクション要素を重点的に作られた反面、アクションの難易度が大きく上がっている。比較的力押しが通用した事もあったこれまでのゼルダシリーズのバトルと比べると、攻撃と回避の見極めが大事になっていたり、敵から受けるダメージがこれまでのゼルダシリーズとは比べ物にならないほど多くなっていたりして、アクションゲームが苦手な人だとかなり苦労すると思われる。

・敵が複数出てきたり、町に入ったりして情報量が増えるとフレームレートがガクッと落ちる。しばらくの間画面が固まる事すらあり、フリーズしたのかと戸惑った事が。【追記】アップデートを繰り返した結果、フレームレートが下がる事は減った。最初期の時は画面がピタリと固まってしまう事もあったが、今はそのような事も無くなった。

・環境音がメインとなったのはいいが、そのせいで名曲らしい名曲が無くなってしまったのは寂しい。環境音に近い曲ならではの良さというのもあるが、曲らしい曲が多い方が個人的には良かったかも。

・キャラクターの描写が少し薄いように感じる事がある。敵の親玉らしい親玉がいるが、基本的には遠目から眺めているばかりで、悪く言えば威厳がないように思える。雑魚敵の見た目が色違いなだけの敵が多めなのも気になった。最近のゼルダではお約束の相棒ポジションのキャラもおらず、冒険をしていても少し孤独感がある。

・アクションで出来る事が増えた弊害として、操作が複雑になった。カメラ操作が重要だがボタン操作も必要なので、モンハン持ち(人差し指や中指もコントローラーの前面のボタンを押せるようにする持ち方)になってしまいがち。無茶苦茶なボタンの使い方を要求させられてる訳ではないし、色々出来るようにするために起きてしまった問題なのだろうが。
感想ザラシ。
 大地を自由に駆け巡る事ができ、これまでのゼルダシリーズ以上に自由にハイラルの世界へとのめり込めるようになったブレスオブザワイルド。ゼルダシリーズにしてはかなり異端な作品と言えそうだが、それならいっそのこと新しい事をたくさん取り入れてやろう、としたのだろう。ゼルダシリーズの雰囲気は壊さず、新しい要素を多く取り入れている。

 圧倒的すぎる物量で、物量だけなら他のオープンワールドゲームの方が上回ってる事もあるかもしれないが、他とは比べ物にならないほど細かく作り込まれておりボリュームに関しては突飛して素晴らしい。新しい事に挑戦しようとしすぎたせいかゼルダらしさが薄くなってる点もあるが、一つのゲームとしてここまで丁寧に作り込んでいるゲームを見たのは久しぶりだった

 余談だが、Wii Uが初めて出て来た頃からWii Uでゼルダの伝説が出る事がそれとなく言われていたが、実際に出るまではかなり待たされた…。実際に発売されるとWii UよりもNintendo Switchの目玉ゲームとして捉えたような感じになっていたが、自分はWii Uでゼルダをやりたかったのと、Switchを買えるほどの金が無かったので、Wii U版を買ったがWii Uの不調でプレイ出来なかったアルツ社長から譲り受けた。

 2017年は任天堂ゲームの当たり年とも言える年で、Switchのゲームを始め3DSでも任天堂は数多のゲームを出してきた。どれも高水準に面白いゲームばかりだったが、その中でも最も面白かったのはこのゼルダかなあ…と思う。数々のゲームサイト等で高い評価を受けたり、賞を受賞してきたが、その名は伊達じゃあありません。自分も含める全世界のゲーム好き、ゼルダ好きが長らく魅了されていただけある。まだプレイしていないゲーム好きの方には、是非ともオススメしたい

掲載日:2017年3月20日
更新日:2017年12月27日


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