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ファイアーエムブレムif
メーカー:任天堂
開発:インテリジェントシステムズ、任天堂企画開発本部
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2015年6月25日
価格:各4700円
ジャンル:シミュレーションRPG
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 9 | 10 | 7 | 8 | 9 | 6 | 86 |
陛下っ!素晴らしいですぞ! |
《システム・UI・バランス関連》 ・武器の相性やスキル、更には特効ダメージなど、ユニットや武器同士の相性の差が非常に大きく出るよう変更されたためか、一部の育ったユニットだけによる力押しの攻略が通用しにくくなったように思えるのは好印象。場の状況に応じた適切な使い分けが必要って意味では、前作の単調さを払拭できていると思う。ヌルい方のモードでもそこそこ手応えを感じられるようになったのは率直に、良かった。緩い方でもそれなりに手応えのある作りってのが達成出来ている点は素晴らしい。近年のFEで薄味になっていた一手一手の重さが久しぶりに味わえるバランスな気はする。 ・シリーズ伝統のUIの出来の好さや軽快さは健在で、ストレスを感じさせない作りになっているのは良し。前作よりもシステム面は複雑化したが、特に思考速度が落ちたとかも感じさせず、上々の出来。 ・まぁこれも「いつもどおり」ではあるが、ほぼロードゼロの快適さも嬉しい。 ・武器の持つ特殊効果やヒット時のプラス・マイナス効果やスキルの発動など、テクニカルに立ち回りを要求される事が増えたようには思う。前作:覚醒の壮絶(だけど単調)なパワーゲームに比べると、かなり味付けは変わったかな…と言う印象。シミュレーションゲームとしてあれこれ考えさせられる部分が増えたって意味では歓迎したい。 ・シミュレーションRPGはプレイヤー毎の腕前の差が大きくなりがちなジャンルだけに、難しさの調整やユニットロスト時の判定など幅広い難易度が用意されている配慮は良いと思う。このシリーズに関してはこの部分は徹底してるから言われるまでもないだろうが、初心者やヘタクソさんへの配慮は今後も忘れないで欲しい。 ・白黒分けての売り方には文句はあるが、バランス的に見れば同一内容の色違いではなく、味付け自体が異なる手の込んだ作りであり、そう言った意味では、分けて売ったからこそできた大胆なバランス調整だったのかな、という気はする。 《シナリオ・テキスト関連》 ・たぶんシリーズで初の外部シナリオライターの招聘。FEというシリーズ以上のビッグネームな人を呼んでくる事には不安を覚えた(その人のご機嫌伺いで滅茶苦茶にされそうで)んだが、まぁところどころFEらしくない部分はあるにせよ思いの外、真っ当に出来ていて安心感はあった。 ・支援会話は内容面で少し改善したかなぁとは思った。「収録された声に縛られて薄いんだろ」とか前作の時点でレビューで文句言ってたわけですけども、今回は声が無い代わりにテキスト自体は良くなった。結構ピンポイントな修正点なんで…えーとまさか、FEのスタッフさん、ここのページ(攻略とレビュー)ご覧になってたりします?←(んなわけナイか) 《グラフィック・サウンド関連》 ・地味にムービーの出来は良い。立体視を活かした迫力ある手法は3DSならでは。変にくどくもなく、長さとしても適度な部類か。個人的にはムービーなんてオマケって捉え方だから、当レビューコーナーでも別に大きく加点要素に加えてもいないけど、印象自体は悪くはない。 ・サウンドは前作のテイストの延長上であんまり主張してくる類の曲調ではないけど、出来自体はよろしいのではないかと思う。メインテーマもしっくり馴染んでいて良かった。曲まで変に萌えとか路線に傾かれたら興ざめもいいところだった(苦笑)。 ・前作は立体視が崩れやすく目に来やすかったけど、今回はスタッフが作り慣れてきたおかげか見え方も自然で効果的にも良好。 |
敵襲!そんなんじゃダメですぞ! |
《売り方関連》 ・んー…アレだ、売り方。まずはこの部分に触れずにはいられんですなあ。白バージョンと黒バージョンに分け、選んでない方はDLコンテンツとして2000円で買わせるやり方。そしてスペシャル版と銘打ってやたら少数に数を絞って転売屋ばかりが潤う、この商法。作品自体が良くてもシリーズの看板や任天堂自身に猛烈にヘイトが向かうこのやり方はユーザの神経を逆撫でし過ぎで、あまりにもリスキーなやり方としか思えない。もちろん、筆者としても非常に印象は良くない。しかも海外ではこの売り方しない(≒日本のマニアだけそれだけ軽く見られてる)ってのが余計腹立たしい。ユーザの利益だとかゲームとしての深さではなく、任天堂自身が儲けるため(→利益率の高いDL販売に誘導し、その分利益を上乗せできる)っていう都合ばかりが前面に出た売り方であり、断じて正常なあり方ではない。最近の任天堂って「オタ・マニア向けのゲームならある程度搾取しても許される」って動いてるフシもあり、この部分が非常に危なっかしく、また腹立たしい(苦笑)。 ・amiiboはそもそも需要に対して供給数が殆ど追いついてない。限定版同様にamiiboもボッタクリ価格での転売が常態化していて、一向に改善される見込みがない。欲しい人に適正な価格で行き渡る配慮・施策をしっかり行うべき。これも相当、ユーザ側にとっちゃストレスの元だな。「amiiboが売れてる」とかニヤつく前に、まずは客の元にしっかり届けられるようになってからアレコレ仕込めとか思うんだが。 ・パッケージの時点で結構な搾取仕様なのに、他にも今後色々課金される要素がちらほら見受けられるのは正直どうなのか?確かにこの手の部分に課金しなくてもちゃんと遊べはするけど、アイテムを安く買えるとかゲーム内の資金稼ぎできるとかは、過去作では普通に無課金でできた要素である。前作:覚醒で調子に乗ってガンガン絞りとる課金を継続してくるってあたり、ホント、ユーザもなめられたもんだと思う。 《シナリオ・テキスト関連》 ・オーディン(=中二ウード)、ルーナ(ツンデレのセレナ)、オズワルド(ナンパのアズール)と3名も前作からの流用キャラがいる。子世代を含めると更にずらずらとそっくりさんが湧いてきて、一体どれだけ流用で手抜きなさる気か?性格もまんまで、そのまま絵描いてる人も同じとか…手抜きもいいとこだと思う。覚醒で入った新規さんにはウケんのかな?古参のわしとしては「薄っぺらいキャラ描写の典型だった覚醒子世代から3人も!…とか、冗談も大概にせーや」って感じなんだが。覚醒で新規に入ったファンの中には喜ぶ人もいようが、筆者からすればどう見ても覚醒キャラのそれなんで、この作品に出てる人物と受け入れられず、浮いた存在にしか捉えられない。当然、思い入れもヘッタクレもあったもんじゃない。この手の流用は『個々の人物の描写の深さとか、ユーザ側からの思い入れとか』っていうFEの根幹をなす要素の一つを台無しにしかねないやり方としか思えない。こういう手抜きで数稼ぎは今後は絶対やめてほしい。 ・ってか、覚醒からの流用だらけの子世代出す必要ってあったのかね?覚醒以上に展開に無理があり、また必要性も感じないだけに、その分の労力を別に回して欲しかった。小手先の流用で人気キャラを出せばウケるとでも思ったか?古参エムブレマーとしては断じて否。 ・話がそれぞれでは完結せず、全部遊ばないと何がなんだか判らないってのは、ユーザ側からすれば結局分けたメリットを感じない。意外性ってよりはトンデモ展開が多過ぎて、読み手を置いてけぼりにする事が多い気がする。結局は「面白くなるから」云々…ってのは建前で、利益率の高いDL販売に誘導して利益を確保する事ありきの売り方だったんだよなー…としか思えず。こういう分割商法的な売り方するなら批判が湧かないくらい完全な出来じゃなきゃ行けないと思うけど、残念ながら肝心のシナリオ部分がそこまで優れているとも思えない。題材や触り部分は凄く面白そうだったのに、中盤以降の展開がそっけなさ過ぎて素材を活かし切れてない。正直、「著名なシナリオライター呼んで作って、先日亡くなったいわっち最後の「社長が訊く」でドヤ顔で『僕が話を書いてだいぶマシに』とか豪語してこのレベル?」って感じではある。事前の懸念が当たっちゃった感じであり、触りの部分は悪く無いから「お、案外巧くいったのか?」とか思ったが、やっぱダメだった。 《システム・UI関連》 ・戦闘においては、攻撃や被弾によるバフ・デバフの把握と管理がキモになってるように思うのだが、それが一目で確認しにくいのは改善の余地はあると思う。やたらとプラス・マイナスの効果が氾濫するのに、状況を認識しにくいってのはストレスに直結する要素だけに、もうちょい気を配っていただきたかったところ。 ・キャラ萌え路線へ一気に舵を切った印象。マイキャッスルのなでなで要素は流石に引く…。3Dのモデルがやたらと力が入ってるのが逆に腹立たしかったりも。 |
THE 感想。 |
印象としては前作『覚醒』で叩かれたシミュレーション部分の希薄さとシナリオの薄っぺらさをだいぶテコ入れできてるかな、と言う感じではある。まぁ売り方の部分であれこれと文句を言いたい部分はあるが、ゲームの部分は『覚醒をベースにしつつも前作の穴を塞いできたかな…』、と。派手さは無いけど、バランス取りの部分で過去のどのFEとも異なる立ち回りを求められるって点では新鮮味もある。一手一手の重さが味わえるバランスで、シミュレーションRPGとして薄味なものが続いたFEとしては、久しぶりにぐっとくるバランスだったと思う。緩いながらも単純ではないバランス取りの大胆な変革は、期待してなかっただけに意外でもあり、その点は大いに歓迎したい。 一方で気になる点もちらほら…。前作からのテコ入れ部分として大々的に宣伝されたシナリオ部分が思ったほど良くない…。せっかく掴みの部分は面白そうなのに強引なトンデモ展開やな露骨なお涙ポイントとか、見せ方が安っぽい箇所が目立つ点は残念。あと、親世代の時点で3名いる覚醒からの流用キャラ、子世代を含めると更に倍以上に膨らむってのはいい加減勘弁して欲しい。こんな安っぽい手法でファンが喜ぶと思ったら大間違いだ(まぁ好きな人もいるだろうけど)。 システムやバランス部分は良作以上な一方、売り方やシナリオや前作からの流用・手抜き要素など気になる点も少なくはないかな…といった印象。FEシリーズの集大成って言うよりはあくまで覚醒ベースの新作って感じではある。3つの話を分割して売るやり方も「メーカの取り分が多くなる」以外は機能していない感じだし、正直、次回作からは1本買えばちゃんと済むよう戻して欲しい。 序盤の印象に比べて色々とアラが出てきたせいで印象が悪くなってはしまったけど、まぁ出来としては十分良作クラスには入っておるかと。ほぼ前作のノリのままなんで「覚醒だけはダメ」ってプレイヤーさんに合ってるとは言い難いが、前作覚醒が好きだった方、普通に楽しめた方にならばしっかり楽しめる内容だとは思いますぞ。 |
掲載日:2015年6月30日
更新日:2019年6月25日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 10 | 10 | 9 | 9 | 9 | 6 | 88 |
ひょーっほほほほ!素晴らしいです! |
《システム全般について》 ・主に白夜と暗夜の二つの勢力に二分され、それぞれの立ち位置に沿ってゲームが進められるという試みが面白い。白夜編の時は仲間だったキャラも暗夜編では敵として立ちはだかり、暗夜編の時は仲間だったキャラも白夜編ではもちろん敵となる。全てのルートで共通して仲間になるユニットも少し存在するが、この二つ(に加えて、もう一つ)の対立するルートの存在によって、ゲーム中に登場する同一のキャラクターを、様々な視点で見る事が出来る。 ・ゲームバランスはシリーズ中でも屈指のバランスの良さを誇る。前作の『覚醒』では、『ダブルで組み合わせたリザイア&待ち伏せ&復讐持ちのキャラで地雷戦法』や『疾風迅雷で行動回数増やせるキャラの方が便利』等といった、ゲームバランスが悪い点が多かったが、本作はそこまで明らかに優劣が付きすぎる物が無い。もちろん、やや強めのスキルやクラス等も存在するが、それらだけを使って進めるのは無理なバランスを担っているし、明らかに弱すぎる仕様もあまり無いのが特徴。 ・ゲーム設定に新しく、ユニットが倒されても次のターンでHP全快で復活する『フェニックス』が追加された。初心者救済のためにかなりヤケクソ気味に追加されたシステムではあるのだが、これまでも用意されていた『カジュアル』でも、全くの初心者だとクリア出来ない事も有り得ない話では無かっただろうし、難易度設定などを気にしなければユニットのレベルを一気に上げるのにも使えて便利。 ・さらに、ゲームプレイ中に難易度を下げる事が出来るようになったのも便利。ファイアーエムブレムシリーズはゲームを上手く進められなかった時に、ほぼ進める事が不可能になり詰んでしまう事もあったが、本作のこの機能を使って難易度を下げたりすると、取り合えずストーリーだけでも進める事が出来るようになる。上級者は使わなければいいだけの話であり、ゲームに不慣れな初心者のための救済要素としては大いに良かったと思う。 ・本作はカップリングの自由度が高めで、マイユニットとのみ結婚可能なお助けユニット枠のキャラを除けば、結婚可能な組み合わせが多く用意されているのもカップリングの幅が広がった。 ・兵種ごとに得られるスキルに加えて、個人スキルなるものが新たに追加された。各々のユニットごとに一人一つずつ必ず搭載されているスキルで、それぞれのユニットのキャラ性に沿った性能のものが多いのが特徴。このシステムのおかげで同じ兵種のユニットがいても、十人十色の個性が備わるようになったのが面白い。個人スキルの優劣こそ存在するものの、ユニットごとの個性が出やすい、かなりの良システムだと思った。 ・前作までのシリーズでのUIの良さを引き継いでおり、本作もかなりテンポよくゲームを進めやすい。ロード時間が短いのはもちろんのこと、前作までに引き続き敵ターンのスキップも可能でユニットの育成作業もやりやすい。 《音楽・シナリオについて》 ・音楽の出来はかなり良く、本作ではルートによって曲調が大きく違うのも特徴。主に和風の音楽が多めの白夜編と、従来通りに洋風な音楽が多めの暗夜編、そして幻想的な音楽が多めの透魔編と、物語の舞台に合わせて雰囲気の違いが分かりやすくなっている。メインテーマの『if〜ひとり思う〜』は作中でも様々な形で聴く事になる曲で、かなりの名曲。 ・悪い点で書いているとおりシナリオ面は全体的に問題アリではあるものの、ギャグとして作られている支援会話などはまあまあ面白いものもあった。 《その他の仕様について》 ・マイキャッスルという、それぞれのプレイヤーが好きなように城の要塞を組み立てるシステムが用意されている。オンラインで他人のマイキャッスルへ訪問してその人の城を訪問して素材を貰いに行ったり、自分や相手のマイキャッスルで戦闘を行う事が出来る。マイキャッスルを作る上で扱える施設の数制限がキツいなどの問題点もあるが、他のプレイヤーと浅く広く繋がって楽しむ事が出来るので、個人的には面白い試みだったと思う。 ・さらに、育成したユニットを使ってチームを組み、オンラインで誰かとネット対戦が出来るようになった。取得したスキルの差や育成の度合いによってかなり強弱が生じるのでバランスが良いとは到底言えないものの、究極まで育てあげたユニット達を活躍出来る場を設けてくれたのは良かった。 ・マイルームではふれあい機能として仲間とタッチペンで触れ合う事が出来る。Live2Dを使って作られており、キャラクター達の表情が細かく動くのは凄いっちゃあ凄い。女性のキャラクターはもちろんのこと、男性キャラクターや、本編でユニットとして仲間になっていればオッサンやジジイキャラとも触れ合う事が可能。ファイアーエムブレムのゲーム性と合っていないのではないかとか、需要が一部の層に限られるのではないかなど、存在意義を微妙に感じる点もあるが、ふれあい機能そのものはそこそこ上手く出来ている方だと思うし、かなり恥ずかしい台詞もよく喋ってくれるので、技術自体はまあまあ凄いとは思う…(笑) |
ひいいいいっ!?まずいですよ〜っ! |
《有料DLC・システム・UIについて》 ・前作に引き続き、本作でも有料DLCにやストーリーの追加購入等よる細かな搾取が見受けられる。使わなくても購入した白夜or暗夜のストーリーを進める事は可能ではあるものの、明かされない謎や伏線があまりにも多く、3つのルートを全て買ってプレイするのが前提の作りになっており、プレイヤーからすれば追加購入の手間が生じるのであまり喜ばしいとは言えない。 ・ゲームを極めるために必要な資金稼ぎや錬成のための武器稼ぎなどは普通にプレイしてるだけではあまり獲られず、オンライン込みでゲームを極めようとする場合はDLCによる稼ぎをやらないとかなりキツい。オンライン周りや有料DLCのこれらの要素さえ触れなければ、ゲームバランスの評価はシリーズ中でも最高レベルに評価出来たのだが…。 ・ゲームのシステムが全体的に複雑になっており、完全に理解しきるまでが中々大変。従来作よりも能力のバフ・デバフをかけるのが重要になっており、クラスごとの特性や、マップごとに大きく異なる形で用意されているギミックも駆使して進める必要があり、戦略の奥深さを楽しめる反面で難解さもかなり大きくなっている。本作ならではのシステムもかなり多く、ファイアーエムブレムシリーズをプレイしていた人でも本作のシステムを理解しきるのは少し苦労する。 ・能力のバフ・デバフの増減がパッと見た目では分かりにくいのがやや辛い。場の戦況を理解する必要が特に重要な作品なだけに、ステータスを理解しやすいようにしてくれていれば最高に快適だったのだけども。 《シナリオ・テキストについて》 ・主人公のマイユニットに限り、新たに同性婚が可能になっている。しかし、同性婚をすると本来は生まれるはずの子供が生まれなくなり、旨味が一気に減ってしまう。さらに、同性婚が可能な相手も限られており、男と女でそれぞれ一人ずつしか用意されていない。好みの同姓を選べる訳でもなく、性の多様性へ配慮するとしても、どうにも配慮をする方向性が間違っていると思う。 ・それぞれのルートの話のさわり部分だけ見れば面白いシチュエーションではあるのだが、ゲームを進めるごとにストーリーの問題が見えてくる。ご都合主義満載な展開や超展開が続いたり、登場人物達も一癖二癖あるキャラが多い。主人公達の行動の動機がシーン毎に大きくブレている事も多く、どうにも物語への感情移入がし辛い。感動的な展開を作ろうと無理に話が進められる所も多く、ハッキリ言って全体的なストーリーの出来はあまり良くない。 ・同じ国の汎用親世代の異性であれば基本的に誰とでもカップリング可能になったのだが、前作に引き続き展開が急すぎる支援会話が多い。白夜側のユニットは『恋人になろう』で会話を締め括るものが多いのでまだ違和感が少ないものもあるが、暗夜側は完全に『結婚しよう』で締めてるものが多く、一つ前の支援会話ではまだ友人関係止まりだったのに急に夫婦関係へとなるものが多く、あまりのスピードにプレイヤーが追いて行けぼりになる。 |
さあさあさあっ!感想ですよ〜! |
本作ならではの新要素はかなり多めで、従来のファイアーエムブレムシリーズとは違う点が非常に多い。普段の戦闘面で深く関わる攻陣・防陣や、バフ・デバフの仕組みなど、本作ならではで追加された戦闘関連の新要素はかなり面白いものが多かった。バランスや戦略の奥深さなどはシリーズ中でもトップレベルなほどで、ガチゲーマーの自分にとってはとても楽しめた。 シナリオや有料DLCなどゲームの売り方など、やや微妙なものや、問題アリな仕様も見受けられる。ただ、売り方としてはそこそこ成功した方に入るらしく、後に発売されたファイアーエムブレムシリーズも前作の覚醒や本作の売り方に近い売り方が継続されているのは残念。 問題点も多く、肯定的な意見ばかりは言えないのは間違いないものの、それだけ自分がファイアーエムブレムシリーズ及び本作に対する思い入れが強いという事なので、本作の事を貶している訳ではないので悪しからず…。むしろ普段の戦闘に関しては自分はかなりドはまりした方で、オフライン限定のみの縛りプレイで高難易度をプレイした時の中毒性はシリーズ中でも随一。強い組み合わせを考えるカップリングや戦略等についても語る事が非常に多いゲームで、タクティカルなゲームとしての面白さを重視して遊ぶ分には、かなりお気に入りの部類に入るファイアーエムブレムだった。 |
掲載日:2019年6月25日
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→ 縮緬遊戯堂 ファイアーエムブレム攻略 ファイアーエムブレムif
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