北斗の拳
メーカー:東映動画
機種:ファミリーコンピュータ
発売年月日:1986年8月10日
価格:4900円
ジャンル:アクション(2D・横スクロール)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
5 2 4 6 4 6 42
プレイ時間…7~8時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
アタァ!ホァァァッタァァァッ!!
(注:うむ。良かろう)
・やたら質素な部分が転じて、世紀末的な雰囲気は割り合い出てると言えなくもない。

・特定のボスに対し特定の手順を踏んで攻撃を入れるとその場面限定の奥義が出るとか、ムダな部分で妙なコダワリを感じる。容量を考えれば相当な贅沢だと思うが、その部分よりは基礎部分に力を入れて欲しかった気も。

・バランス部分は褒められた内容じゃないが、挙動の部分だとかゲームとして致命的なまでに破綻してるってほどの要素は思ったより少ないので、一応普通に遊べる。

・原作では一雑魚の断末魔に過ぎなかった『あべし!』がメジャーになったのはこのゲームの存在が大きいらしい…とか。…ホントだったら凄いな。この出来で150万本売れ、更に1本のカセットにつき複数ユーザがついていた(自分は持ってないけど友達の家で遊んだ、とか)とすると…あながち嘘でもないのかも…!?
我が生涯に一片の悔いな…!ま、待った、結構あるわ。
(注:悪いところと思われる)
・原作では完全なる味方キャラだったリンとバット(とメーカ側が主張する扉にパッと出で現れる人物)が嘘つきまくり(間違ったルートに誘導してくる)。初期のバットとかスレてるからまだ理解できなくもないが、ピュア・ハートで正義感のカタマリみたいな少女リンが平気でケンシロウに嘘つくってのはかなり抵抗があるが…。当時のジャンプの攻略コーナーに『ケンシロウを傷つけないためにあえて嘘をついている』と苦しい弁解があったが…少なくともプレイヤーはしっかり傷ついている、間違いない(苦笑)。

・音質が悪い上にやたらと高音のビープ音が多用されるなどなど、強烈に耳障りなサウンド。ピロピロ音が酷い。ケンシロウのパンチ・キックが『ピピピピピピピピピ…』。アニメ版のアタタタタ…の再現なのかもしれんがもうちょっと何とかしてほしかった。

・扉に入るコマンドが妙に複雑。AとBをしっかり両方押した状態で十字上を入力しないと駄目なのが謎(十字キーの上を押すだけじゃ駄目)。十字キーとの組み合わせで出す技なんてしゃがみパンチ・キック以外無いから、別にコマンドが化ける恐れも無い気がするのだが。

・東映動画自らのゲーム化なのにキャラの造形やアニメパターンがガッカリレベル。敵もケンシロウも死ぬ時は片脚をパタパタと痙攣させながら斜め45度の方向に飛んでくのがまたシュール。背景パーツが使い回し過ぎて建物の形になってない建物が多数。いやー、アニメのプロの会社なんだし、せめてもうちょっとグラフィックは頑張って欲しかったような…。ま、それだけアニメとゲームは別分野でノウハウが活かせないって事なんだろうが。
アタタタタタタタタ…!(注:感想であろう)
 人気漫画『北斗の拳』のゲーム化。東映アニメーションのデジタル化路線の一環で作られたとかどうとか(って違うか)。アニメを手掛けた会社から出てる割にグラフィックはチープでサウンドも耳障り系のピロピロ音。そしてバランスの部分は大味。ただ、全体的にアバウトでいい加減な作りではあるが、致命的に駄目な部分までは無いから一応遊べなくはない。まぁ正直、同時期のバンダイあたりのキャラゲーよりはよっぽど遊べる内容な気もする。妙な部分で原作の再現にこだわってたり、ちょっと力の入れどころが間違ってる気もするが…。昔の北斗ゲー、少なくともファミコン~スーパーファミコンで出てたのはロクなイメージ無いな…。最近のでもPS3/360の『北斗無双』なんかは微妙な出来だったから、どうもこのシリーズ、良いメーカとの巡り合わせが無いらしい。

 まぁ『クソ』に片脚ツッコんでるのは別にこれに限った話でもなく、ジャンプ系の漫画アニメ全般、出来はイマイチ、ネームバリューだけで売り抜け…ってのが昔も今も多過ぎるけども。良作の範疇に入るのが任天堂から出てるDS『ジャンプスーパースターズ』シリーズやメガドラの『幽遊白書』等、ごく僅かに留まってるのはちょっと悲しい話だったりもする。集英社さん、安易な金儲けにしか興味の無いバンダイとかよりは、もうちょっと品質管理の行き届いたメーカさんに製作をお願いした方がいいと思うんですけどねェ。

掲載日:2015年2月9日
更新日:2018年5月22日


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