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メタルマックス4 月光のディーヴァ
メーカー:角川ゲームス
開発:クレアテック
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2013年11月7日
価格:6648円
ジャンル:RPG


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ソフト 攻略本

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
4 7 6 8 7 8 5 69
プレイ時間…50〜60時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いある!最高ある!
・まずあまりに奇抜で手に取りにくいパッケージ・キャラデザインとかで引くワケだが、遊んでみれば案外気にならず、いつも通りにしっかりメタルマックスとして遊べる内容ではある。今回は見た目はショボい分、いつも以上に『古き良きRPG』って印象は強い。

・過去作ではやや突き放し気味だった内容だが、今回はゲーム内で各要素についてしっかり説明があり、新規客に優しい。過去作よりも自由度は下がりある程度レールに沿った動きを求められるが、逆に言えば迷いづらくなった、とも言えるかも。まぁ多少下がったとは言え、自由度って点では依然かなり高い部類には入るのでは。

・戦車やバイクをあれこれいじってカスタムできるのがこのシリーズの面白さだと思うが、過去作と比べると地雷やらワナとも言えるような明確なハズレルートが無いんで、自由に楽しめて良い。カスタムの方向性次第では突き抜けた性能にもできるし自由度もある。そういう意味では過去作の欠点を巧く解消できてると思う。あれこれ極めて行けば強い弱いは出てくるだろうけど、まぁ道中楽しむ程度であれば色々選択肢が用意されてるのは良いと思う。

・ある程度進めると自由に動けるながらも、何をやってもそれほど詰む事が無いって点では、豪快さと共に意外とバランスも練られてるって言えるのかも。

・テキストやらシナリオの描写やら、どこかぶっ飛んだテイストが感じられるって意味では亡きデータイーストっぽさは健在とも言えるか。ゲーム中通して奇人変人だらけで奇抜もいいとこだし、これはこれで変な味があって良い(笑)。
うー最悪だ。がががーー!
・全体的に良くも悪くも作りは「古臭い」。悪い点としてはゲームとしての見栄え・作りがPS1後期〜PS2初期くらいで現行のゲーム機からすると軽く3世代くらい遅れとるとしか思えん点。3Dポリゴン化したのは良いが殆どアクションはなく飛び跳ねるだけ(前作みたいなドット絵だと気にならんが、ポリゴンキャラでそれをやられると途端にチープな人形劇にしか思えなくなるし…)、キャラ造形がムービーと通常時でやたらと差があり同じ人物と認識できない、意味のワカラン状況で突然ムービーが始まったりする、ボイスの有無でキャラ格差あり、戦闘でのカメラワークが恐ろしく悪い(頻繁に他のキャラにめり込む)など、ポリゴン黎明期の時代のRPGが辿った欠点をそのまま内包しとる印象。

・キャラクターのデザイン自体も(悪いけど)古臭い印象は拭えず。変に萌え要素とかに傾倒してない所は好感は持てるけど、なんか前衛的な方向にすっ飛んで行っちゃって、これはこれで非常に客を選ぶような絵柄になってしまってるのは否めず。また、汎用キャラは絵柄が違う旧作のイラストがそのまま使われており、手抜き感もかなりある。

・個人的にはメタルマックスのコアなファンってくらいでも無いから従来作よりも下がったっていう自由度に関してはあんまり気にならんかった。ただ、パーティメンバー、特に男性キャラの加入する流れに対してあんま良い印象を持てなかったり(そもそも描写が足りんまま始まる主人公とか、同じくキャラの背景が語られる事の少ないウキョウとか、軟派なだけでこれがどうして同行するか判らんラロとか)。

・中盤あたりで賞金首クラスの敵が普通にエンカウントで出現し、それが同時に複数前後から攻めてきて逃げられず死亡確定…ってのが結構ある。これは…流石に理不尽としか言えない気がする。

・グラフィックは3DSの標準レベルからかなり下に感じるんだが、それでも立体視にはほぼ非対応。そんな描画に負担のある内容には思えんだけに対応してて欲ししかった。ちょっと残念。

《減点要因にしてないけど気になった点》
・やたら盛り沢山なDLコンテンツ、そしてその売り方。まぁ無くても進めるからどうでもいいって言えばどうでもいいのかもしれんが、DLCでしか遊べん賞金首がやたら沢山いたり、どうも仕込み方が悪どい気はするのよね。
だってこの感想、ちっとも強そうじゃないんですものウフフ。
(セーブ受付のお姉さん風に)
 なんかやたら色物臭いパッケージのパッと見でかなり損してる感じがするのだが、内容的にはニンテンドーDSで出た『3』や『2Re』を順当にパワーアップさせた感じ。古風かつやたらと荒っぽい内容なのだが、その一方でどこか毒だのパロディだの含みまくりでユニークなスクリプト部分やら、豊富なやり込み要素やら、しっかり骨太なゲームとして成り立ってる点は安心した。

 万人向けからは程遠い存在なんだろうが、古風かつ風変わりな作品を求めるジジイ系ユーザを満たす内容には仕上がってるとは思う。色々と粗末な点が多いから手放しで褒められる内容でもないと感じるが、やり込む程に「意外とイイネ」って思える点に関しては流石、と言った所かねー。

 一方、気になった点と言えば、毎度の事ながらバグが多い点、更には細かい部分での操作性の悪さなど。今回からボイスやらムービーやら入った訳だが、本作みたいな古典RPGに求められてるのは演出部分じゃないと思うし、そこよりはバグやら何やら品質面の方に注力していただきたかったし、どうも力の入れどころ(≒カネかけるべき部分)は間違ってるよーな気はした。

掲載日:2017年5月22日
更新日:2019年1月29日


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