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マジカルバケーション
5つの星がならぶとき

メーカー:任天堂
開発:ブラウニーブラウン
機種:ニンテンドーDS
発売年月日:2006年6月22日
価格:4800
ジャンル:RPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 6 4 5 6 6 5 57
プレイ時間…20〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いとこだYO!
・ムダに属性の種類が多く、その相性も分かりづらかったゲームボーイアドバンスの前作に比べると、属性もシステムも大胆に簡略化され、分かりやすいさって意味では向上したかな、とは思う。

・カセットが2本無いと属性コンプリートできなかった前作に比べると良心的で真っ当な仕様になった(アミーゴで手に入るモノがどうでもいいものになった、って意味で)。

・グラフィックのレベルは高い(キャラなんかの描画は前作と路線が違うっぽんでわし的には前作の方が好きだが)。背景や自然物等の描き込みが細やかかつダイナミックで見応えあり。

・ニンテンドーDSの初期では貴重なRPG。色々簡略化されてはいるが、それでも骨太さは残っているかな。
悪いとこだYO!
・前作はシステム的にゴチャゴチャして分かりにくいのが難点だった反動なのか、今回はやたらとバッサリと色々要素を省いているのだが、今度はバッサリやり過ぎてる感あり。シンプルになり過ぎていて、どうも底が浅くなっちまった印象がある。んで、シンプルになってはいるが、変なアクの強さ自体は残ってるので、オーソドックスとも言いにくい。結果、前作からのファンも新規さんも取り込み損ねる『二兎を追う者は一兎をも得ず』状態になってるよーな気がするのよね。

・DS初期では貴重なRPGではあるが、物量自体もGBAの前作から大幅にスケールダウンしてしまった印象。

・タッチペン操作の強要が鬱陶しい。快適に操作できるんならまだ良いのだが、移動に変な慣性がかかっていたり妙なクセがあるせいで操作がやりづらい。ってか、ニンテンドーDSは普通にボタン類も備えていて、本作もトリッキーなギミック先行ではなく既存のRPGスタイルなのに、タッチペン操作を強要されるのがどうにも受け入れ難い。必然性の無いモノを押し付けられるのがどうもイヤなのよね、わしゃ。

・個々のメンバーの心情の描写など掘り下げ方が丁寧だった前作に比べると、今回は色々端折り気味。そのクセ、全体的な雰囲気はひたすら暗くて中盤以降なんかは展開がひたすらジメジメしとるのがナントモ…。描写が浅いのに何となくジメジメ…ってなんか納得できんのだが(苦笑)。

・前作から続投してるのに設定が変わり過ぎてる人物・世界観設定が多く、なんか違和感が大きい。ここまで色々変えちゃうんなら、新しいキャラ・設定でリスタートした方が良かったと思う。

・グラフィック自体のレベルは高いと思うが、ドット絵の描写が前作よりベタ塗りでノペっとしていて、なんかブラウニーブラウンの作風らしくない気も。前作の細やかなグラデーション路線の方がキレイだったと思うんだが……予算・納期でなんか制限でもあったんかね?

・すれちがい通信は本作を持ってるユーザが極端に少ないせいか、結局1度も発生しなかった。ま、あのドラクエ9でも殆ど発生しなかった級の田舎じゃやっぱムリかな…(笑)。
感想でござーる!
 ハードをニンテンドーDSに移してのマジカルバケーション新作。
 ブラウニーブラウンの尖った作風をまろやかにした結果、個性まで失われてしまった印象。んー、あのクセの強さが良かったと思うんだが…色々とありきたりな上に操作性の部分がダメダメで、一気に凡作まで落ちぶれちゃった印象が強い。ゲームボーイアドバンスの前作、好きだったんだがなァ。個人的には些か残念であった。

掲載日:2018年9月22日


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