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マリオカート7
メーカー:任天堂
開発:任天堂情報開発本部、レトロスタジオ
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2011年12月8日
価格:4800円
ジャンル:レース


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3DSカートリッジ

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 9 9 7 10 8 92
プレイ時間…700〜800時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ヨイノ・ダ・マジデ大統領
・新鮮味こそ薄味なものの、ゲームバランス自体はスキが無く、完成度は非常に高いかと。一見運任せに見えがちなゲームバランスもプレイヤーの熟練度合いがしっかり結果に結びついてくるような調整がなされているし、多人数での対戦もオンラインなどで気軽に行える。驚きは無いが抜群の安定感。過去作で気になったバランスブレイカー的な要素(直線ドリフト、バイク一強のバランス等)が無いのも好印象。極悪なショートカットは存在したものの、アップデートで塞がれてオン対戦では使用不可になる等、対策された点も評価できる。

・カートのパーツのカスタマイズは程よいアクセントになっている。他のレースゲームに比べるとシンプルでとも言えるが、見かけ重視で適当に選んでも何とかなる一方、とことん性能を追求するのもアリ。「万事においてこの組み合わせが鉄板!」と言う万能な組み合わせが存在せず、どのような組み合わせでも腕次第で逆転可能なバランスも評価点。割と大胆に性能をいじれるので、これまで「重量級のキャラが加速が鈍くて使いこなせない」とかの悩みもスパッと解決する。個人的にはゴリラ(DK)を加速寄りの設定にして軽やかに飛ばすのがお気に入りだったり。

・これまでは規定回数周回するコースしかなかったマリオカートだが、今回『凄く長くて1周だけ』タイプのコースが新登場。結構遠景まで描き込まれていて、ドライブしてる感がアップ(後述の欠点もあるので純粋に良いだけとは思わんが)。

・秒間60フレームを維持しつつもしっかりグラフィックは過去作よりグレードアップしており、3DSの初期のゲームながら同ハードのレースゲームの中では映像面でもトップクラスの出来と言える。また、3Dの見え方が自然で目が疲れない。3DS初期のタイトルなんかだと、一部は長時間遊んでるとホント目が疲れたものだが、今回はある程度まとまった時間を遊んでも像が二重にぶれたりしないのが良し。

・150ccのCOMが鬼なのは伝統とも言えるが、緑甲羅を狙いすまして当てに来たり、攻撃を的確にガードしたり、賢くなったのが目立つ。細かい点だけど、そう言った作り込みが不自然さを失くす上で重要だと思う。COMにしかできない不自然なテクニックとかは困るが、水面下のAIの地道な作り込みなら歓迎したい。

・オンラインモードは相変わらず気軽に楽しめる。今回は逃げ行為(負けそうになると切断して消える)にペナルティも課されるので不愉快な思いをすることも減った。

・すれ違い要素もほんのりアクセントになってて◎。
アィヤ・ダメナンデス外相
・グランプリでタイムが一切表示されんのも大胆に削り過ぎって感じがする。せめて表示の切り替えとか出来てもいいような。タイムアタックでマシンとパーツの組み合わせが表示されないのも不親切な気も。

・他メーカのゲーム込みだと別に長いってくらいでは無いけど、任天堂作品・マリオカートって括りで見れば過去作よりもロード時間は長い。

・ウーフーアイランド等、ロングコースは平坦で仕掛けが少ない事もあり、走っていてちょっと退屈に感じる部分もある。見た目や風景が凝ってるのは嬉しいけども、どちらかと言うと実際のゲーム内容に反映される“ギミックの濃さ”を優先して欲しかったなあ、と感じる事も。

・一部キャラの人選が謎。中でもワルイージはコース(ワルイージピンボール)があるのにキャラ本人が居ないなど、チグハグ感も。マリオカートって割と毎回謎の人選だったりはするけども(笑)。
トリア・エズ・カンソ・ウダッチャ大尉
 据置機・携帯機向けとしては『マリオカート』シリーズの7作目にあたる作品。

 「何ぃ?水中だの空中だの走るって?イロモノくせえなあ、大丈夫かナァ?」なんて発売前は微妙に不安視しておった新要素だが、思ったよりしっかり馴染んでいる…と申すか、しっくり馴染み過ぎていて逆に新鮮に感じなかったりするから不思議。ま、このシリーズは2作目の『64』からずっと『うむ、新作なのに新鮮味ねえなあ!』がある意味伝統だったりするからいいですけども。

 まあ、新鮮味が無い事を除けば、ゲームとしての完成度はシリーズでも有数の高さな事は間違いない出来。マリオカートシリーズとしては3作目の『アドバンス』以来、久しぶりの任天堂社外とのタッグ(今回は『メトロイドプライム』・『DKリターンズ』のレトロスタジオ)での共同製作ながら違和感の無い仕上がりで、ゲームバランスはシリーズ随一と言える程良好に成り立っている。ゲームモード自体は携帯機の前作にあたる『DS』よりも減ってしまったのだが、長く楽しめる工夫はしっかりなされているので、それほど大きな欠点ともならず。ニンテンドー3DSユーザーならば是非とも買っておきたい安定の一本。後にWiiUで出た『マリオカート8』よりもこちらの方が俄然完成度は高いと思う。オススメですぞ。

掲載日:2011年12月5日
更新日:2022年10月18日


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