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ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者
メーカー:任天堂
機種:ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売年月日:1988年4月27日(前編)・8月12日(後編)
価格:各2600円
ジャンル:アドベンチャー
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スイッチさん版リメイク 続編も同梱のSP版 |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 9 | 8 | 9 | 8 | 7 | 9 | 82 |
いいところじゃあ! |
・怖さがウリのゲームはグラフィックだとかサウンドだとかの演出面、もしくはプレイヤーが弱い事(できる行動が限られている)等で表現されてることが多いのだが、この作品の怖さは純粋にテキストの積み重ね・展開の巧みさ・雰囲気で攻めてくる出来。描写が丁寧で没入感のレベルは高く、高品質なドラマでも見てるような感覚で楽しめる。世界観の構築の手法は見事の一言。探偵モノ自体は珍しくないが出来は一級品。ありがちで陳腐な物では決してない。 ・場面ごとにアクセントを効かせたBGMはいい仕事をしてると言える。 |
イカンのじゃあ! |
・基本的には総当たりタイプの古典的アドベンチャーなんで、遊んでて刺激があるってタイプでもないかな。純粋にシナリオを楽しむ型…と申すか。 ・絵柄が典型的な80年代のアニメと同じテイストで、発売当時でも若干古さを覚える感じではあった。 ・前後編に分割されてるのが面倒と言えば面倒。パッケージで揃えるとなるとディスクとは言えども結構お高くなるのよね〜…。 |
感想でありんす。 |
典型的・古典的なテキストタイプのアドベンチャーゲームでシステム的には特別新しい事はやっていないと思われるが、全体的に見せ方は巧い。遊んでいて緊張の糸が切れないような展開なのが良い。 任天堂作品の中ではかなりニッチな存在であった。題材的に日本でしか出せそうもなく、そもそも日本でも大して売れるゲームではない。…となれば到底続編なんて出ないと思われたのだが、Wii〜3DSで『パンチアウト』や『パルテナの鏡』でさえ、近年新作が出た。最近のハードなら臨場感も格段に上がるだろうし、ファミ探も念願の新作はいかがでしょう、任天堂さん?…とか言ってたのだが、(まぁ新作じゃなくてリメイクだけど)スイッチさんで発売が決まったのは、ちとビビる。この調子で他の埋もれてるシリーズもリブートしてくれんもんですかね…?(笑) |
掲載日:2010年10月2日
更新日:2021年3月9日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 8 | 6 | 9 | 8 | 7 | 9 | 82 |
おお!良い結果になったようぢゃ! |
・ゲームオーバー等も存在しない完全に一本道のシナリオだが、全く関係の無さそうな所から謎解決の糸口が見えてきたり、思いがけぬ処から意外な展開へと発展したりなど、予想外の展開は多めながらも推理モノとしてのセオリーはしっかりと満たしていてクオリティは高い。話の展開も流石に現実的とまではいかないが、ゲーム中ではしっかり筋が通っていてご都合主義過ぎる展開も少なめで読み応えがある。 ・物語の複雑さが増していく後編以降にかけては、ストーリーの節目ごとに探偵事務所に戻って回想を念入りに行うなど、物語の展開が混濁しないように配慮されてる点もありがたい。 ・曲の使い方が上手い。メロディラインが強い曲はあまり無いんだけど、状況に応じた曲が多くて場面ごとの盛り上がりはしっかり意識づけされている。 |
なんぢゃあ…イカンかったかのう… |
・この時代のテキストアドベンチャーゲームには付き物の問題だが、文字送り速度がやたら遅くてペースが悪い。登場人物に総当たりで聞き込みを行っていると、全く同じ台詞を何度も何度もゆっくりしたペースで眺めなければならなかったりするのも結構辛いものがある。 ・事件とは関係の無い場所で、何の関係もない行動を行う事によって進行フラグが立つものが幾つかある。脈略がなさすぎてこれは難しいというよりも、総当たりで色々と試す必要があるのが面倒くさいという感じで、個人的には微妙。 |
コメントぢゃよ! |
"探偵倶楽部"という文字列だけ見ると、もしかすると子供っぽい探偵ごっこのようなストーリーなのではないかなと勘違いしてしまう人も多そうな気がするんだけど、ストーリー全体の流れとしては横溝正史の『金田一耕助シリーズ』の一つ『八つ墓村』や『犬神家の一族』と大筋の雰囲気は似ている(というか、ゲーム中で明らかにそれらのパロディ的な台詞が出てる)。 システム部分ではやや不備があり、総当たりで色々試す必要があるのはけっこう面倒臭い…けどこの時代のテキストアドベンチャーゲームとして見ればまだ許容範囲内かと。推理小説さながらの驚愕の展開や、プレイヤーに黒幕が誰なのか分からないように惑わせるミスリードなど、サスペンスモノとして見ても中々のクオリティ。古くから培われてきた探偵モノとしての技巧をゲームとして上手く落とし込んである、新しくも珍しいゲームだった。 |
掲載日:2021年3月9日
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