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MOTHER
メーカー:任天堂
開発:エイプ、パックスソフトニカ
機種:ファミリーコンピュータ
発売年月日:1989年7月27日
価格:6500円
ジャンル:RPG
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 10 | 7 | 9 | 5 | 8 | 9 | 83 |
いいねぃ!たまらんぜぃ! |
・80年代のアメリカをモデルにした世界観が当時としては非常に斬新だった。よって、剣ではなくバットやフライパンで敵を殴り、魔法ではなく超能力で退治する。中世ヨーロッパ風、もしくはSF風味のものが大半を占めていた当時のRPG(と申すかゲームそのもの)の中ではとっても斬新な感じがしたものですな。ポルターガイスト現象で動き出した人形やら、動物園から逃げ出した猛獣やら、暴走したトラックやら挙句の果てには宇宙人やサイボーグやら何でもアリの敵の面々もユニーク。続編にあたる『2』とは雰囲気やセンスの良いセリフこそ似ているけど、こちらは微妙なホラー風味も感じられる。いい味出してますネェ。ゲームから半分脱線してるような糸井氏のテキストが良い味。 ・ムーンライダースの鈴木慶一氏と任天堂(現クリーチャーズ社長)田中宏和氏の手によって生み出されたサウンドが秀逸。曲そのものの出来の良さとファミコン音源のショボさのハンディを感じさせない演奏法で巧みにカバーしたBGMは超一級品。ちなみにCDも出てますぞ(サントラじゃなくて、ボーカルとか入れて本作のBGMを曲として収録し直した物)。 ・見た目は違えどもお手本となっているのは『ドラゴンクエスト』などのRPGなので、シンプル・オーソドックスで慣れ易い。一見変則的に見えるが実際は奇をてらったスタイルではないゆえ馴染みやすい。ストーリーを楽しむことに集中できるって意味ではありがたい。 ・同時期のRPGと比べると攻略の自由度がかなり高く、序盤を抜ければ割とどこでも行けてしまうって意味ではなかなか斬新ではあった。フィールドの広さを感じやすい(…と申すか、実際にフィールドもダンジョンもやたらと広いのである)。 |
べらんめい!いけねえぜぃ! |
・全体的にバランスが大味。戦闘では敵、味方共にややクリティカル率が高過ぎる印象がある。終盤の敵のインフレっぷりはドラクエ2をも凌駕するレベル。システムがドラクエ風だけにバランスの悪さって部分でもろにドラクエシリーズよりも見劣りしてしまう。また、終盤習得するPSI(他のRPGでの魔法にあたる)の効果が強過ぎて戦闘が味気無くなってしまう。 ・自由度が高いことが災いして主人公のレベルがまったく足りないうちに隣の町に行って惨殺されたりするのはちょっと不親切かも。道にも迷いやすく、総じてバランスがキツ目の方向でやたら辛い調整。コリャ泣けます。もう、とことん泣けます。パーティメンバーは主人公(ニンテン)以外は弱いキャラが多く(→スポット参戦のキャラは軒並み強いのだが、メインとなるロイドとアナが弱い)、そのため戦闘は終始しんどいイメージが強い。『エンディングまで泣くんじゃない』ってこの事かって思うくらいしんどい(苦笑)。 ・シリーズ共通だが、エンディングは詳しい描画を省いてプレイヤーの想像に任せるスタイル。ブツッと途切れてスタッフロールへ…って感じなんで、もうちょっとちゃんと描いて欲しかったトコではある(個人的にはこの手の「想像に任せる」タイプってあんま好きじゃなく、きっちり言及してて欲しいタイプであり)。 |
感想じゃい。 |
『エンディングまで泣くんじゃない』のコピーはウソじゃない!コピーライターの糸井重里氏による感動のテキスト/ストーリー(と終盤の極悪な難易度)で泣ける事必至の名作ですな。難易度的には荒削りでところどころ辛い箇所もあるけれど、記憶に残る手の作品であることは間違いナイ。 ファミコン版はカセットの電池切れ等で今遊ぶにはリスクがあるんで、ゲームボーイアドバンスで出た移植作『MOTHER1+2』、3DSやWiiUのバーチャルコンソールが手っ取り早い。GBA版はサウンド面の劣化とソフト自体のプレミア化で手を出しにくいんで、1000円以下で買えるVCがおすすめではある。 |
掲載日:2005年1月14日
更新日:2021年10月26日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 9 | 6 | 8 | 5 | 8 | 9 | 80 |
ぽえーん。ここはいいです。 |
・基本的なシステムは当時流行りであったファンタジーRPGとは違い、アメリカの片田舎のような雰囲気になっている。そのテの雰囲気の映画や小説は昔から多く、そういうのが好きな方々はもちろんファンタジーなゲームが好きな人にもわりと受け入れられやすいクセのない世界観である。 ・全体的に心が切なくなるような音楽ではあるが、かなり名曲が揃っている。その場の状況にかなりマッチした曲が多いので、曲もMOTHERの大きな魅力に匹敵する。 ・糸井重里氏の独特の台詞まわしやイベントはゲーム内のあちこちに散りばめられている。笑えるものから心にくるものまで多種多様な表現でゲームの世界へと引きずり込めさせられる。 ・ドラクエ等では全体マップと町マップが別の扱いで、全体マップでは主人公とほぼ同じ大きさの町だったりして微妙に違和感を覚える事があったが、MOTHERは基本的に全て同じになっており移動に関する違和感が少なくなった。 |
ここはだめです。ぐんまけん! |
・全体的な雰囲気が重い。マップ全体の色合いがあまりカラフルでなく、人がいない施設や不気味な雰囲気が続く事が多く、わりと長い間主人公一人で行動する点や物語も重い感じなので、全体的に息が詰まる感じがするかも。 ・始まりから終わりまで敵が強めで、特にラスト付近は桁違いに敵が何故か強くなる。さらに敵と遭遇しやすいような出来になっており、敵との戦いが嫌になってくることがある。クリアだけが目的なら終盤は敵とは戦わず逃げまくった方がいいくらいである。 ・移動速度は他のゲームとそう変わらないくらいなのだろうが、如何せんマップがかなり広いので移動が面倒臭い。後半にならないと電車やワープといったものが手に入らないので移動関連の快適性はあまりよろしくない。 |
かんそうです。ぽてんしゃる! |
初めてMOTHERをプレイしたのは小学生時代だったがMOTHERはスマブラから入ったクチなので、初代にはまだどせいさんが登場していないのが少し残念だった記憶がある。 当時のゲームとは一風変わった雰囲気のゲームであり、音楽やイベントが切ない雰囲気であるのが面白いのはMOTHERの最大の魅力か。ゲームバランスが悪かったり操作性の悪さが目立ち、全体的に荒削りなように見受けるが、荒削りでありながら奥深いという謎の魅力を秘めているゲームである。 |
掲載日:2016年6月13日
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