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ファミコン探偵倶楽部PART II
うしろに立つ少女

メーカー:任天堂
機種:ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売年月日:1989年5月23日(前編)/6月30日(後編)
価格:各2600円
ジャンル:アドベンチャー


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スイッチさん版リメイク

1作目リメイクも同梱のSP版

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 9 8 8 9 8 10 87
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
おお!良い結果になったようぢゃ!
・前作の時点でほぼ完成していたテキストアドベンチャーとしてのノウハウはそのままで、さらに物語の意外性や臨場感がパワーアップした印象。物語を進めるごとに謎が謎を呼んでいきオカルトチックな背景も見えてくる、奥深いロジックを含むシナリオがかなり秀逸。

・一度聞いた話をもう一度聞こうとしても大幅に省略されるようになったり、次の展開へ進むフラグが立つと相手が早々に立ち去ったりする等の工夫が加わり、かなりテンポよく進められるようになったのは最大の評価点。同じ台詞を何度も読む事ほど面倒な事は無いので、シンプルながらこの工夫はありがたい。

・BGMも場面ごとに合った良曲が多いが、シナリオ部分でホラー要素が増えたのに合わせてホラー風味の曲も使われていて、これがまた絶妙に恐怖心を煽ってくる!映像面とテキストでもホラーらしさを発揮出来てる部分もあるが、何よりも音楽面によるホラー効果は特に影響が大きいように感じた。

・個性的なキャラクターが増えたのも特徴で、どのキャラも何かしらの秘密を抱えているのを暴いていく面白さが強くなっている。さらに前作と比べると物語終盤になっても最も肝心な部分だけは断定しきれないおかげで、最後の最後まで真相が判明しないのもポイント。

・前作ではなぜ事務所で味方ポジションとして居たのか分からないヒロインキャラ、橘あゆみの出番が大幅に増えたのも良かった。クリア済みのプレイヤー視点で見れば、ファミコン探偵倶楽部といえば橘あゆみ、と言われるようになったのも頷けます。
なんぢゃあ…イカンかったかのう…
・ゲームクリア時には大半の伏線回収や謎の解決はしているものの、前作とは違ってゲームクリア時点でも謎のまま終わってる部分がいくつかある。オカルト的な現象として捉えるか、何らかの理由をこじつけて納得するかはプレイヤーの判断に委ねられていると取れなくもないんだけど、大半の伏線はしっかりと回収されてるだけに微妙に謎が残ったまま終わってしまうのはやや釈然としない。

・前作と比べれば確かに快適さは増してるんだけど欲を言えばあともう少しだけ、テキストの表示速度が早ければ完璧だったかなーと…。
コメントぢゃよ!
 ゲーム開始直後からホラーチックな演出が始まったせいでホラーが苦手な自分はかなりビビったが、本編を始めてみれば内容はホラー一辺倒な訳ではなく、ストーリーの奥深さを増すために一種のスパイスとしてホラー要素を組み合わせている感じなので、基本的にはサスペンス的な一本道のストーリーを追うテキストアドベンチャーゲームとなっている。

 前作と比べると表面上は嫌味な人や悪い人があまり存在せず、謎は抱えてるものの基本的には人当たりの良さそうなキャラばかりなのが良い意味でクセモノと言えそうな。展開が予測出来ず最後の最後まで予想外の展開が繰り広げられるので、この面白さ(それと不気味さ)を楽しむためにもネタバレに通じそうなものは全て見聞せずに遊ぶ事を強くオススメ。

 ストーリーの時系列としては前作の『消えた後継者』(レビューはこちら)よりも前の話となっていて、なおかつシナリオ上での繋がりはほとんど無いので、本作だけプレイしたり本作を先にプレイしても問題は無いと思う。この手のテキストアドベンチャー系が全く馴染みの無い人に対しては、快適さが増した本作の方を先にプレイしてもらった方が良いんじゃないかと思う。

 更に付け加えると、今後発売される予定のSwitch版はプレイする予定が無いので分からないけど、本作をプレイするならファミコン版でプレイするよりも、スーパーファミコンのリメイク版の方が映像・音楽・快適性等がさらに上回っているので、こちらでプレイした方が個人的にはオススメ。ファミコン版ではファミコン版なりの素朴な恐ろしさもあるので、その辺はお好みかもしれませんが。

掲載日:2021年3月16日


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