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ファイナルファンタジータクティクスA2
封穴のグリモア

メーカー:スクウェア・エニックス
機種:ニンテンドーDS
発売年月日:2007年10月25日
価格:5040円
ジャンル:シミュレーションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 9 6 7 7 9 7 83
プレイ時間…400〜500時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
最高じゃ。
《システム・バランス部分》
・前作よりはロウの制限がゆるくなり、破ってもユニットが没収されず、一部恩恵が得られないだけになったのは良かった(前作はペナルティが厳し過ぎると感じていたので)。

・ユニット育成の自由度は高く、ちまちまと経験値を稼いで思い通りの性能を持つユニットを作り上げる過程が楽しい。そういう意味では良い作業ゲーと言えるのカモ。

《快適性》
・ニンテンドーDSの作品なのだが、無理にタッチペン操作にしなかったのは良かった。この手のジャンルで無理にタッチペン操作にすると地形の陰のユニットが極端にクリックしにくかったりするし。

《演出部分》
・ドット画によるグラフィックが綺麗。特に背景の描画が前作より大幅に細かくなった感じ。派手さは無いが温かみがあって良い。

・サウンドもニンテンドーDSになって音質が良くなり、重みが増した。順当にパワーアップしていると言える。前作からのアレンジ曲が多めって意味では懐かしさも。

《シナリオ》
・人が死なないストーリーで全体的に和やかな雰囲気(終盤はそれなりにシリアスな場面もあるけど)。FFT本編側とも直接の前作にあたる『タクティクスアドバンス』ともだいぶ趣は異なるが、これはこれでいい。明るい雰囲気の事が多いが、場面によってはシリアスな展開もあり、メリハリは効いている。

・物量は相当のものでクエストをやり込もうとするとホントに長時間遊ぶことができる。クエストのバリエーションも豊かになっている。
いかンぞい。
《快適性》
・前作同様、キャラのアクションや移動の演出は遅く、テンポは今一つ。また、敵AIの思考が敵キャラ同士のパラメータアップやプレイヤー側へのステータス異常攻撃を最優先で行ってくるため必要以上に戦闘が間延びしてダレる(フツーに攻撃して来た方が効率的な場面でもわざわざ状態異常攻撃ばっか仕掛けてくる傾向が強め)。

《システム・バランス部分》
・種族や職種やイベントで仲間になるキャラが増えたのに仲間にできる最大人数は前作並みの24人しか確保されていないので、名前付きのキャラで枠が埋まってが一杯になってしまうのが惜しまれる。

・ロウの中には「盗まれ禁止」とか「ミス禁止」とか完全に運絡みのものが紛れている。ユーザー側がどうしようもない条件を盛り込むのは理不尽としか言いようがないのではなかろーか?

・MPが必ず0から戦闘が開始し、ターン毎に10Pしか回復しない関係上、MPがほぼ死にパラメータになってしまった印象。

・前作から調整が入った部分もあるが、ジョブ・アビリティ・種族のバランスは相変わらず今一つ。強クラスの多いヴィエラ、2回攻撃が可能なヒュム辺りが強い一方、魔法のみ&スピードが遅いンモゥは前作以上に弱い。

《シナリオ》
・脇道のクエストの物量が非常に多い一方、本編のシナリオはかなり短い。本編だけ追っていくとボリュームはかなり控えめ。
感想じゃい。
 任天堂携帯機版のファイナルファンタジータクティクスA系の新作。目新しい要素はあんまりないが、バランスや演出部分を中心に各パートが順当にパワーアップしている印象。一方、相変わらず戦闘の展開がスローペースなのは気になった。

 全体としては前作の延長上にある、真っ当な続編と言える。長所も短所もそのままなので前作が気に入った人向けの内容かと。携帯機向けの作品としては圧倒的な物量があるのは評価できますな。

 個人的にはFFT本編よりもユルい内容で好きなのだが、本シリーズを手掛けた旧クエスト系のスタッフの退社でシリーズ自体が実質打ち止めになっちゃった感があるのは残念ではある。

掲載日:2007年11月6日
更新日:2021年5月11日


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